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50話

「エーレ」

「レイ!」

俺はエーレの所に戻って来た。

「あとはテトラ王国の兵士達に任せて、俺達はエード王国に向かうぞ」

「はい!それと、1つ聞いてもいいですか?」

「何だ?」

「その姿は?」

「ああ、これか。これはミリアス王国の初代国王が使っていた力だ」

「初代国王の力!?そんなものをどうしてレイが!?」

「まあ、それは色々あってな。後で話すよ」

「……分かりました」

「よし。それじゃあエーレ、抱きかかえるぞ」

「え?」

俺はエーレを横抱きにして抱える。

「あ、あの……」

「恥ずかしいのか?」

「は、はい……」

確かにこれをミカにやった時、恥ずかしがってたもんな。

「悪いが、こうしてエーレを運んだ方が早くエード王国に着くんだ。だから我慢してくれ」

「……分かりました」

「それじゃあ、行くぞ」

俺はそう言うと、一気に走り出した。

「は、速い!」

エーレがそんな事を言っているが、これぐらいじゃないと今日中に着かないからな。

俺は傾いてきている太陽を見ながら、急いでエード王国に向かった。


走り始めて2時間、もう日も暮れかけている。

「そろそろ着くぞ」

「もうですか?」

「ああ。あと10分程だ」

俺はそう言いつつ、遠くを見る。

「まだ戦ってるな」

「本当ですか!?」

「ああ」

「もう6時間は戦っている事になりますよ」

「そうだな。よく持ち堪えてる」

俺が調べたところ、戦力が豊富なのがエトワール王国とサンタナ王国だ。そしてテトラ王国とエード王国がまあまあの戦力を保持していて、ミリアス王国は1番戦力が少ないとあった。

恐らく、賊はミリアス王国を早めに落として、そこから戦力を分散して各国に派遣する手筈だったのだろう。

それを俺が倒したから援軍が来なくなり、戦いが長引いているのかもしれないな。

「取り敢えず、急ぐからしっかり掴まっていてくれ」

「分かりました!」

俺はそこから一気に速度を上げた。


「ここで一旦下ろすぞ」

「はい」

俺は戦場から少し離れた場所でエーレを下ろす。

「さて、戦うか」

俺がそう言った時だった。

「レイ、あれ!」

エーレが指差す方向を見ると、ミカが立っていた。

「ミカか!」

「はい!」

俺達から500メートル程離れた所にミカがいた。

「あれは!」

「え?」

背後からミカに近づいているやつがいた。

あれは賊か!

ミカは気づいていないようだ。

くそっ!

俺は走り出した。

「レイ!」

後ろからエーレが俺を呼ぶが、無視して走った。


「はあ!」

「がはっ!」

まだまだ減らないわね……

ミカはそう思いながら、薙刀を握り直す。

もう賊が襲撃して来てから6時間が経つわね。このままだと、こちらの被害が大きすぎるわ。

エード王国の兵士の数は1万2000人程だが、賊の数が多いのと国を守りながら戦っているので、かなり苦戦していた。

「このままだとまずいわ」

もう日も暮れかかっている。このまま続ければ向こうの方が有利だ。

「どうすれば……」

そう思った時だ。

「おらあ!」

「っ!?」

少し油断した隙に後ろから攻撃された。

まずい、避けられない!

