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七話 俺、部活に入ります。


「――――きっとそれは気づいてないだけだね」



「――――――え?」

ぼそりとつぶやかれた言葉に矢人は少し顔を傾けた。ぼぅっとしていたせいでよく聞こえなかった。

「ん?何でもないよ」

椿はわざとらしくニコリと微笑むと何もなかったようにしらを切って見せた。何か胸に引っかかるものを感じながら考えても仕方ないと思い、流すことにした。

「で、なんで俺なんだ?」

そう、それがもう一つの気になる理由。

「うーん……たぶんだけど、帰宅部から選ばれたんじゃないかな。君も知ってると思うけどここの学園は部活の強豪校。ほとんどの人が部活目当てで入ってくるから君のように帰宅部の人間は極めて希少だよ」

なるほど、矢人もここの学園が部活の強豪校で倍率も年々跳ね上がると承知だったが家が近いという理由で受験した矢人は少々苦労することになったのだ。

「ふぅん、まぁどうあれ俺は数合わせの幽霊部員ってことでいいんだよな?」

「い、いやそれが…ね」

椿は急に汗を垂らして言葉を濁した。

「実は部長をやってもらおうと思って…」

そういって椿はちらりと先生を見ると先生は無言でコクコクと首を縦に振った。

「――――は?」

言葉が後から漏れる。先生が「それがね…」と切り出した。





「――つまりは部活のメンバーがかなりの難癖もので部長をやれるもんじゃないと」

なんて情けない理由だ…矢人は苦笑いをしながらため息をついた。

「椿は?お前がすればいいじゃないか」

すると、椿は、ほえ?と首をかしげた。

「いやだってボクそんなのめんどーだし、やるなら顔だけ副部長かな☆」

「お前なぁ」

うちの妹に並ぶぐうたらっぷりに矢人は再びため息をつく。

「そういうわけなんだ。毎日部活には来ないとだけど、けっこー大変だけど…!このトーリです」

デメリットをバシバシとたたき出されながら頭を下げられ、矢人は困惑した。

だが、昔から()()だ。矢人は昔から困っている人を放っておけないおせっかいタイプなのである。息をついて言った。

「わかりましたよ、入ります!」




教室を出た後、窓の外を眺めながら小さく背伸びをして叫んだ。

「いっちょやってやりますかー!青春部っ‼」





だが、この時は誰も知らなかった。

これから訪れる矢人のはちゃめちゃ学園ライフに。



更新遅くなってすいません!

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