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221話

「えっと、俺の対戦相手が防衛会のトップって、本当ですか?」

俺がそう聞くと、酒井さんが頷く。

「ああ、そうだよ。君と一度戦ってみたいって、うちのトップである黒瀬さんが言うんだよ」

ええ……何でだよ……

「よかったな。黒瀬が相手をしてくれるなんて、そうそうないぞ」

何でそんな人が、俺と戦ってみたいなんて言うんだよ……

「そんな顔するな。あいつとの戦いは確実にお前を強くする。だからありがたく相手をしてもらえ」

はあ……まあどうせやるしかないんだけどさあ……

「分かりましたよ」

「頑張れよ」

「それじゃあこっちに来て」

俺はそのまま酒井さんについて行く。

そうして防衛会のトップである黒瀬さんの近くまで来た。

「黒瀬さん、難波君が来ました」

すると、男性はこちらを向く。

「……黒瀬剛だ、よろしく」

そう言って握手を求めてきた。

「難波レイです、よろしくお願いします」

俺はそう言って握手する。

……大きな手だ……その手からは力強さを感じる……これは手強い相手だな……

俺はそう思い、手を離す。

「それでは、早速始めよう」

「はい」

「酒井、審判をやってくれ。難波君、最初は距離を10メートル取ろう」

俺は頷くと、そのまま黒瀬さんから離れて行く。

そして丁度10メートルの所で止まって振り返った。

「それでは用意してくれ」

そう言うと黒瀬さんはソウル・リベレイトし、ソウル・ウェポンを出す。

黒瀬さんのソウル・ウェポンは大きな盾だった。

珍しいな……盾で攻撃をしてくるのか?

盾は他の人ソウル・ウェポンとは違い、攻撃ではなく防御のための武器だ。

だからこそ、モンスターを倒す事が目的の防衛会のトップのソウル・ウェポンが盾だという事実に、俺は少し考えてしまう。

「どうした?」

考え込んでしまった俺に対して、黒瀬さんがそう言ってきた。

「ああ、すみません……リベレイト」

俺は思考を中断し、ソウル・ウェポンである刀を取り出す。

「そうか……酒井」

「はい、それでは……始めてください」

酒井さんから合図があったが、俺は動かずにいた。

「どうした、来ないのか?」

すると、黒瀬さんがそう聞いてきた。

向こうは盾だが、盾で殴ってくる可能性もあるからな。

少し様子見をしようと思ったんだが、このままじゃ埒が明かない。

よし、ここは攻めるか。

俺は攻める事に決め、刀を地面すれすれに構えてから一気に弧を描いて走る。

先ずは一発!

俺は盾を構える黒瀬さんに対し、本気の斬り上げを放つ。

「心証流秘剣ー焔」

ガキイィィィン!

俺の刀と黒瀬さんの盾が激しくぶつかり合い、火花を散らす。

そして、弾かれたのは俺の方だった。

「うおっ!」

少し体勢を崩したが、黒瀬さんは特に攻めない。

俺は急いで態勢を立て直し、少し後ろに下がる。

「いい一撃だ……来い」

そう言われたので、俺は腕を横に広げる。

それならこれで!

俺は黒瀬さんとの距離を再び詰め、剣技を放つ。

「心証流秘剣ー響」

刀を思いっきり盾にぶつける。

そしてその衝撃が盾から腕に伝わる。

「ふん!」

「なっ!?」

完璧に決まったはずの一撃。

だが、黒瀬さんは何事もなかったかのように俺を押し返してくる。

何でだ!?

俺は後退しつつ、内心では驚いていた。

「今の一撃、確か神藤との対戦でも使っていたな」

そうか、それで……いや、でも知っていたくらいで防がれるような技じゃ……

そう思っていると、黒瀬さんの盾を見てはっとする。

「気づいたみたいだな。君の衝撃を受ける瞬間、盾から手を離した。だから私の腕は痺れていない」

俺は黒瀬さんの盾……それが地面についているのを見た内心で舌打ちする。

でも、そんな事って出来るのか?

……いや、一瞬なら出来るか。

俺はそう思うと、黒瀬さんに対する認識を改める。

この人は俺が全力でやらないと勝てないな……

そう思った俺は、二刀流となる。

「本気で来るか」

「ええ……行きます!」

俺はそのまま駆け出した。


そうして戦う事30分。

「はっ……はっ……ぐっ……」

「……」

俺は片膝をついて息切れを起こしていた。

攻撃は悉く防がれ、全く通用しなかった。

そして俺の方は疲れてきている。

何せここまでずっと攻撃を繰り出しているのだから。

対して黒瀬さんはその場から殆ど動いていない。

そのため、息も乱れていない。

これはちょっと予想外だ。

まさかここまで攻撃が通らないなんてな。

俺は過去にここまでの盾使いに会った事がなかった。

だからこそ、この結果は予想外だった。

……俺もまだまだだな……

周りにはどんどん人が増えている。

恐らく防衛会の人達だろう。

しかも学園の生徒までいる。

恐らくマラソンを終えてここに来たのだろう。

はあ……ここまでかな……

「どうした、あの姿にはならないのか?」

すると、黒瀬さんにそう言われた。

あの姿って……

「神藤との対戦で変身しただろう。あの姿にはならないのか?」

そうか、黒瀬さんが言ってるのは王化の事か。

……仕方ない、やるか。

俺は立ち上がり、呪文を唱え始める。


「我、手にするは王の力」


しかしその瞬間、黒瀬さんが俺に向かって盾で攻撃してくる。

何!?

俺は呪文を唱えるのをやめ、慌てて後退した。

「神藤との対戦の時は呪文を唱え終えるまで待ってもらっていたが、普段の対戦やモンスターとの戦闘では誰も待ってくれないぞ」

黒瀬さんにそう言われる。

……それは俺も感じていた事だ。

だからこそ王化、魔王化、覇王化の3つはあまり使用していないんだ。

呪文を唱えないといけないという欠点があるから。

「どうした?まさか戦いながら呪文を唱えられないのか?」

……出来るとは思うが、呪文を唱える時は集中しないといけない。

だからこそ、今までそれをやらなかったわけだが……仕方ない、やるか。

俺はそう決め、構える。

そしてそのまま黒瀬さんに向かっていった。

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