82話
城の中に戻った俺はみんなと別れ、用意された部屋のベッドで横になっていた。
さて、これからどうするかな……
俺はこれからどうするかについて考えていた。
ここでは俺は学園に通う必要はないしなあ……まあ、明日考えればいいか。
そう思い、俺はベッドから下りる。
そのまま立ち上がって、部屋を出て風呂に入りに行く。
因みに、さっきクラウスターさんに確認したところ、風呂は自由に使っていいと言われた。
「ここが男湯だな」
教えてもらった場所に行き、脱衣所で服を脱ぐ。
そうして、風呂に入る。
そのまま体を洗い、風呂に浸かる。
「はあ……やっぱ偶には広い風呂もいいな」
城の風呂だから、当然かなりの大きさだ。そんな広い風呂に俺1人だけ、何て贅沢なんだろう。
そんな事を考えながらも、俺はリラックスしていた。
「はあ、いい湯だったなあ」
俺は風呂から上がり、部屋へ戻る。
すると、部屋の前にメイリーがいた。
「あ、レイ様。お風呂でしたのね」
「メイリーじゃないか。どうしたんだ?」
俺はそう聞く。
「あ、はい。実は、レイ様とお話がしたくて……」
そう言うメイリーは、少し頰が赤かった。
「そっか。じゃあ、少し話すか」
俺がそう言うと、メイリーは一気に笑顔になり……
「はい!」
元気に返事をした。
「ほら、入ろう」
「はい」
そうして、俺達は部屋に入る。
そして、お互いベッドの上に座る。
「それで、何か話したい事があったのか?」
俺がそう言うと、メイリーはこちらを向く。
「はい、レイ様の事について聞きたいです」
「え、俺の事?」
「はい」
俺の事って、何だ?」
「俺の何について聞きたいの?」
「あ、そうですね。それじゃあ、これまでどんな風に生きてきたんですか?」
おお、いきなりだな。今日会ったやつに、どう生きてきたかについて聞いてくるのか。
「もしかして、人間界の事について聞きたいの?」
「え……あ、そうです!」
何か一瞬間があったな。まあいいか。
「そっか。それじゃ、人間界の事について話そうか」
「はい!」
そうして、俺は話し出そうとした。
そこで……
コンコンコン。
誰かがドアをノックした。
誰だろう?
「はい」
「レイ、私よ。入っていいかしら?」
「パトリシアか。いいよ」
俺がそう言うと、ドアを開けてパトリシアが入って来る。
「あら、メイリーじゃない。どうしたの?」
「今からレイ様に、人間界のお話をしてもらうところなの」
「そうだったの」
「パトリシアはどうしたんだ?」
「私はレイと一緒に寝ようと思って」
「え?」
「お姉様!?」
メイリーが焦っている。
「どうしたの、メイリー?」
「えっと……い、一緒に寝るって……」
「ええ、そうよ。ほら、枕も持ってきたもの」
そう言って、枕を見せるパトリシア。
「そ、そんなの駄目だわ!」
「どうして?」
「ど、どうしてって……」
「レイとここに帰って来るまでは、殆ど毎日一緒に寝ていたわよ」
「ま、毎日!?」
メイリーの顔が真っ赤になった。
「メイリー」
「は、はい!」
おお。すごい勢いでこっちを向いて来た。
「一緒に寝たって言っても、本当にただ寄り添って寝ただけだ。特に何もなかったよ」
俺がそう説明すると、メイリーは冷静さを取り戻したようだ。
「そ、そうなんですか……」
そう言って、胸を撫で下ろす。
「メイリーったら、何をそんなに慌てていたの?」
「な、何でもありません!」
「まあいいじゃないか。それより、一緒に寝るって言っても、このベッドじゃ2人で寝るのは無理だと思うんだが」
明らかにこのベッドは1人用だからな。
「確かにそうね。それなら、私もメイリーと一緒にお話を聞いてもいいかしら?」
パトリシアがそう言ってくる。
「ああ、いいよ」
「ありがとう。それじゃあ、ここに座らせてもらうわね」
パトリシアは、部屋にある椅子に座る。
「そんじゃ、話すな」
俺はそう言って、人間界の事について話し出した。
「とても面白かったわ。ありがとう」
「ありがとうございました」
