第30話 失敗
ミーアが去ったあと、一人うなだれていた。ミーアならきっと信じてくれると思っていた、まさか拒絶されるとは思わず気持ちが沈んでいく。
「馬鹿なの?スノーあなたは」
リーテが洞窟の壁に寄りかかりため息をつき、呆れている。
「うぅ、リーテ」
リーテを見て、抑え込んでいた気持ちが溢れてくるかのように涙を流した。
「ごめんスノー、私があなたと会っていなければこうはならなかった」
スノーなら話してしまう、そんな事は誰よりもわかっていた、初めて会った時にあの世界を見て、私を見て悲しい顔をしていたスノーなら絶対言う、それを分かっておきながら私は、ミスを犯してしまった。
「リーテのせいじゃないよ、私がもっとちゃんと伝えられていたら」
「無理、特にあのミーアって子は」
「ミーアはだめなの?何で?」
あの猫の娘は魔女に対する復讐心がすごい、おそらく人間に何かを吹き込まれたのだろう。ただ何故だろうあの猫の娘を見て親近感を覚えた。
「そんなにだめ?」
「駄目というか、無理だね」
「そうなんだ」
暗い場所に二人、これは本で読んだことがある。確かこういう場所で愛が深まるとか書いてあった気がする。本の事を思い出すと自然と顔が赤くなっていく気がする。
「ねぇ、スノーそう言えば、覇王の話終わってないよね」
「えっ?あ〜、うんそうだね、ここでするの?」
「ちょうど二人っきりだし、誰も来ないし良くない?」
リーテはそう言うが私は、あんまり覇王の話は好きじゃない、話がややこしいし意味わかんないからだ。
「スノーもしかしてだけど、覇王の話嫌い?それなら別の話をするけど」
「う、うん嫌いっていうかよく分かんないだよね、だから話されても困るかな」
スノーは苦笑いをする。
「ならさ、スノーのスキルの話でもしようかな」
「スキル?確か、何人一人のやつでしょ」
正確には覚えていないが、すごい特殊なのは分かる。
「それそれ、そのスキルについてだよ、確かスキル名しか書いてなかったでしょあれ」
思い出してみれば確かにスキル名しかなかった記憶がある。あの時は深く考えなかったがよくよく考えれば不自然だった。
「あのスキルね、みんなの中では何万人に一人とか言われてるけど、スキル持ちってこの世界に二人しか居ないんだよね、だから一つでも持っていただけでその人の人生は一気に変わる、良く言えば特殊体質、悪く言えば魔女スキル」
やっぱり難しい話だった、頑張って理解しようとすると頭が痛くなる。
「まっ、スキル自体の説明はいいとして、スノーのスキルの説明をしよう、えっとまず神殺しだっけ、ん〜何て説明すればいいんだろ」
スノーの周りをくるくると回っている。
「どうしたの?リーテでも説明するの難しい?」
「えぇ、とっても」
スノーは頭を抱えたくなる。だってずっと難しい話ばかりしていたリーテでも理解できないほどの難しさなんて、私じゃ聞いただけで倒れそうだ。
「神殺しか、そうだね〜例えると神が作り出したもの全てに普通以上のダメージが入る、もちろん神も同様にだけど」
リーテは身がすくむ、神が作り出したものつまり人間や動物、神すら簡単に殺してしまうかも知れないスキル、そんなスキルの存在を今のスノーに教えてしまった。
「・・・神殺し、ん〜扱うのは難しそう、でもこれを私に授けてくれたのはリーテだよね」
リーテは驚く、強大な力に恐れる、そう思っていたのに微笑み、喜んでいる。
「次に、魔女の加護、これは簡単に説明可能だよ、私の使える魔術やスキルを使えるようになるだから」
それはリーテにとってのただの口実だった。本当は、あの神殺しや物理・魔術反射スキルをスノーのスキルだとは思わせたくなかったのだ。知ったらきっと、何かが壊れる気がするから。




