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49話

「次だな」

俺はそう呟き、遠くを見る。そこには軽機関銃を持ったやつらが見えた。

どうやら待機しているようだな。

さっきと同じで、前衛組が俺達を疲弊させて、そこを軽機関銃で攻撃するという作戦なんだろう。

「行くか」

俺は軽機関銃を持ったやつらの所に向かって走り出した。


「はああ!」

「うあああ!」

「撃て!撃てぇぇぇ!」

俺は軽機関銃を持ったやつらと戦っている。俺は銃弾の嵐を避けて、軽機関銃を持ったやつらに肉薄する。

「来るなあああ!」

「くそっ!くそっ!」

「逃げろぉぉぉ!」

俺は一気に駆け抜け、すれ違った瞬間に斬りつけていく。

「あいつをどうにかしろぉぉぉ!」

「何で当たらないんだよぉぉぉ!」

「やばいやばいやばいやばいぃぃぃ!」

もう賊は戦意喪失していた。恐らく、俺に銃弾が当たらないからだろう。

「遅いんだよ」

俺はそう言って、一気に賊を斬りつけていく。

そうしていると、どんどん数が減っていき、あと10人となった。

「逃げろぉぉぉ!」

「早く走れよ!」

「これで全力だって!」

「追いつかれる!」

俺はそいつらに一瞬で追いつき、背中を斬りつける。

「あああああ!」

「ぐああ!」

「うぐああ!」

そうして10人とも倒した。

「終わったな」

これで全員倒したはずだ。

「トーレス達の所に戻るか」

俺はマントを翻し、歩き出した。


トーレス達の所に戻ると、みんなまだ座っていた。

「レイ!」

「大丈夫か?」

「それはこっちの台詞だって!」

「そうですよ!急に1人で向かって行くなんて!」

「悪いな。でももう大丈夫だ。俺が全員倒した」

「え!?」

「全員倒したって……」

「本当なんですか?」

「ああ」

「マジかよ……」

「その姿と関係あるの?」

「ああ、これは初代国王が使っていたのと同じ王の力だ」

「王の力!?」

「そうだ。色々あって使えるようになった」

「色々って……」

「まあ後で話すさ」

そんな事を話していると、王国側から兵士の人達が来た。

「君達、賊のやつらはどうしたんだ?」

「ああ、賊でしたらあっちで倒れてますよ」

「なっ!?」

「本当か!?」

「ええ。全員倒しましたから」

「……確認させてもらう」

「どうぞ」

そう言って、兵士の人達は賊が倒れている所に向かった。

「さて、俺も行くかな」

「え、どこに行くの?」

「エーレやミカの所だよ。あっちも襲われてるって、国王陛下が言ってただろ?」

「でも、ここからだと一番近いテトラ王国でも馬車で1日かかりますよ」

「大丈夫だ。今の俺なら2時間もあれば着くさ」

「2時間!?」

「そんなに早く着くのか?」

「ああ、今の俺ならいける」

「マジか……」

「みんなは歩けるか?」

「何とかって感じだな」

「僕も」

「私も少ししんどいけど、大丈夫」

「私も歩けます」

「じゃあ、王国まで送るよ」

「え?」

「よっと」

俺は左腕にトーレスとシュウ、右腕にミリーナとアリアの2人ずつを抱える。

「うおっ!」

「ちょっ!」

「きゃあ!」

「な、何するんですか?」

「何って、運ぶんだよ」

そう言って、俺は走り出す。

「うおおおお!」

「速すぎ!」

「怖いよー!」

「きゃあああ!」


5分程で王国の門の前に着いた。そこでみんなを下ろす。

「もう着いたのか?」

「速すぎるよ」

「怖かった……」

「もう嫌です……」

まあ、少し手荒だったかもな。

「悪いな。急いでたから、こうするしかなかったんだ」

「それでももっとやり方があったはずだよ!」

「そうですよ!」

ミリーナとアリアが怒っている。

「ごめんごめん。帰ったらちゃんと謝るから、今は勘弁してくれ」

そう言って、俺は北に向かおうとする。

「おい、レイ」

「ん?」

「頑張って、エーレを助けてやってくれ」

「ああ」

「頑張ってね」

「帰って来たら、絶対何か美味しいもの作ってよ!」

「私、エーレさんとミカさんに渡していたアップルパイがいいです!」

「分かったよ。じゃあ行ってくる」

俺はそう言って、一気に走り出した。


俺はテトラ王国までの道のりを最短距離で走る。

もう少しだ。もう少しで着く。それまで無事でいてくれよ。

俺はそう願いながら、テトラ王国までの道のりを駆け抜けた。


そして30分後。

「よし、見えた!」

俺はテトラ王国まであと2キロ程の所まで来た。

どうやら、まだ戦っているようだ。

もう夕方となり、日が暮れてきている。それでもまだテトラ王国の兵士と賊は戦っていた。

そして、最前線にエーレがいた。

「エーレ!」

よかった、無事だったんだな!

