46話
「レイ!」
俺が門に向かって走っていると、後ろから声が聞こえた。後ろを振り返ると、トーレス達が走って来ていた。
俺は止まって、みんなに向かって言う。
「どうしたんだ?」
「どうしたじゃねえよ!」
「そうだよ!1人で勝手に行くんだから!」
「僕達も行くよ!」
「いや、危ないって!ここは俺1人でいい!」
「駄目ですよ!」
「アリア?」
「だってレイ君だけ行かせて、もし何かあったらどうするんですか?」
「俺は大丈夫だ!だから……」
「何が大丈夫なんですか!?レイ君がいくら強いって言っても、相手は2万人の軍勢ですよ!」
「それは……」
「私達も行きます!」
「いや、俺1人だけ行っても無駄なら、アリア達が来ても変わらないだろ?」
「変わらないならいいじゃないですか」
「そうだぜ!」
「トーレス……」
「俺もこの国を守りたい、だから戦う。お前と一緒だ」
「……」
「それにもし危なくなったら、みんなで逃げればいいしね!」
「うん!みんなでいれば、何とかなるよ!」
「ミリーナ……シュウ……」
「私達も行きますよ」
「アリア……」
もし、俺がみんなを守れなかったら……
「なあ、レイ」
「?」
「俺達は結構強くなったんだ。ちょっとは信用してくれよ」
……そうだな。ここはみんなを信じよう。
「分かった。頼む」
「ああ!」
「うん!」
「もちろんだよ!」
「はい!」
「レイさん!」
「ラルカさん、どうしたんですか?」
ラルカさんが急いで走って来た。
「はあ……はあ……場所は分かってますか?」
「ええ、何となくは」
「それでは、戦場に着いたらマークという男の人に会ってこれを渡してください。その人が指揮を取っているので、この文書を見せたら分かると思います」
「分かりました。ありがとうございます」
そう言って、俺は文書を受け取る。
「ご武運を」
「はい!」
俺達は走り出した。
俺達は20分程走って、やっと王国の南側に着いた。
「すみません!」
俺は近くにいた鎧を着た人に話しかけた。
「何だ!?」
「マークさんはいますか?」
「指揮官に何の用だ?」
「俺達、国王陛下から応援に駆けつけるように言われたんです」
「君達が!?」
「これ!」
俺は文書を見せる。
「これは国王陛下の印だ……分かった、案内しよう」
そうして、俺達はテントに案内された。
「指揮官、国王陛下が応援を呼んでくれました」
「何!?」
俺達はテントに入る。
「この子達が?」
「はい。あなたがマークさんですか?」
「そうだが」
「これは国王陛下の文書です」
俺は国王陛下の文書を指揮官であるマークさんに渡す。
「……確かに、これは国王陛下の印だな。分かった。君達の武器は?」
「俺とこの女の子は剣、こいつは短剣で、こっちの女の子は盾、こっちは銃です」
「分かった。なら君達3人は最前線を、残りの2人は後方支援を頼む」
「分かりました!」
俺達は早速持ち場に着くため、テントから出る。
「さて、ミリーナとシュウは後方支援だな。頑張ってくれ」
「うん!」
「任せて!」
「トーレス、アリア、俺達は最前線、つまり一番危険な所だ」
「ああ!」
「分かってます!」
「絶対に死ぬなよ」
「お前こそな!」
「レイ君もですよ!」
「そんじゃ、行くか!」
俺達は走り出した。
俺達は最前線に来た。
「これは……」
「酷い……」
最前線では人が沢山戦っていた。そして、その足元には沢山の倒れた人が放置されていた。
「……大丈夫だ!あの人達は死んでない!」
よく見ると、倒れた人達は気絶しているだけだった。しかし、血を流している人もいる。なぜだ?
すると、その理由が分かった。
「おら!」
「かはっ!」
賊の1人が、倒れた人を蹴っていた。
そうか!あれはソウル・リベレイターとしての力で傷つけたんじゃなくて、実際に殴ったり蹴ったりして傷つけたんだ!
「何て酷い事を……」
「大丈夫か?」
みんなに確認する。
「俺は大丈夫だ」
「私も何とか」
「僕も」
「アリアは?」
「……私も大丈夫です。少し驚いただけですから」
「分かった。なら、行くぞ」
俺達は二手に分かれた。
「リベレイト!」
ブンッ!
「はああ!」
俺は武器を出すと、賊を斬りつけた。
「ぐあ!」
よし、先ずは1人。
見ると、トーレスとアリアも賊を倒していた。
これなら何とかなるか。
俺はそう思いつつ、賊を斬っていく。
「ガキが!」
「!?」
俺が正面の相手をしていると、後ろから賊が襲いかかってきた。
これはまずい!
俺がそう思った時だった。
バン!
「ぐはっ!」
後ろから襲いかかってきた賊が倒れた。見ると、遠くでシュウが銃を構えていた。
ありがとな!
俺は心の中で礼を言いつつ、正面の賊を倒す。
「あああ!」
よし、次だ!
俺はそうして、次のターゲットを探した。
「はあ!」
「ぐはっ!」
俺は今賊を倒している。しかし、一向に数が減らない。
「どんだけいるんだよ」
俺はそう言いつつ周りを見渡す。
「やっぱり、味方の数が少ないな」
こちら側の兵士は1人で賊を2人相手にしている。
「……待てよ」
こちらの兵士は5000人で賊は2万人だ。賊の方が後方支援が多いとしても、こちらの兵士は1人で3人を相手にしないといけないはずだ。
「相手の数が少ない?」
俺がそう思った時だった。
ドンッ!
大きな音がした。
「何だ!?」
見ると、賊の後ろの方で銃を持った集団がいた。
「あれは……軽機関銃か!」
軽機関銃は重機関銃より軽くして、1人で運搬出来るようにしたものだ。
それを持ったやつが数十人いた。その後ろには普通の銃を構えたやつもいる。
「あれはまずい!」
俺はそう思った瞬間、その場からトーレスやアリアの方に行こうとした。
しかし。
ドドドドドドドドドドッ!
銃で乱射してきた。
「うわああああ!」
「やめろぉぉぉ!」
「あああああぁぁぁぁぁ!」
一番前にいた兵士達が撃たれた。賊の方は既に撤退していた。
「やばいやばいやばい!」
俺は走った。何としてでもみんなを守らないといけない。
そして、トーレスとアリアの姿が見えた。2人も逃げているようだ。
「トーレス!アリア!」
「レイ!」
「レイ君!」
「急いで逃げるぞ!」
そう言った時だった。
ドドドドドドドドドドッ!
「ぐはっ!」
「うっ!」
「えっ?」
2人は銃で撃たれて、その場で倒れた。
「トーレス!アリア!」
俺は2人に駆け寄ろうとした。
ドドドドドドドドドドッ!
「かはっ!」
俺も撃たれてしまい、その場で倒れた。




