表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/277

87話

メイリーは試合が終わると、ステージから下りた。

「お疲れ様」

「とても素晴らしい試合でしたよ」

そう言ってメイリーの所に来るのは、パトリシアとノセレだ。

「ありがとう、お姉様、ノセレ」

メイリーはそう言う。

「それにしても、最後の攻撃はレイに当たっていたわよね?」

「確かに。それなら、なぜ難波さんは倒れなかったのでしょう?」

パトリシアとノセレは不思議そうにしている。いや、パトリシアとノセレだけでなく、2人の試合を見ていた先生や生徒達はみんなそう思っていた。

「いえ、最後の攻撃は当たっていないわ」

そんな中、攻撃をした本人であるメイリーだけは分かっていた。自分の攻撃が、レイに当たっていないという事が。

「どういう事かしら?」

「私には当たっていたように見えましたが」

そう他の人が見れば、メイリーの攻撃は当たっていたように見える。しかし、攻撃をした本人だけは分かる。なぜなら、手応えがないからだ。

「私の攻撃は、レイ様にギリギリのところで避けられていたの。そして攻撃が終わった瞬間、レイ様に斬られたわ」

メイリーがそう言うと、2人は驚いていた。

「そんな事出来るの?」

「あんなに速い攻撃に対して、そんな事が可能なんでしょうか?」

「私には出来ないわ。でも、レイ様は実際にそれをやったわ」

2人は信じられないと思う気持ちで一杯だった。

「お姉様、レイ様はすごく強いわよ」

メイリーは、パトリシアにそう言う。

「ええ、分かってるわ」

パトリシアはそう返す。

「パトリシア様、頑張ってください」

「ええ、ありがとう」

そうして、パトリシアはステージへ向かって行った。


さて、次が最後か。

初等部の成績優秀者であるバフィトくんと、中等部の成績優秀者であるメイリーとの試合は終わった。

残すは高等部の成績優秀者だけである。

「それじゃあ、最後は高等部の成績優秀者の子よ」

学園長がそう言い、俺の次の対戦相手の生徒がステージに上がって来た。

「……予想してた通りだな」

「あら、違う方がよかったかしら?」

そう、やはりと言うべきか、高等部の成績優秀者はパトリシアだった。

「いや、そんな事ないよ。よろしくな」

「ええ、よろしくね」

そうして、お互い挨拶をし、俺達は距離を取る。そして、パトリシアは武器である銃を出した。

「準備はいいかしら?」

「ええ」

「はい」

「それじゃあ始めて」

その瞬間、俺は横に飛ぶ。

次の瞬間……

バンバンバン。

俺のいた場所を、銃弾が撃ち抜く。

「よく避けたわね」

パトリシアがそう言ってくる。

「まあ、すぐに終わるわけにはいかないからな」

俺はそう言いつつ、刀を構える。

そして、俺はパトリシアに向かって歩き出す。

バンバン。

もちろん、パトリシアは銃で撃ってくるが、俺はそれを横にずれて避ける。

それを繰り返し、少しずつ俺はパトリシアに近づいて行く。

すると、パトリシアは銃で撃ちつつ、俺から距離を取るために移動する。

しかし、特に俺は焦らずに、そのままゆっくりと近づいて行く。

すると……

「!?」

気づくとパトリシアは、ステージの端に来ていた。

作戦通りだ。

俺は、過去にも銃を扱うやつとは何度も戦ってきた。その時、普通に戦うのは少し厳しい。やはり、銃と刀では間合いが違いすぎるからだ。

だが、ステージでの試合になると話は変わってくる。

ステージで試合をする場合、移動範囲に限界がある。それなら、上手く相手を誘導する事で、ステージの端に追い詰める事で、一気にこっちのペースに持っていく。

俺はパトリシアをステージの端に追い詰めた瞬間、一気に走り出す。

パトリシアも銃で撃ってくるが、俺はそれを躱しつつ近づいて行く。

そして、俺とパトリシアの距離が2メートル程となった。

これならパトリシアが銃を撃つより、俺が刀を振るう方が速い!

そう思い、俺は一気に飛んで刀を振るう。

しかし……

「はあっ!」

「なっ!?」

俺が刀を振るった瞬間、パトリシアは俺を飛び越えた。

そして、そのまま俺の後ろに回り、銃を構える。

そして、そのまま撃ってきた。

まずい!

俺は無理矢理体を捻り、銃弾を避ける。

そして、俺は飛んでステージの端から中央に戻ろうとする。

しかし、パトリシアも銃で撃ってくるので、俺は転がって何とか避ける。

俺は体勢を立て直そうとするが、パトリシアはこちらに向かって撃ってくるので、中々それが出来ない。

こうなったら、本気で行く!

俺は一気に飛んで、少し離れた所に着地する。

そのままパトリシアに向かって一気に走る。

パトリシアはそんな俺に銃を向けるが……

「え!?」

俺は縦横無尽に激しく動き回り、狙いをつけさせない。

「くっ!」

パトリシアは銃を撃つが、俺には当たらない。

そうしている間に、俺はパトリシアの近くまで来た。

俺は刀を上段に構える。

「!?」

パトリシアは俺の方を向くが、もう遅い。

俺は一気に刀を振り下ろす。

そして振り下ろした後、すぐに移動して刀で斬りつける。

これが心証流の奥義である連撃だ。

「心証流奥剣ー吹雪」

「うっ……」

そして、パトリシアは膝をついて倒れた。

「……あ、そこまでよ!」

そう学園長が言い、試合は終わったのだった。


試合が終わったので、俺は刀を鞘に納める。

そして、パトリシアを抱えて声をかける。

「大丈夫か?」

「……ええ、何とかね」

俺が聞くと、パトリシアは目を開けてそう言う。

「悪いな。パトリシアが強かったから、つい本気を出しちまった」

俺がそう言うと、パトリシアは笑う。

「ふふっ、何で謝るのよ。試合なんだから、勝ちに行くのは当たり前でしょう」

「まあ、それもそうか」

「ええ。それより、下ろしてもらえるかしら?」

「ん、ああ」

パトリシアにそう言われて、俺はゆっくり下ろす。

「ありがとう」

そこで、学園長がこちらに来た。

「……あなた、本当に強いのね」

そして、そう聞いてきた。

見ると、周りの生徒達も驚いていた。

「自分ではそう思いませんけどね」

そう言うと……

「……もし、あなたみたいな人間ばかりなら、魔族が人間に勝てるわけないわ」

学園長は深刻な顔でそう言う。

「ああ、そんな事ないですよ。この学園の生徒の方が、人間の学生より遥かに強いですよ。実際に通ってた俺からすれば、圧倒的と言える程に」

俺がそう言うと、学園長は驚いていた。

「……それは、本当なの?」

学園長は訝しんでいる。

「ええ、本当ですよ。まあ、だからと言って人間界に攻め込まれても困りますけどね」

俺がそう言うと、学園長は心外だとばかりに言う。

「そんな事しないわよ。私達は人間と戦うために子供達に学ばせてるんじゃないもの」

そう言う学園長は、本心でそう言っているようだ。

「まあ、そうですよね」

俺がそう言うと、そこでこの話は終わった。

「それはそうと、今日の合同練習はここまでね」

学園長はそう言い、俺とパトリシアはステージから下りて、学園長が合同練習の終わりを生徒達に告げた。

こうして、合同練習は終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