そう思っていたのだが。

エーレはどうやらかなり疲弊しているようだ。さっきから賊の攻撃を凌ぐので精一杯のようで、反撃していない。

急がないと!

俺はそう思い、一気に加速した。


「おら!」

「くっ!」

もう何時間戦っているだろう。こちらの兵士は1万人に対して、賊は2万人もいるとの事だ。

このままじゃあ、負ける!

テトラ王国には、重機関銃を持った賊が沢山いた。その重機関銃による銃撃で、かなりの兵士がやられてしまった。

どうすれば……

そう思った時だった。

「ふっ!」

「ぐああ!」

「かはっ!」

「うぐああ!」

「え?」

私と戦っていた3人が誰かに倒された。

「間に合ってよかった。大丈夫か?」

後ろを振り返ると、そこには見知った顔の人物がいた。

「レイ!」

「おう、久しぶりだな」

そう言って笑顔を向けてくるのは、1ヶ月半前に知り合い、国際試合で自分と激闘を繰り広げた相手であるレイがいた。

「どうしてここに!?」

「テトラ王国も襲われているって聞いたからな。エーレが心配で、急いで来たんだ」

私が聞くと、レイはそう答えた。

「でも、ミリアス王国も賊に襲われているって……」

「ああ。だから全員倒して来た」

「嘘!?」

「嘘じゃないさ」

「1人で倒したんですか?」

「いや、俺は途中から参戦したからな。でも半分くらいは倒した」

それって、1人で1万人近くも倒したっていう事になるんだけれど!

私が絶句していると、レイが賊の方を向いて私に問いかけてきた。

「なあ、俺もテトラ王国を守るために戦っていいか?」

「え、いいんですか?」

「もちろんだ。そのために来たんだから」

「じゃあ、一緒に戦ってくれますか?」

「ああ。一緒に戦おう」

そう言って、レイはマントを翻して歩き出した。

「はい!」

私もレイと一緒に歩き出した。

前に会った時より、もっとかっこよくなってる。

エーレはそんな事を思いながら、レイの事を見ていた。


「どのくらい残ってるんだ?」

「あと5000人程だと思います」

「そうか。それぐらいなら俺が一気に倒すから、エーレは俺が倒し損ねたやつを仕留めてくれ」

「私も一緒に戦いますよ!」

「いや、俺がやる。エーレにはこの後ついてきて欲しい所があるんだ。そこでも戦ってもらいたいからな」

「どこですか?」

「エード王国だ」

「……それって」

「ああ、ミカを助けに行く。エーレにもついてきて欲しい。頼めるか?」

俺がそう言うと、エーレは笑顔で頷いてくれた。

「もちろんです!」

「ありがとう。それじゃあ、すぐに終わらせるか」

「はい!」

俺は一気に走る。

「はああ!」

「うわあああ!」

「ぐはあっ!」

「がはっ!」

俺は賊の間を一気に走り抜けて、すれ違いざまに刀で斬りつけていく。

「な、何だ!?」

「すごい速さで誰かが迫ってきてるぞ!」

「誰でもいい、そいつを倒せ!」

それに反応して、沢山の賊がこちらに向かって来るが、誰も俺を止める事が出来ない。

「何なんだ!?」

「どうなってんだよ!?」

「化け物だ!」

「逃げろ!」

相手は逃げようとする。

逃すかよ!

俺は一気に加速して、逃げる相手の背中を斬りつける。

そうして15分程して、賊の殆どを倒した。もう残っているのは100人程だろう。

「すみません」

「な、何だ?」

俺は近くにいたテトラ王国の兵士の人に話しかける。

「あとは任せてもいいですか?」

「ああ、もちろんだ」

「ありがとうございます」

「礼を言うのはこちらの方だ。こんなに賊を倒してくれたんだからな。本当に感謝する」

「いえいえ。それと、エーレ王女を借りていきますね」

「え?」

俺は返事を聞かずに、そのままエーレの所に走り出した。

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