そう思い目を閉じた。

その時だった。

「させねえよ」

「ぐはっ!」

目を開けると、私に攻撃してきた賊が倒れた。そしてそこにいたのは……

「レイ!」

「おう、大丈夫だったか?」

金色の光を纏ったレイがいた。

「レイ!」

「うお!」

私はレイに抱きついた。

本当にあなたって人は……

「どうしたんだ?」

レイは不思議そうな顔をしていた。

「ふふっ」

そんな反応が面白くて、つい笑ってしまった。

「何だ?」

私はレイに抱きついたまま顔を上げる。

「何でもないわ」

そう言って、強く抱きしめる。

「本当にどうしたんだよ」

私はそのまま、レイを抱きしめ続けた。


ミカが抱きしめてくるので動けない。

さて、どうしたもんか……

俺が困っていた時だった。

「何してるんですか!?」

エーレが走ってこっちに来た。

「あら、エーレじゃない」

「ミカ、何してるの!?」

「何って、抱きついてるだけよ」

「離れなさい!」

そうして、エーレは俺とミカを無理矢理引き離す。

助かった。

俺は内心でほっと一安心した。

「あら、別に引き離さなくてもいいでしょう?」

「ここは戦場ですよ!」

「そうだな。まだみんな戦ってるんだから、そういうのは遠慮してくれ」

「あら、それなら終わったらしていいのね」

俺がそう言うと、ミカはそう返してくる。

出来れば終わってからもやめて欲しい。

「ねえレイ、その格好は?」

「ああ、これは色々あってな。後で説明する」

「そう。分かったわ」

「ああ。取り敢えず、俺達も戦うよ」

「本当に?」

「ああ。そのために来たからな」

「ありがとう」

そう言ってまた抱きつこうとする。

「やめなさい!」

エーレが俺の前に立って、ミカを止めてくれる。

「仕方ないわね。じゃあ2人とも、お願いするわね」

「任せろ」

「はい!」

「それじゃあ、エーレとミカは兵士の人達を助けに行ってくれ」

「あなたはどうするの?」

「俺は纏まってる相手の所に行く」

「1人じゃ危ないわよ」

「大丈夫だ。任せてくれ」

「ミカ、ここはレイに任せましょう」

「エーレもそんな事を言うなんて」

「私はレイの力を見ましたから。レイはまた強くなってますよ」

「へえ、そうなの。それじゃあ任せるわね」

「ああ。そんじゃ、行ってくる」

俺は走り出す。

「え、速くないかしら!?」

「ですね」

後ろからそんな声が聞こえた。


「何なんだよお前!」

「くそっ!」

「聞いてねえぞ、こんな強いやつがいるなんて!」

俺は今、賊が集まっている所で刀を振るっている。

「はああ!」

「うああ!」

「この!」

「ふっ!」

「ぐはっ!」

もう殆ど倒してしまい、あと残っているのは数人だった。

「くそっ!このままじゃ、全滅だ!」

「お前ら、俺達が逃げるまで時間を稼げ!」

そう言って3人が逃げ出した。

あいつら、味方を捨て駒として扱うのか。だが、逃がさねえ。

俺は一気に3人を追いかける。

「なっ!?」

「速え!?」

「嘘だろ!?」

俺はすぐに追いつき、3人を刀で斬りつける。

「ぐあああ!」

「うあああ!」

「ぐふっ!」

よし、あとは。

俺は後ろを振り向き、さっき捨て駒として残された賊達を見る。

「う、うわあああ!」

「逃げろぉぉぉ!」

「死にたくねぇぇぇ!」

誰も殺さないって。

俺はそう思いつつ、一瞬で残りの賊を倒す。

「よし、これでこっちは終わったな」

エーレ達の方を見ると、そちらも優勢だった。

「俺も行くか」

そうして、俺はエーレ達の所に向かった。


「エーレ、ミカ」

「レイ!」

「もう終わったの?」

「ああ」

「流石ですね!」

「あなた、この1ヶ月でどれだけ強くなったのよ」

「まあ、話は後だ。さっさと片付けよう」

「はい!」

「ええ」

そうして、俺達は残りの賊を倒していった。


それから20分程して、賊を全員倒した。

「これで終わりだな」

「はい!」

「助けてくれてありがとう」

「いいんだよ」

「そうですよ」

「本当にありがとう」

そう言って、ミカは頭を下げてくる。

「そんな!頭を上げてください!」

本当にミカは律儀だよな。

俺がそう思った時だった。

「ぐっ、あああああ!」

「レイ!?」

「どうしたの!?」

痛い痛い痛い!全身が痛い!

「あああああ!」

「レイ!」

「誰か!誰か来て!」

俺はあまりの痛さに、その場で倒れ込んでしまった。そしてそのまま気を失った。

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