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第17話 優しさ

私達は、宿に着き、入り口の前で止まっていた。

というのも、人の多い場所に慣れていないスノーとミーア、それと何をしでかすか分からないチト本当に最悪な編成なのだ。

「だ、誰が行くの?私かな」

「い、いえ、スノー様自ら行くのは駄目です、ならばわわ私が!」

チトは緊張したミーアを見て笑う。

「ミーア、中々に面白いにゃ、もっとやってほしいにゃ!」

どうやらチトには、冗談を言っていると思われてる。

「どこが面白いですか!私は至って真面目です」

ミーアは頬を膨らませ、睨んでいる。

「落ち着いて、とりあえず中に入ろうよ?」

ずっとこんな場所で、議論しているより強引に連れて行った方が良いと判断した。


二人の手を引っ張りエントランスホールに入り、受付カウンターで手続きをする。

「一部屋で空いてる部屋ってありますか?」

受付の台が高いので、ちょっと一苦労している。

「一部屋ですね、分かりました、手続きをするのでしばらくお待ちください」

スノーは小さくて台と同じくらいの身長なので、周りの人は心配そうな視線で見る。誰もが小さいスノーを見て、応援してくれているのだった。


「完了しましたので、宿の代金と何日泊まるのかを教えてください」

「えっと、一ヶ月泊まりたいです!お金は」

ポケットからその分のお金を取り出そうとすると、男達が出て来て受付の人にお金を渡す。

「えっ?ちょっ、何で?」

驚きと動揺で言葉が出てこない。

「良いんだよ、俺も人助けがしたくてな」「俺もだ、ちょうどお金が余ってて仕方なくてな」

怖い事をされるのではと思っていた、スノーは呆気に取られる。そんな事を気にする様子も無く、次々と別の男がお金を出していく、気づいた時には一ヶ月はおろか、一年は泊まれる量のお金が積まれていた。

「な、何でここまでしてくれるのかな?」

「これが、スノちゃんパワーなんだにゃ!」

今まで以上に意味の分からない事を言って興奮しているチト。

「これは、大変な事になりましたね」

ミーアも頭を抱えて、乾いた笑いをしている。



「た、大変だったー!まさかあんな事になるとは」

あの、エントランスでの出来事の収集に数時間かかった。チトとミーアがおかしくなった後も次から次へと人が来て、もみくちゃにされ、スノーの服には大量にお菓子が入れられパンパンになったりともう何が何だか分からなかった。

「にゃはは〜、確かに、でもお陰でこんな広い部屋に泊まれたにゃ」

そう言って、部屋の中で走り回る。そうなのだあの大量のお金でスイートルームに泊まれる事になった。しかしこの部屋を3人で使うにはあまりにも広すぎると思う。床にはピンクのカーペットが敷かれており、ベットは3つあり、すべてに天蓋カーテンがあり、天井にはお洒落なランタン的なのが吊り下がっている。すべてが完璧な部屋に自分達が本当にここで暮らしいて良いのかと疑問に思ってしまう。


「眠れるかな?何か怖い、起きたら外に出されてたとかだったら」

「どこの小説の話ですかそれ、あり得ません」

ミーアは首を振り、否定する。

「明日は早く部屋を出て冒険者ギルドに行かないと行けないんだっけ?」

「はい、そうです」


暗闇の中、スノーだけがベットの上で眠れずに、どうしたものかと考えている。

「眠れないの?スノー」

いつもは頭の中で響く声が、今日はすぐ近くで聞こえる。

「リーテ、今日の事考えてたら眠れなくて」

ずっと気掛かりだったのだ、何で自分にお金をくれたのか、男の人はいつも酷いことをする、だからきっと今日のも、と思うと警戒してしまう。

「大丈夫じゃない?ま、あれは異常だったけど、別に悪巧みをしたくて近付いたのでは無いと思うわ、恐らくだけど、君が可愛いからじゃないかな?誰だって頑張ってる人を見たら応援したくなるでしょ」

ベットに入り、ギュッと抱きしめてそう囁いた。

「そう、なのかな?私には分からないよ」

「えぇ、きっとそうよ、だから安心して眠りなさい」

スノーの髪を梳いて、優しい眠りに誘う。

「おやすみなさい、スノー」

すうすうと寝息を立てて、眠るスノーを見て可愛らしいと思うリーテであった。

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