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五話 ようこそ、青春部へ!


「君、青春部に入らないかい?」

そう言われたのは、今日の放課後のことだった。





「ふあぁ……」

高校二年生になって二日目のこと。矢人はなんだかいつにも増してきた疲労を大きいあくびで発散する。まぁ、大した発散にもなっていなかったが…

昨日、遅刻ギリギリ・返事・自己紹介…と立て続けに失敗をしていれば仕方ないといえば仕方ないのだが。その反動だろうか。今日は一日中とても平和だった気がする。昨日のことで矢人ジャッジがくるってなければの話だが…。

「おまえ、部活はいるの決めた~?」

「決めた、決めたー。俺、サッカー部。お前は?」

「俺?俺はテニス部かなぁ……あっ、そういえばさお前知ってる?なんか変な部活があるっていうの」

「知ってる、知ってる。今年からできたってやつだろ?えっと…あお…?」

なに何気ないクラスメイトの会話に耳を傾けていると、担任の小渕 架子教諭。略しておぶちゃん先生がこちらを呼んできた。ため息をついて立ち上がり、先生のほうへと出向く。

「くりやまー!助けてくれー!いや、くりえもーん!」

なんだか見てはいけないものを見た気がして即座にUターンする。

「いや、ごめんごめんごめん。まっててば」

おぶちゃん教諭が慌てたように矢人を引きとめる。

「いやぁ、ちょうど今暇な人を探してたんだよねぇ~」

「いや、俺暇じゃないんで。じゃ」

用件だけ伝えると再びUターンをするとまた止められる。

「いやいや、ちょっとお願い?てきなーさぁ?ねっ?」

縋るように先生が猫撫で声を発してくる。矢人は大きなため息をついた。

「聞くだけですよ」

おぶちゃん先生は「っよし」とガッツポーズをすると話を始めた。

「実は、ある部活に入ってほしくてね。今年からできた部活なんだけど、一人丁度足りなくてね。まぁ、百聞は一見に如かず、仮部室に行こうか」

「は、はぁ…」

先生に言われるがまま一つの空き教室のドアノブを回す。そしてゆっくりと口を開いた。

「ようこそ、青春部へ!」

青春部…。

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