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第5話 ボロボロの本

ミーアに魔術本や冒険譚、それから童話など、本の場所を粗方案内をしてもらい、その中で一冊の不思議な本を見つけた。見た目はボロボロなのにとても惹かれる本で周りに置かれている本と合わず、目立つ本だった。


「その本が気になるのですか?お客様」

気になり、凝視しているとミーアは首を傾げて聞いてきた。

「えっと、うん、何となくだけど」

ミーアは不思議そうに見てくる。

とても古くて本のタイトルも擦り切れて、分からない様な怪しい本は他にも沢山ある、その中で何故それを、と言った顔。

「・・・そうですか、お客様も不思議な方ですね」

ミーアには全く分からないと言った様子でため息をついた。

「も?他に読む人が居るの?」

ミーアの、言い方に気になり質問する。

「いえ、少し姉が読んでいたので、そう言ってしまっただけです」

ミーアはスノーに姉について問われ、姉の話を不機嫌そうにした。こういう時、好かれるのはお姉ちゃんで自分では無い、だからスノーにも言われ、不機嫌になってしまう。



さっきの会話の後、ミーアさんは少し席を外しますと言って何処かへ行ってしまった。

「ミーアさん・・・」

ミーアの事が心配になる気持ちでいっぱいになりながら机に置いた本を開く。

しかし、今まで出来事が大変だったのか、すぐに眠くなってしまう。こくり、こくりと頭が下がり、意識が薄れていく。



・・・・・・・・・・・・・・・

私また、お客様にあんな態度をとってしまうなんて。

図書館を出て、歩く度に後悔の思いが出てくる。

「もっと、普通に接したいのに・・・お姉ちゃんみたいにもっと、あの子と仲良くなりたいよ」

ポロポロと涙を零しながら、自分の理想である姉の事を考える。

ミーアは、皆には冷静で居てメイドとしての態度は素晴らしいと思われているが、実際の所はただ恥ずかしくてあんな態度とっているだけでそんなに真面目ではない。

「私のばか!ばかばか〜!」

誰も居ない廊下で自分の頭をポカポカ叩く。ミーアは、今までで一番後悔をした。


「スノーさんは何で、お姉ちゃんと仲良く出来てるのかな?スノーさんは・・・」

冷静さを取り戻してきたミーアは、さっき叩いた自分の頭を撫でながら考える。

何でだろ、スノーの事を考えたくなる。本を読むのが趣味と言う共通の話題があるからかな?

今の自分にも分からない感情。

「・・・ん〜、分からない・・にゃ」

ミーアは、姉の真似をすれば何か分かるかもと思い、口調を変えるが、恥ずかしくなり、赤面する。



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