十三話 毒舌後輩と
「副生徒会長」
少女は少し勝ち誇った表情を浮かべた。
「――――くっ、負けたっ……!!」
いや、何にだよ。自分に対して少しツッコミ。大事なことを聞かなければならなかった。
「会長に用事があって……」
少女は矢人の要件を聞くと、ため息をついて、会長の回転席を回しそこに座った。
「見てわからない…?会長は今不在。いまは、私――天秤 弥冥がここの最高管理責任者」
前髪で顔が半分隠れていても迫力は十分だった。身じろぎしながらも唾液をごくりと飲んだ。
「なんでここに頼み込みに来たの?部員を無理やりでも増やせばいいのに」
「ほ、ほぼ部活に皆所属してるみたいで…」
そして続ける。「だから…」
「なんでもするので、部室を貸してくれませんか!活動がしたいんですっ!」
その時、弥冥の眉がピクリと動いた。心を動かしてくれたのか、そう思いきや。
「な、……なんで、も?」
キランと弥冥の目が光った気がした。何だか言ってはいけないことを言ってしまったようだ。
「じゃ、あ、わたしの秘書兼助手になって……!」
「え?」
少し呆けた。もう少しきついこと言われると思っていた。しかも、助手っていったい……。
「まぁ、百聞は一見に如かず。見ればわかるよ」
弥冥はそういうと、何もない壁を軽く押した。すると、ギギッと音がして隠し扉が姿を現した。扉を開けた先にはっ!
「――――へ?」
そこには幾つもの㍶と機械が立ち並んでいた。何だか随分と近代化していた。
「な、なんでこんなものが生徒会室に……」
矢人が、驚きに声を震わせていると弥冥は淡々と話した。
「私の異能力は、『変成』。部屋の構造を足すくらい……容易い」
「お、おぅ……」
なんだか、凄くチートだった。そして。まんえんの笑みで彼女は言った。
「よろしくねっ!『青春部』の一員として!」
「――ん?」
矢人さんびっくり。なんて言った?ヨクキコエナイ。よし、深呼吸だ、深呼吸。すぅ、はぁ、す~…はぁ~、すぅ
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
毒舌後輩、青春部に入部。
どうなることやら…
部室ゲットだぜっ!