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96話

次の日。

俺は人間界に戻るため、準備をしていた。

「レイ、私も行っていい?」

「もちろん。ヨセリアさんも帰るのか?」

「うん」

「それなら、ヨセリアさんにも準備するように言ってくれ」

「分かった」

そうして、アイリスは部屋から出て行った。

俺は部屋を片付けていると……

コンコンコン。

「はい」

「あ、レイ様、私です」

「メイリーか。入っていいぞ」

俺がそう言うと、メイリーはドアを開けて入って来た。

「どうしたんだ?」

「レイ様達は人間界に戻るんですよね?」

「ああ」

「次はいつ魔界に来ますか?」

「そうだなあ……1ヶ月はかかると思う」

「そうですか……」

メイリーは少し寂しそうにする。

メイリーは俺に懐いてくれていたからな。少し寂しいのかもしれないな。

「出来るだけ早く終わらせて、またここに来るよ」

「約束ですよ?」

「ああ、約束だ。だから待っててくれ」

俺がそう言うと……

「はい!」

笑顔でそう返事をしてくれたのだった。


その後メイリーは部屋から出て行き、俺は再び部屋の片付けをする。

そしてそれが終わると、俺は部屋を出た。

「さて、アイリスを呼びに行くか」

そう言って、俺は歩き出した。


俺は、ヨセリアさんに割り当てられた部屋の前まで来た。

コンコンコン。

「はい」

「ヨセリアさん、そろそろここを出ようと思うんですけど……」

「あ、ちょっと待ってね」

「分かりました。それと、アイリスもそこにいますか?」

「え、アイリスならさっき出て行ったわよ」

「え、そうなんですか……それじゃ、探してみるんで、ヨセリアさんは先に城の入口に行っててください」

「分かったわ」

アイリスのやつ、どこ行ったんだ?

俺はアイリスを探すため、歩き出した。


暫く歩いていると……

「あなた、本当に信用していいのよね?」

「ええ、私は人間との共存を望んでいるんだもの」

そんな声が聞こえてきた。

こっちか?

