52話
あれから2日経った。今日国王同士の会合がある。以外に早く集まる事が出来た。
そして、国王が集まるのはミリアス王国となった。そのため、俺達はミリアス王国に戻って来た。
「久しぶりに帰って来たな」
「まだ1週間も経ってませんけどね」
「それもそうか」
俺からすれば、もっと長い時間が経っているような感じがするんだけどな。
「この後すぐ会合があるから、今から直接向かうわよ」
「分かった」
そうして、俺達は馬車で城に向かった。
城に着くと、ラルカさんがいた。
「お待ちしておりました」
「あ、ラルカさん!」
「レイさん、ご無事で何よりです」
「ありがとうございます」
「それでは、ご案内いたします」
そうして俺達が案内されたのは、少し広めの部屋だった。
「やあ、レイ君」
「お久しぶりです、国王陛下」
「うん、君が無事でよかったよ」
「ありがとうございます」
俺はそう言って、周りを見渡す。
そこには、各国の国王が集まっていた。その横には、エーレやターレ、テレスもいた。
「君が難波レイ君か」
「はい、そうです」
テレスの横にいた男性が話しかけてきた。恐らく、サンタナ王国の国王だろう。
「私はサンタナ王国の国王のゼルア・サンタナだ。よろしく」
「私はナイル・エトワール。エトワール王国の国王をやってる」
「私はカーフ・テトラだ。テトラ王国国王として、この間の賊による襲撃時に助けてくれた事、礼を言う」
そう言ってくるのは、テトラ王国の国王だった。
「いえ、勝手にやった事ですので」
「それでも、我が国は君のおかげで助かった。ありがとう」
俺はそれ以上は何も言わなかった。ここは素直に受け取っておこう。
「私はケイン・エードだ!改めて、よろしく!」
ミカの父親であるケイン国王はそう言ってくる。
「では、そろそろ始めようか。君達も座って」
そう国王陛下が言うので、俺達は椅子に座る。因みに、国王陛下の名前はサーズ・ケイスだ。ミリアス王国は世襲制ではないので、国王の姓はミリアスではない。
「早速賊についてだが、僕達の国はレイ君のおかけで何とかなった」
「私の国もだ」
「同じく」
「私のところは何とか倒すことは出来たが、被害は大きい」
「私のところもそうだ」
そうして、各国の事情を話し合っていく。
そしてある程度確認しあったところで、国王陛下が俺に話を振ってきた。
「それではレイ君、君の話を聞かせてもらおうか」
「あの賊の大群を倒したというのは本当なのか?」
「しかもミリアス、テトラ、エードの3ヶ国もだ。まず1日で移動できる距離ではない」
「まあまあ、本人から話を聞こうではないか」
「レイ君、話してくれ」
さて、話すか。
「先ず、俺は国王陛下に無理を言って賊を倒しに行きました。その際、ここにいるみんなも一緒に行きました。そして、俺達はこの国の兵士の人と戦いました。途中までは順調だったのですが、賊が重機関銃での攻撃をしてきて、俺達はやられました。俺はそこで暴行を受け、みんなも暴行を受けそうになりました。そこで、俺は意識を失ったんです。そして、気がついたら白い世界にいました」
「白い世界?」
「はい。何もない、ただ真っ白な世界です。そこで、俺はミリアス王国の初代国王に会いました」
「何だって!?」
「そんな事が!?」
「それは本当なのか!?」
「そんなわけないだろう!」
「ただの夢ではないのか?」
みんな驚いていた。まあそりゃそうか。
「分かりません。夢かもしれないし、夢じゃないかもしれない。ですが、そこで初代国王と話をしたんです。そして、初代国王は自分が使っていた力を俺なら使えると言いました」
「力?」
「はい。国王陛下はご存知でしょう、あの呪文です」
「あれか!」
「はい。初代国王は俺にその呪文を唱えれば、力を得られると言いました。何でも、その力は王の力というもので、俺なら使いこなせると言っていました」
「王の力……」
「あの」
そこでエーレが口を開く。
「もしかして、それはあの姿の事ですか?」
