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第21話 医者

魔術を使ってからの記憶が無く何をしていたのか思い出せない。でもこのベットの感触的にあの宿だ。

「戻ってこれた・・・」


辺りを見渡し、二人を探す。

「チト?ミーアさん?」

きっと凄く心配させてしまった。スノーは申し訳ない気持ちでベットから起き上がる。

「早く探さないと」

服がいつものボロ服からいつも間にかフード付きの服になっていた。これは犬のパジャマかな、ミーアさんが着せてくれたのだろう。パジャマを脱ぎ、いつもの服に着替えようとするが服が無かった。

「これじゃあ、外に出られないどうしよう」

頭を抱え、この後の事を考える。


「こっちですにゃ!」

扉の外からチトが声を大きくして言っている。

普段とは声の大きさも違い相当焦っているのだろう。

「す、スノー様!」

扉を勢いよく開け、ミーアが入ってくる。とても冷静なイメージがあるミーアは頰を仄かに赤らめ、少々汗をかいている。そんな少女に抱きつかれ、耐えきれずベットに倒れる。

「み、ミーアさん、私も嬉しいけど流石に知らない人がいる所でやるのは、恥ずかしいかな」

「そんなの今は、良いです!良かった・・・うぅ・・・スノー様ぁぁ!」

汗の匂いなのか、何故か甘い香りが漂ってくる。

「ミーア・・・さん、ち、ちょっともう・・・止めて〜」

「スノちゃん、起きたのかにゃ」

ワンテンポ遅れて、チトがやってくる。隣には白衣を着た女の人が息を弾ませていた。きっとチトに引っ張られてきたのだろう。


「あなたが患者の人?話とは少し違うけど、何があるか分からないから、診るわ」

流石はその道のプロ、すぐに息を整え、スノーに近付く。

「ええっと、はいお願いします」

医者に見てもらった事が一度も無いので、どうしたらいいのか分からない、とりあえず大人しくしていれば良さそうだ。

医者の治療は魔術を使ったものだった。私には何をしたのかは分からないが、光を当てられているだけだった。

「なるほど、大丈夫そうね、しかし何故?」

まじまじと見つめられ、目を逸らす。

「何かあったのですか?スノー様に」

「いえ、微量ですが瘴気を感じたので」

「瘴気・・・ですか」

この世界で瘴気を放つのは一人しかいない、魔女しかいないのだ、もしかしたら魔女に魅了されそうになっていたらと思うと悪寒がする。スノーの事はこれまで以上に守らなければとミーアは肝に銘じるのだった。

「私は、これで失礼しますが、今は安静にしていてください」

医者に念を押され、うなずく。しかしミーアには聞こえていないのか、ずっと何かを呟いていた。






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