俺が廊下の曲がり角から少し顔を出し、様子を伺う。

あれはアイリスとパトリシアか。

そこにはアイリスとパトリシアがいて、2人で何か話しているようだ。

「私、まだあなた達の事を完全に信用する事は出来ないわ」

「……それは、ご両親の事が関係しているのかしら?」

「ええ、そうよ」

アイリスはそう言い、それを聞いたパトリシアは……

「!?」

頭を下げた。

「ごめんなさい。あなたのご両親の事は、私が代わりに謝るわ。でも、他の魔族も一緒だと思わないで。私達は、決して人間を傷つけるために生きてるわけじゃないから……」

パトリシアはそう言った。

そこで、俺は2人の所へ行き……

「アイリス、どうするんだ?」

「レイ!?」

「どうしてここにいるの!?」

2人は俺がいる事に驚いていた。

「そろそろここを出ようと思ってな。それでアイリスを探していたんだ。それでアイリス、パトリシアはこう言ってるが、お前はどうするんだ?」

俺がそう聞くと、アイリスは少し悩む。

そして……

「……分かったわ。私も子供じゃないし、ここに来てから魔族が悪いやつばかりじゃないって、分かったもの」

「アイリスさん……」

「だけど、やっぱりまだ心の整理が出来てないの。だから、人間と同じようにあなた達と接する事が出来るかどうかは、正直分からないわ」

アイリスはそう言う。

まあ、仕方ないよな。今までずっと、魔族は両親を殺した悪いやつって思ってたんだから。

「……だから、これから頑張ってみるから。その第1歩として、あなたの事……パトリシアって呼んでいいかしら?」

それを聞いたパトリシアは、少し驚いた後……

「……もちろんよ、アイリス!」

そう言ったのだった。

……ここから、歴史が変わっていくといいな。

俺は2人の姿を見て、そう思ったのだった。


そんなやり取りがあった後、俺達は城の入口まで来た。

既にヨセリアさんはいて、俺達を待っていた。

「あ、ごめん、ケーナ」

「ああ、いいのよ。そんなに待ってないし」

ヨセリアさんはそう言う。

「それじゃ、行きましょうか」

「ええ」

「うん!」

「パトリシア、またな」

「ええ、気をつけてね」

「おう」

そうして、俺達は行こうとする。

「レイ様!」

しかし、そこで俺は呼び止められた。

「メイリー?」

メイリーがこちらに走って来た。

「レイ様、これをどうぞ!」

そう言って渡してくれたのは、弁当だった。

「また作ってくれたのか」

「はい!」

「ありがとな」

俺はそう言って、弁当を受け取る。

「こちら、アイリスさんとケーナさんの分です」

そう言って、2人にも弁当を渡すメイリー。

「ありがとう」

「あ、ありがとう」

2人とも、お礼を言って受け取る。

「そんじゃ、今度こそ行くか」

そうして、俺達は歩き出す。

「頑張ってね!」

「レイ様、お気をつけて!」

「おう!」

そうして、俺達は人間界に向けて出発したのだった。


暫く歩いて、ゼディンから出た。

「なあ、2人はどのくらいでここまで来た?」

「えーっと、確か2週間ぐらいかしら?」

「うん、そうだったと思う」

2週間か……

「かかり過ぎだな……」

「ちょっと、そういう事言う?」

「あ、ああ、悪い。でも実際、2週間もかけていられないんだよな」

「え、そんなに早く行かないといけないの?」

「ああ、出来るだけ早い方がいい」

「理由は?」

「裏切り者が捕まったからな。人間側は何かが起こったと思っているだろう」

「成る程。それで急いだ方がいいってわけね」

「ああ」

「でも、私達がどれだけ急いでも、1週間以上はかかるよ」

そうだよなあ。俺も10日ぐらいかかったからなあ。

……待てよ。

「なあ、2人は俺に抱えられるのは嫌か?」

「え?」

「どういう事?」

「俺が2人を抱えて走れば、多分1週間程でセントメイルに着くと思うんだ」

「え、嘘!?」

「そんなに早く着くの?」

「ああ」

「……抱えて走るのはいいけど、本当にそんなに早く着くの?」

「着く」

「……分かったわ」

「うん、私もいいよ」

よし、2人からの了承を得た事だし、早速やるか。

「リベレイト」

俺は刀を出す。

そして、呪文を唱える。


「我、手にするは王の力」


「光を纏い、闇を照らす」


「我が魂、その力を持って」


「光り輝く未来を切り拓こう」


「キング・ソウル・ドライブ!」


その瞬間、俺の体を光が包む。

「きゃっ!?」

「ちょっ!?」

2人は突然の事に驚く。

そして光が収まると、俺は金色の光を纏って、金色のマントを羽織っていた。そして、刀も金色に染まっている。

「失礼する」

「えっ!?」

「うわっ!?」

そして、俺は2人を抱える。

「そんじゃ、行くぞ」

俺はそう言って、走り出した。


夕方、俺達はテール荒野に着いた。

「よし、テール荒野に着いたぞ」

「え!?」

「嘘!?」

俺は抱えている2人を下ろす。

「……本当にテール荒野だ」

「こんなに早く着くなんて……」

2人はかなり驚いている。

俺は王化を解き、刀を消す。

「はあ、少し疲れたな」

やっぱり王の力の使用は疲れる。

「大丈夫?」

「ああ、少し疲れただけだからな。それより、今日はここで野宿だな」

「ええ、そうね」

「それじゃあ、俺はテントを張るから。飯はメイリーから貰った弁当を食べよう」

「そうだね」

「そんじゃ、やるか」

そうして俺はテントを張るため、準備したのだった。

そしてテントを張り終わった後、俺達はメイリーから貰った弁当を食べたのだが、俺の弁当だけ豪華で、アイリスからジト目で見られた。

何で俺が悪いわけじゃないのに、そんな目で見られないといけないんだよ……

俺はそんな事を思いつつも、弁当を食べたのだった。


夜、俺は2人と別のテントで寝ている。

「さて、早くセントメイルに戻らないとな」

そうして、俺は疲れていたので、そのまま目を瞑って寝たのだった。

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