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三話 クラスメイト


「―――――っふ………………っはっは…ひっぃ~」

蓮星学園へと走る中、矢人は、先に行くひと回り小さい影を見据えた。

「おにーちゃん、おっそーい!」

「う、うるせ…」

何故か、矢人は汗だく全速力で走っているはずなのに先に走る結茉は対照的に汗一つかいていない。絶対的な運動能力の差を見せつけられた矢人であった。




「………うぅ、どうにか間に合った…………」

決められたクラスまでゼェゼェと肩で息をしながら、ふらふらと歩いていると一つの影にぶつかった。

「よっ、くりちゃん!今年もおんなじクラスだぜ!」

「げっ…」

目の前にいたのは、去年から同じクラスの矢人のクラスメイト―――橋本 悠真だった。

「いや、げってなんだよ!げって!しかも、もうちょっと隠したりしてもいいじゃん!?」

橋本の言葉を全スルーして、確認した自分の席に座りに行く。そこまで行ったところで、隣の席に新たな刺客を発見する。先方も気づいたらしく言葉を振ってきた。

「おや、久しいじゃないか。矢人」

やはりこいつだ。そこにいた少女は矢人の幼馴染―――宝瓶 椿。

「あぁ、おはよう…」

黒く艶やかな髪と皮手袋が特徴の少女を見ながら深いため息とともに、自分の悪運を呪う。

「いや、そこまで?そこまで嫌なのかい?ボク傷ついちゃうなぁ~」

一人称がボクのこいつは、いわゆるボクっ娘ってやつだ。仕方なく、半眼を作りながら「お・は・よ・う」と言った。隣から、「なんかもう傷つく…ひどいよ」という声が聞こえなくもなかったが、空耳か何かであろう。

先生が入ってくる中、ぼんやりと誰にも聞こえないくらいの声でつぶやく。

「俺は、これからもこうやってのんびり過ごしていくんだろうなぁ…」

空は青空、そして鳥が飛んでいた。

まだまだこれから、日常も続くけど…

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