「ああ、そうだ」
「あの姿?」
カーフ国王がエーレに聞く。
「レイは私達と戦った時、金色の光を纏っていたんです」
「金色の光?」
「はい」
「続きを話してもいいですか?」
俺がそう聞くと、カーフ国王は頷いた」
「それで俺は意識を取り戻し、その王の力を使って戦ったんです。そこからは皆さんも知る通りです」
俺はそう締め括った。
「そうか。その王の力とやらは、ここで見せてもらえるか?」
そうカーフ国王が聞いてくる。
「分かりません。あれから使っていませんから、もしかしたら、もう使えないかもしれません」
「1回試してみたらどうだい?」
そう言ってくるのはターレだ。
「そうしてくれるか?」
「我々も見てみたいからな」
仕方ない、やるか。
「分かりました」
「待って」
そこでミカが止めてくる。
「どうしたんだ?」
「大丈夫なの?また倒れたりしたら……」
ミカはそう心配してくれる。
「そうですよ!私も心配したんですから!」
エーレもそう言ってくる。みんなも心配そうな目で俺の事を見ていた。
「あれは長時間の使用で疲れたんだよ。今回は大丈夫だ」
俺がそう言うと、みんなも渋々頷いてくれた。
「……分かったわ」
ミカも分かってくれたようだ。
「それでは、やってみます」
俺は先ず、武器を出す。
「リベレイト!」
そして俺は息を吸い込み、呪文を唱える。
「我、手にするは王の力」
「光を纏い、闇を照らす」
「我が魂、その力を持って」
「光り輝く未来を切り拓く」
「キング・ソウル・ドライブ!」
その瞬間、光が俺を包み込む。
「何だ!?」
「これは一体!?」
そして俺は光を纏って、マントを羽織っていた。刀も金色に染まっていた。
「どうやら、成功したようです」
「これは……」
「すごい……」
そうみんなが言う中、国王陛下は固まっていた。
「国王陛下?」
「君は、本当に僕を驚かせてくれる」
そう言って、国王陛下は俺の方に来た。
「君は、この国の国王になるべきだ」
「……え?」
何?どういう事?
「そう言えば、ミリアス王国では国王は世襲制ではないんだったな」
「確かにそうだな」
「私は賛成だ。彼は我が国を救ってくれたからな」
「私もだ」
え?何でそんな事になってんの?
「ちょっと待ってください!俺は国王になる気なんてないですよ!」
「そう言わず、なってくれないか?」
「いやいやいや、先ずおかしいですよ!何で急にそんな!」
俺がそう言うと、ケイン国王が口を開く。
「やっぱり、無理があったか」
「いや、無理がありすぎでしょう」
「そうだな」
「私もどうかと思うぞ」
え、何?どういう事?
「いや、悪いね。実はもう先に私達で話し合って、もし君の力が本物なら、次期国王に推薦しようってね」
「いやいやいや、勝手にそんな事されても!」
「レイ」
そこでミカが話しかけてきた。
「ミカ?」
「私は、あなたは国王になるべきだと思うわ」
「ええ!?」
何言ってんの!?
「あなたは国のため、危険を顧みずに賊と戦った。そしてその力でそれを成し遂げた」
「それだけではありません。私達のために、他国であるにも関わらず駆けつけてくれました」
エーレも話に加わる。
「エーレまで……」
「私も、レイ君なら立派な国王になれると思います!」
「俺もそう思うぜ!」
「そうだね!」
「私も、レイならいけると思うよ!」
みんなもそんな事を言い出す。
「レイ、これはなった方がいいよ」
「そうだぞ」
ターレとテレスもそう言ってくる。
何だよ、みんなして……
「俺には国王なんて向いてないって」
「そんな事ないわ」
「そうですよ。みんなのために頑張れる人が、国王に相応しいんです」
「……」
「レイ君」
「国王陛下」
「僕は、君に次期国王となって欲しい。僕の我儘を聞いてくれないかい」
みんなが俺を見てくる。
ああもう!
「分かりましたよ!やりますよ!」
「本当かい!ありがとう!」
こうして、俺はなぜか国王になる事になった。




