表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/277

35話

俺達は観客席に行き、試合が始まるまで待っている。

「どっちが勝つかな?」

「俺はエーレだと思うぜ」

「何で?」

「だってよ、レイやテレス王子と戦った時、エーレは圧倒的だっただろ。だからだよ」

確かに、ここまでのエーレの試合を見ていると、ピンチになるどころか守りに入る事すらなかった。

「でもミカも強いよね」

「そうですね。ミカさんもここまでの試合を見る限り、エーレさんにも劣ってないと思います」

アリアの言っている事も分かる。昨日俺はミカと戦ってみて、実感したからな。

「レイはどっちが勝つと思う?」

「そうだな。実際に2人と戦ってみて、それを踏まえると……エーレかな」

「どうして?」

「エーレはまだ本気じゃない気がするんだ」

「え、それ本当!?」

「ああ。まだ実力を隠してると思う」

「それが本当なら、レイはエーレに勝てるのか?」

「そうだな……やってみないと分からないが、9割無理だな」

「おいおい」

「まあ、勝算がないわけでもないさ」

「それならいいけどな」

そうは言ったものの、実際にエーレと戦ったらどうなるか……

「あ、2人が入場して来たよ」

「始まるな」

「ああ」

俺達は試合を見るのに集中した。


「エーレ、今日は負けないから」

「私も負けませんよ」

そう言って2人は握手をして、位置に着く。

「それでは、時間になりましたので始めたいと思います」

お互いに武器を出して構える。

「両者、準備はいいですか?」

「はい!」

「ええ」

「それでは、始め!」


試合が始まった。

先ずはエーレがミカに向かって一気に走って行く。

「はっ!」

しかし、接近させまいと薙刀で突きを放つ。

「はあ!」

エーレはそれを迎え撃つため、上段に構えた剣を振り下ろした。

「壱の型」

ミカが俺との試合で使った技を繰り出した。

「ふっ!」

しかしそれを読んでいたかのように、エーレは剣を引き戻して防御した。

「はっ!」

そのまま薙刀を弾き飛ばし、ミカに接近する。

「まだ!」

今度はミカが弾かれた薙刀の向きを、手首を捻る事で変えた。

「参の型」

そしてそのままエーレに攻撃する。

しかし、エーレはそれを横に飛んで避ける。

「肆の型」

ミカがまた俺との試合で使っていた技を繰り出した。

あれは確か、避けた相手に追随するように薙刀の向きを変える技だったな。

しかし、エーレはそれをさらに飛んで避けた。

「はああ!」

しかも、そのままさらに飛んでミカに向かって行く。

「くっ!」

ミカは急いで薙刀を引き戻そうとする。

「はあああ!」

エーレはその前に決着をつけようと、剣を下段から振り上げる。

ガキイィィィン!

ミカは何とか引き戻した薙刀で、剣の攻撃を受けた。

「はっ!」

「何!?」

しかし、エーレは薙刀ごとミカを押し込んでいく。

「ぐっ!」

ミカは何とか押し戻そうと力を込めた。

それは駄目だ!

