90話
俺が魔界に来てから、既に1ヶ月が過ぎた。
特に何か進展があるわけでもなく、俺は毎日を過ごしていた。
そして今日はパトリシア達は学園が休みのため、魔王城にいた。
「はい、レイ様」
「え、何これ?」
「お弁当です」
今は午後1時。少し修行をして、城の中に戻るとメイリーがいた。
そして、俺に弁当を渡してくる。
「これ、手作り?」
「ええ、そうです。私が作りました」
女子からの手作り弁当か。初めて貰ったな。
俺は少しわくわくしながら、中を開ける。
「おお、美味そうだな」
卵焼きや唐揚げなど、男子が好みそうなものばかりだった。
「パンも焼きましたので、こちらもどうぞ」
そう言って、パンが入った籠を見せてくる。
「ありがとな。部屋で食べるよ」
俺はそう言って弁当を一旦しまい、籠を受け取ろうとした。
「あ、私も一緒に食べていいですか?」
メイリーがそう言ってくるので、俺は頷く。
「もちろんいいよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、一緒に部屋まで行くか。
「はい!」
そうして俺達は部屋まで行き、一緒に弁当を食べたのだった。
メイリーの弁当はとても美味かった。それを伝えると、また作ってくれると言っていた。
その後は一緒に庭に行き、俺とメイリーは一緒に修行をしていると、パトリシアとノセレさんが来た。2人も一緒にすると言うので、俺達は4人で修行をしたのだった。
そうして休みの日も終わり、次の日。
パトリシア達は学園に向かい、俺は庭に出た。
そして、いつものように刀を振るう。
それが終われば、書庫に向かう。そこで、俺は本を読んでいたのだが……
バンッ!
急にドアが開いた。
「何だ!?」
俺が驚いてドアの方を見ると、クラウスターさんがいた。
「難波様、大変でございます」
「どうしたんですか?」
俺はクラウスターさんに聞く。
「難波様のお知り合いだと言う人間が、城を訪れました」
「え……」
そうクラウスターさんは言い、俺は驚いて反応出来なかった。
俺とクラウスターさんは城の廊下を走る。
「こちらです」
俺とクラウスターさんは、俺が最初に魔王にあった部屋の前へと来た。
コンコンコン。
「魔王様、難波様をお連れいたしました」
すると……
「入れ」
そう返事があったので、クラウスターさんはドアを開ける。
「どうぞ、中へ」
俺は頷き、中へ入る。
するとそこには……
「レイ!」
「難波君!」
アイリスと、その友人であるヨセリアさんがいたのだった。
アイリスとケーナはレイに会うため、魔界に行くと決めた。
それから毎日2人は訓練をして、着実に力をつけていった。
そうして半月もすると、2人は学園でも最強と言われる程に強くなっていた。
「私達、かなり強くなったね」
そう言うのはアイリスだ。
「ええ、自分でもまさかここまで強くならなんて、思ってなかったわ」
ケーナは、自分が予想以上に強くなった事に驚いていた。
しかし、それは当然の事だ。アイリスはレイと一緒に行っていた修行を毎日していた。それを一緒にしていたケーナが強くならないはずがない。
そうして2人はそれから1週間程すると、遂に魔界に向かう事にしたのだった。
「ケーナ、忘れ物はない?」
「ええ、大丈夫よ」
2人は、アイリスの家の前で待ち合わせていた。
「学園には休学届けを出したし、大丈夫だよね」
「ええ、大丈夫だと思うわ」
2人は学園に休学届けを提出していた。どのくらいかかるのか分からない以上、学園には暫く帰れないかもしれない。
そのため、2人は学園に休学届を提出する事にしたのだった。
「それじゃあ、行こっか」
「ええ」
そして、そのまま2人はレイを探す旅に出たのだった。
それから2人は国を出て、平原に来た。
そのまま2人は平原を走り、4日もするとテール荒野に到着した。そして、国を出てから1週間が経つ頃には、テール荒野を抜けたのだった。
「ここから先は魔界だね」
「ええ」
「心の準備は出来てる?」
「それは今更でしょ」
「そうだね」
2人は今から魔界へ行くというのに、笑っていた。
「私達なら、大丈夫だよね」
「ええ」
「それじゃあ、行こっか」
「ええ、行きましょう」
そうして、2人は魔界へと足を踏み入れたのだった。
それから2人は慎重に魔界を進んでいた。
そんな2人は村を見つける。
「ねえ、あそこ見て」
「あ、あれって魔族が住む村かな?」
「多分ね」
2人は茂みから村の様子を伺っていた。
すると……
「おい、こんな所で何してんだ?」
「え!?」
「!?」
突然後ろから声をかけられ、2人は後ろを振り返る。
そこには、魔族がいた。
「あれ、お前ら、人間か!?」
どうしよう、見つかっちゃった!?
アイリスとケーナはそう思ったが、動けないでいた。
「何で人間がこんな所に!?」
魔族の方も驚いている。
「どうしたー?」
すると、他の魔族もこちらに来た。
アイリスとケーナは、もう駄目だと思った。
アイリスは遂に自分も魔族に殺されると思い、目を瞑った。
「レ……イ……」
そして、アイリスは思わずそう漏らす。
すると……
「レイ?レイって、あのレイか?」
魔族が思わぬ反応を返してきた。
「お前ら、もしかして難波レイの知り合いか?」
そして、魔族はそう言ったのだった。
「え……レイを知ってるの……」
アイリスは、魔族の口からレイの名前が出た事に驚き、そう返す。
「ああ、知ってる。あいつは俺の命の恩人だからな」
そう、2人が会った魔族は何と、あのジエンだったのだった。
それから2人は、ジエンの家に連れて行かれ、そこで事情を聞かれた。
2人は大人しく話すしかないと思い、ジエンとジエンの妻であるシェーラに事情を話す事にしたのだった。
すると……
「何だ、レイなら今ゼディンにいるぞ」
そう言われた。
「ゼディン?」
「ああ、あいつは魔族について知るために、今頃魔王様がいる魔王城にいるだろう」
思わぬ情報に、2人は驚いた。
「そ、その魔王城には、どうやったらいけるんですか?」
アイリスは、気がつけばそう聞いていた。
「そうだな……よし、俺が連れて行ってやる」
「……え?」
思わぬ提案に、アイリスとケーナは呆けてしまった。
そうして2人はジエンと一緒に、ゼディンを訪れた。
アイリスは最初、倒すべき相手である魔族と行動を共にする事を嫌だと思っていた。
しかし、このままだと自分達が捕まってしまう。そうなってしまえば、もうレイと会う事は出来ないだろう。
そう思ったアイリスは、渋々ジエンについて行く事にしたのだった。
そうして、アイリスとケーナはジエンに案内してもらい、1週間が経った頃に漸くゼディンに到着したのだった。
それからは魔王城に直接行き、ジエンが城の入口にいる衛兵に話をしてくれた。
そうして、2人は城の中へ通された。
ジエンはやる事があるからと、その後すぐに帰ってしまった。
そうして、2人はメイドに魔王の所へ案内された。
そこで魔王から、レイはもう少ししたらここに来ると言われ、待っていた。
そうして待っていると、ドアがノックされ魔王が返事をすると、ドアが開いた。
そして、そこには自分達が探していた人物がいたのだった。
こうして、場面はレイが部屋へと入った時に戻るのだった。




