51話
うう……
俺は目を覚ますと、ベッドの上にいた。窓からは太陽の光が差し込み、今が昼である事が分かる。
何だ?俺はどうなったんだ?
俺とエーレはエード王国に着いて、賊に襲われていたミカを助けた。そしてエーレとミカと一緒に賊を倒した。そして急に俺は全身が痛くなって、意識を失った。
どういう事だ?あの時、俺は攻撃を受けたのか?
だが、攻撃を受けた時とは違う痛みだった。全身が焼けるような痛みだ。
俺はあの痛みを味わった事がある。
そう。それは俺がソウル・リベレイターになるきっかけとなったあの薬だ。
俺はあの薬を投与した時、同じ痛みを感じた。だとすると、もしかしてあれは王の力の副作用か?
確かに、力には代償が必要だとよく言う。
でも、恐らくそうじゃない。だとすると、単純に使用限界が来たのか。
その可能性は高い。俺は連続で8時間近くもリベレイトしていた。今までそんなに長い事リベレイトした事はない。
それに加えて王の力を使ったからな。恐らく、それが原因だろう。
俺はそう結論づけた。
さて、起きるか。
俺は起き上がると、体に異常がないか確認する。
「大丈夫だな」
どこも痛くなく、動かしても問題なかった。
「それにしても、ここはどこだ?」
俺がそう呟いた時だった。
「ここは私の家よ」
「ミカか」
ドアを開けて入って来たのはミカだった。
「具合はどうかしら?」
「ああ、問題ない。大丈夫だ」
「そう、それはよかったわ。急に倒れるから心配したもの」
「それは悪かった。ごめんな」
俺はミカに謝る。
「いいのよ、あなたが無事なら」
「ありがとな。それはそうと、俺が倒れてからどれくらい経ったんだ?」
「2日よ」
「なっ!?賊はどうなったんだ!?」
「あなたとエーレのおかげで倒せていたから大丈夫だったわ。まあ、色々とやる事はあるけれど」
「そっか……他の国は?」
「ミリアス王国とテトラ王国は、あなたが賊を倒したから大丈夫よ」
「エトワール王国とサンタナ王国は?」
「その2つは何とかなったみたいよ。元々、エトワール王国とサンタナ王国は、軍事力では5つの国の中でトップクラスだし。それに、あなたが賊を倒したおかげで、援軍も送れなかったみたいだしね」
「そうか。ターレとテレスは無事なのか?」
「ええ、そう報告があったわ」
「よかった……」
俺はほっと一息つく。
「そうだわ。あなた、すごい噂になってるわよ」
「え、何で?」
「あなたが3つの国を救ったからよ。ミリアス王国では、あなたの姿を見た人が初代国王の再来とまで言ってるらしいわよ」
「何だよそれ……」
何か、俺が寝ている間に大変な事になってるな……
「仕方ないんじゃない?実際、あなたがやった事は偉業よ」
「そうか?」
「そうに決まってるじゃない。賊から1人で国を守るなんて。しかも3ヶ国も」
「俺だけじゃないだろ」
「そうね。でも、あなたが大半の賊を倒したからこそよ」
「そうかなあ?」
俺はそんな事ないと思うけどな。
「はあ、まあいいわ。それより、アリア達も来ているのだけど、顔を見せてあげて。あなたが倒れたって聞いて、すぐにここに来たんだから」
「え、そうなのか?それは悪いことしたな」
「そう思うなら会ってあげなさい」
「ああ、そうだな」
俺はベッドから降りて立ち上がる。
するとミカも立ち上がった。しかし、なぜか俯いていた。
「どうしたんだ?」
俺がそう聞くと、急にミカが俺に抱きついてきた。
「ちょっ!?」
「本当に無事でよかった……」
そう言って、抱きしめる力を強める。よく見ると、足が震えていた。
「本当に、怖かったんだから。あなたが死んじゃったら、どうしようって。私のせいなんじゃないかって」
その声は震えていて、恐らく俺が寝ている間、相当心配してくれたんだろう。
「……ごめんな、心配かけて」
「本当よ。もう、こういう事はやめて欲しいわ」
「ああ」
俺はそう言って、ミカの頭を暫く撫で続けた。
俺は暫くそのままミカの頭を撫でていると、ミカが俺から離れた。
「ごめんなさい、急に抱きついたりして」
「いや、いいんだよ。それだけ心配してくれたんだろ?」
「……ええ」
「それなら、謝るのは俺の方だよ。ごめんな」
「……あなたは優しいのね」
「普通だと思うけどな」
俺はそう言って、歩き出す。
「さ、早く行こうぜ。みんなが来てるんだろ?」
「……ええ、そうね」
そうして、俺とミカは一緒に歩き出した。
俺とミカは城の中を歩いていた。
「それで、みんなはどこにいるんだ?」
「あそこの部屋よ」
ミカが指差すのは、一番奥のドアだった。そのまま俺達は歩いて行き、みんながいる部屋のドアをノックする。
「はい」
中からアリアの声が聞こえてきた。
「私よ、入ってもいいかしら?」
「あ、どうぞ」
そうしてミカがドアを開け、俺達は中に入る。
「あ、レイ!」
「おお!」
「起きたんだね!」
「よかったです!」
そう言ってみんなが俺達の所に来た。
「ああ、心配かけて悪かったな」
「本当だよ!すごく心配したんだから!」
「そうですよ!」
「まあ、無事でよかったぜ」
「そうだね」
「ありがとな」
そこで、俺はエーレがいない事に気がついた。
「あれ、エーレは?」
「エーレは一旦国に帰ったわ。王族にはやる事があるから」
「そっか」
「それと、私の父があなたに会いたいって」
「え、何で?」
「決まっているでしょう、賊についての話よ」
「ああ、成る程」
「それで、今からでもいいかしら?」
「ああ、問題ない」
「それならついてきて」
「あの、私達は?」
「あなた達も一緒に来て」
「分かりました」
そうして俺達はミカの父親、エード王国の国王と会うことになった。
俺達が城の中を移動していると、正面にすごく大きなドアが見えた。
「あのドアの向こうに父がいるわ」
ミカがそう言うので、みんな緊張し出した。
そしてドアの前に立つと、ミカが確認してきた。
「準備はいいかしら?」
「大丈夫だ」
みんなも頷いた。
「そう。なら入るわよ」
そう言って、ドアをノックする。
「入れ」
そう返事があったので、ミカがドアを開ける。
「お父様、レイが起きました」
「本当か!」
俺は中に入る。
「お初にお目にかかります。私は難波レイと申します」
みんなもそれぞれ自己紹介していく。
「君が我が国を救ってくれたんだな!」
そう言って、国王は俺の手を取ってくる。
「いえ、私が救ったなどとは……」
「いや、聞いておるぞ!君は何でも、ミリアス王国の初代国王の再来と言われているらしいじゃないか!」
「それは大袈裟に言っているだけです」
「そんな事はないわよ」
「え?」
「あなたがいなければ、私達は負けていたかもしれない。負けなくても、被害は大きくなっていたわ」
ミカがそう言ってくる。
「そうじゃな!此度の君の活躍、ぜひ聞かせてくれんか?」
「私も聞きたいわ。ミリアス王国とテトラ王国も救った時の話」
ミカにまでそう言われ、俺は少し考え、そして話す事にした。
「分かりました。ですが、他の人国の方にも話しておきたいのですが」
「それなら、国王全員で集まろう!そこで話してくれ!」
「分かりました」
そうして、俺は国王が集まった時に話す事になった。




