表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春は恋愛研究と共に!  作者: Oshow3
1/1

入部編

キーンコーンカーンコーン。

入学式が終わり教室へ。


今日から俺、(名前)は楽しい高校生活を送ることになっている。

中学時代は特に何かあるわけでもなく、テストの順位も真ん中よりちょっといいくらい。

外見は、自分で言うのもなんだがわりとイケているほうだと思うのだが、友人いわく『う~ん、良くも悪くもない顔』だそうだ。

まったく、どんな目をしているのか。眼科に行って調べてもらうことをオススメしたい。

とにかく、何もかも標準値な俺は恋なんてのも標準だ。

他の大多数の男子学生と変わらず、いまだ彼女なし。


つまりは童貞だ。


もちろん彼女は欲しいし、女性に興味もある。標準値以上に。

だが、すべてが標準値の俺は、告白することもされることもなく、中学三年間を過ごした。

しかし、まったく色恋沙汰がなかったのかといわれると、そうでもない。

これまた大多数の中学生が経験する病『片思い』というやつだ。


お相手は学園のマドンナ(女生徒の名前)さん。

その名前を口にするだけでも胸が苦しくなり、心の奥がモワモワする。

彼女は大企業のご令嬢で、成績もトップクラス。おまけにスポーツも万能。

男子生徒の理想をすべて詰め込んだような外見と相まって、神々しさすら感じるレベルの存在。

そんな彼女に、すべてが標準値の俺が近づけるわけもなく、あえなくそのまま卒業してしまった涙


高校生活ではその悔しさをバネに、ハッピーな恋愛を経験し童貞を卒業したい!

今日はその高校生活の初日。そう、すべてはここからだ。キラリ


そうこうしているうちに担任が教壇に立つ。


『みなさん。当学園へようこそ。私が担任の(担任の名前)です。よろしくね』


そう言って黒板にチョークで名前を書き振り返る。


…美しい。

控えめに言って、ミロのヴィーナス。

大きく張り出しスーツのボタンをはじけ飛ばしそうな双丘。抱きつけば折れてしまいそうなくびれた腰。

そして、もはやなんと表現していいのかわからないスカートを引き裂いて出てきそうな桃…のような部位。

いやいや、ボディよりもひときわ目を引くのは金色の髪に赤いフレームのメガネ。

これ(失礼)、高校教師でいいの…?


ボーっと見とれていると他の生徒(女子)が手を上げる。

「はい。え~と、(女子生徒の名前)さん」

女生徒は席に座ったまま答える。

「先生はどこの国の出身なんですか?」

言われてみれば確かに日本人離れしている。

というか、顔がどう見ても純粋な日本人には見えない。


「よく気づきましたね。私はアメリカ出身です」

いや、誰でも日本人ではない事くらいわかりますよ。

そんなツッコミを心の中でしつつ周りを見渡す。


ほとんどの男子生徒が目をハートにし、口が開いている。

女子生徒も見とれているものもいるが、一部の生徒はなんだか不機嫌だ。

わかるよ、その気持ち。

男子生徒の心を一気にわしづかみにする存在が近くにいたら、そりゃあ嫉妬もするよね。


「では、このあとホームルームで自己紹介が終われば部活見学会があります」


この学園では強制的に部活に入らなければならない。

よって、さっさと帰って塾に…なんてのは無理だ。

だから、数学部や国語部なんてのもある。

マンモス校である当学園には一流の講師が常勤しており、塾に行くより学力が向上すると言われている。

塾代もかからないので、その分こづかいが増えるのはありがたい。


他にも面白い部活はたくさんあるが、ここでは説明を省く…と部活紹介冊子に書かれてある。

おいおい、紹介冊子じゃないのか?という疑問を胸にしまい部活見学会にでかけるとしますか。


部活紹介冊子を手に学園中を回ってみることにしたが、なんせ超マンモス校、学園の広さがえげつない。

小さい町くらいすっぽり入るほどの敷地に、小中高大学とエスカレーター式の学校なので校舎や研究施設、商業施設や娯楽施設などもある。

なので、山ほど人がいる。


すべてを回るのは困難だから見たいところを効率よく回らないとほんとに日が落ちてしまう。

移動手段には校内バスも走っているので、例え端から端まで移動しようとしてもそんなに時間はかからない。


さて、どの部を見に行くか…お?

『恋愛学(探偵)研究部』?なんだそれ?

見るとこも決まってないし、とりあえずこれ見に行くか。

わりと近いし。


校内を歩いて移動する。

入学式というのもあってか、露店が出ていたり、パフォーマーがいたりとなんだかお祭り騒ぎだ。


「学園名物、ニャンニャン飯店の豚マンアルネ~」

と、ミニスカートのチャイナドレスを着たお姉さんが売り子をやっている。

…可愛い。


「ご主人様~オムライス食べて行ってくださいませ~」

と、猫耳メガネミニスカートメイドさんが甘えた声で上目遣いにねだってくる。

…可愛い。


なんだこの学園は、何かといちいち可愛い。

というか今気づいたが、この学園の女子生徒…レベル高くね?

客引きの売り子やメイドは可愛い子を選んでいるのだろうけど、すれ違う生徒を見ても可愛い子多いな。

一般的に言われている整っていないフェイスの方をあまり見かけませんが…。


逆にアイドル並みに可愛い人達ばかりしかいないような。

やっぱりマンモス校だからってのもあるんだろうな。


とりあえず、目的地に急ごう。


しばらく歩くと木造の古い校舎が見えてきた。

ここか?


正面の扉を開く。

ギギギィー…


なんだかホラー感が強めだな…。

この校舎のどの教室がその部活の部室なんだ?


部室を探しながら廊下を歩く。

ギィ…ミシミシ…ギィ…


薄暗いし、かび臭いし…バイオ○ザードかよ!


「わぁっ!!」

「わぁーーーーー!!」

後ろから誰かに抱きつかれ腰が抜けそうなくらい驚き悲鳴をあげる。


「ふふふっ(主人公名前)君、怖がりなのね」

担任の(担任の名前)先生だった。


「いやいや、こんなところで急に抱きついてきたら…?誰だっ…て…」

うぉおぉーーーー!!

とてつもなく損をしたような気がするぅ!!


「ん?」

(担任の名前)先生が可愛く小首をかしげる。


「んっゴホンッ!とにかく、先生はここで何をしているんですか?」

「え?私は顧問の部活に顔を出しに来たのよ」


ということは、先生がこの部の担任?

よっしゃー!ラッキー!!


冷静を装って「そうなんですか。実は僕もこの部を見学に来たんです」

「そうなの?嬉しい!」

といって俺をハグする…いい匂いと…感触。


ご馳走様です。


「じゃあ、案内するわね」

そう言って俺の手を握り引っ張っていく。


高校生活って…最高!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