そう俺が思った時には、エーレはもう体から力を抜いた。

「え?」

それにより、力を込めて押し返そうとしたミカが前のめりになる。

「はあ!」

エーレは、そんなミカの腹に水平斬りを放った。

「うぐう!」

ミカは蹌踉めくが、何とか持ち堪えた。

「弐の型」

そして攻撃終わりのエーレに対して、薙刀で攻撃を繰り出した。

「ふっ!」

しかしエーレはそれを躱して、ミカの背後に回り込んだ。

「はっ!」

そして上段からの斬り下ろしを繰り出す。

「うあああ!」

今度こそ、ミカは倒れてしまった。

「試合終了!勝者、エーレ・テトラ!」

エーレが勝ったか。

「エーレが勝ったな」

「ああ」

「強かったね」

「そうだね。最後のミカの攻撃、決まったと思ったんだけど」

「エーレさんの方が上手でしたね」

そうだよな。最後のミカの攻撃は、俺も決まったと思った。でも、エーレはそれを避けた。本当に強いな。

「じゃあエーレの所に行くか」

丁度エーレが退場するので、みんなにそう言う。

「そうですね」

「行くか」

俺達は立ち上がって、エーレの所に向かった。


「エーレさん!」

「アリア!」

俺達が通路を歩いていると、エーレがいた。

「お疲れ」

「お疲れー」

「お疲れ様」

「ありがとう」

みんながエーレを労う。そしてエーレは俺の方を向いた。

「勝ちましたよ」

「ああ、見てた。すごかったな」

「ありがとう。レイも頑張ってね」

「ああ」

もちろんだ。

「それじゃ、俺達は戻るな」

「ああ、分かった」

「レイ君、頑張ってください!」

「頑張れー」

「頑張ってね」

俺はみんなの声援を聞いて、入口に向かった。


トーレス達は観客席に戻って来た。

次の試合はレイとターレ王子の試合だ。

「どっちが勝つかな?」

「そうですね。恐らくはレイかと」

「何で?」

「レイは勝つって言いましたから」

「それだけ?」

「それだけです」

「そう……アリアは?」

「レイ君は勝ちますよ」

「アリアもそう思うんだ」

「はい。だって、レイ君は勝算があるようでしたし」

「そうなの?」

「はい。昨日言ってたんです、ターレ王子は強いけど何とかなるって」

「そうなんだ」

「レイはどうする気なんだ?」

「何をするかまでは教えてくれませんでした」

「そっか」

そうして、みんなレイの試合が始まるのを待った。


「そろそろだな」

俺は試合が始まるので入場した。丁度反対側からターレ王子も入場して来た。

俺達はお互いに闘技場の真ん中まで歩いて行く。

「初めまして、難波レイ君。僕はターレ・エトワール、よろしく」

「お初にお目にかかります、難波レイです」

「そんなに畏まらなくていいよ。エーレの事は名前で呼んでるんでしょ。だったら僕の事もターレでいいよ」

「では、俺の事もレイでお願いします」

「分かった」

そこで、審判が試合の時間になった事を知らせる。

「この試合、全力で行くよ」

「はい」

俺達は握手する。そしてお互い振り返り、位置に着く。

「はっ!」

「リベレイト!」

お互いに武器を出して構える。

「両者、準備はいいですか?」

「はい」

「はい!」

「それでは、始め!」

ダダダダダ!

ターレは一気に連射してくる。

「くっ!」

俺は何とか避ける。しかし、避けた先でも連射してくるので、俺は何とか走って避ける。

このままじゃ、こっちの体力が尽きるな。何とかしないと。

俺はそう考えながら、走り続けるのだった。


「レイ、中々近づけないね」

「そうだな」

私達は今、レイの試合を見ています。しかし、レイは中々ターレに近づく事が出来ずにいました。

「このままだと、レイ君の体力が尽きちゃいます」

アリアの言う通りね。このままでは、レイの体力が限界を迎えるわ。

「レイは勝算があるって言ってたんだよね?」

「そうなんですけど」

「今のところ、そんな感じには見えないけどな」

そうなんですよね。アリアが言うには、レイには勝算があるらしいんですけど……

「本当にあるのかな?」

私達の中には、そんな疑問があった。


くそ、このままじゃやばい!

かれこれ3分程、ずっと撃たれ続けてる。何とか避けているが、流石にやばい。

仕方ない、やるか!

「うおお!」

俺は前に出た。腕で頭を守り、刀で急所を守る。

ダダダダダ!

その瞬間、一気に俺を銃弾が襲う。

「うぐああ!」

俺は銃弾を受けながらも、ターレに向かって走る。

そしてあと、3メートルを切った時だった。

ここだ!

「ふっ!」

俺は一気に上に飛ぶ。

「何!?」

銃弾は来ない。それはそうだ、重機関銃は試合で使うと確かに制圧力はある。しかし、元々重機関銃は支援火器だ。それが単体で戦っているとなると、弱点を突きやすい。それに、ターレの重機関銃は移動が難しいからその場から動けないというのもある。

まあ、こっちも1人だから賭けだったけどな!

俺は刀の切先を下に向け、一気に落下する。

「心証流秘剣ー雫」

刀がターレに突き刺さった。

「あああああ!」

そのままターレは気絶した。

「試合終了!勝者、難波レイ!」

賭けに勝ったな。

「あれ……」

俺はそう思うと、その場で倒れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