「ああ、そう言ってもらえてよかったよ」
話終えて、2人は今から部屋に戻るところだ。
「それじゃあ、また明日ね」
「レイ様、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
そうして、2人は部屋へ戻った。
俺はドアを開け、部屋の中に入るとそのままベッドの上に寝転がった。
今日はこのまま寝るか。
俺はそうして瞼を閉じて、寝たのだった。
次の日。
俺は朝起きると、部屋を出た。
そして、そのまま城の中を歩いていると、クラウスターさんに会った。
「おはようございます、難波様」
「おはようございます、クラウスターさん」
俺達はお互いに挨拶する。
「昨日夕食を食べた部屋でお待ちください。もうすぐ朝食のご用意が出来ますので」
「分かりました」
俺がそう言うと、クラウスターさんは一礼して、どこかへ行ってしまう。
やっぱりメイドさんは忙しいんだろうなあ。
俺はどこの世界でも、それは変わらないなあと思いつつ、クラウスターさんの背中を見ていた。
俺はそのまま、クラウスターさんに言われた部屋へ来ると、ドアを開けた。
「あら、おはよう、レイ」
「おはようございます、レイ様」
「おはようございます、難波さん」
「おはよう」
中には既にみんな揃っていて、パトリシア達が挨拶をしてくる。
「すみません、遅れました」
「いいのよ。それに、みんなさっき来たところだから」
俺が遅れた事を謝ると、パトリシアのお母さんであるエルフィーさんがそう言ってくれる。
「すみません、ありがとうございます」
俺はそうして、昨日と同じくパトリシアとメイリーの間の席の前に座る。
その瞬間ドアが開いて、メイドの魔族達が料理を運んで来た。
そして、俺達の前に料理を並べる。
朝食はパンにサラダに卵料理と、割と一般的な朝食だった。
だが、どれも高級食材を使ってるんだろうな。
パンは焼きたてで、サラダの野菜は瑞々しく、卵料理も綺麗な黄色だ。
流石魔王が食べるだけあるな……
俺はそんな料理を見ていると、昔国王をやっていた時を思い出す。
ラルカさんの料理も美味しかったんだよなあ。
俺がそんな事を考えていると……
「それじゃあ、食べましょうか」
エルフィーさんがそう言い、俺達は食べ始める。
そして俺はある事に気づいた。
「あれ、パトリシアもメイリーも、その着てるのってもしかして制服?」
「ええ、そうよ」
俺がそう聞くと、パトリシアがそう答える。
「そう言えば、学園に首席で入学したって言ってたな」
「ええ。それで、今日から学園に行かないといけないのよ。ただでさえ、3週間ぐらい休んじゃってたから」
パトリシアは人間界に来たからな。確かに、そろそろ3週間ぐらいになるのか。
「授業についていけるのか?」
「ええ、もちろんよ」
そう言うパトリシア。
「でもお姉様、レリーさんが寂しがっていましたよ」
「あら、それは悪い事をしたわね」
「レリーって、パトリシアの友達?」
「ええ、そうよ」
「レリーさんとお姉様はとても仲良しなの」
「そうなのか」
「あ、そうだわ。レイも学園に来ない?」
「え、いいのか?」
「もちろんよ」
マジか。魔族の学校ってのも気になるから、行ってみようかな。
「そんじゃ、俺も行こうかな。あ、でも俺が行くと騒ぎにならないか?」
ここに来た時もかなり騒ぎになったからな。
「それなら大丈夫だ。クラウスター」
「はい、魔王様」
「難波レイの事をゼディンの民に広めておけ」
「分かりました」
そうして、クラウスターさんは出て行った。
「え、何?」
「クラウスターさんは、レイの事をここに住む魔族達に伝えに行ったのよ」
「え、そんなにすぐ伝わるか?」
「ええ、だってクラウスターさんだもの」
何それ、クラウスターさんすごくない?
「だから、私達が学園に行く頃にはレイの事は大丈夫だって、みんなに伝わってるはずよ」
「マジか……」
クラウスターさん、ありがとうございます。
俺は心の中でクラウスターさんにお礼を言ったのだった。




