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17話

俺達は今第3闘技場の控え室にいる。俺達はこの後F組との試合があるので待機中だ。今は備え付けのモニターで現在行われているC組とG組の試合を見ている。

「G組の人達、強いですね」

「だな」

「連携もすごいね」

「チームのバランスもいいよね」

そう。みんなが言うようにG組が強い。昨日の試合はみんなに他の事を意識して欲しくなかったので、見せなかった。しかし、今回は勝ち上がればC組かG組との試合があるので見ないわけにはいかない。だからモニターで試合を見ているのだが、G組の強さにみんなの士気が下がっている。これはまずいな。

俺は気分を変えようと、モニターを消してみんなに話しかける。

「確かにG組は強い。でも、俺達も負けてないさ」

「そうかな?」

「そうだよ。それに、今の試合を見て少し作戦も考えたしな」

「マジか!」

「ああ」

これは嘘ではない。今の試合を見る限りではG組は強いが、倒せない程ではない。だがそれには俺は剣技を使わないといけないだろう。まあこの際仕方ないか。それに次の試合で剣技を使うとなると、この試合でのスナイパーライフルを持つ相手の対応も決まった。

コンコンコン。

「はい」

「A組の皆さん、そろそろ試合の時間ですので準備をお願いします」

「分かりました。それじゃ、行くか」

「ああ」

「どうせこの試合で負けたら、G組との試合はないんだ。全力でやろうぜ」

「それもそうだね」

「分かりました。頑張ります」

「僕も頑張ってみんなのサポートをするよ」

「頼んだぜ」

そうしてみんなで入口に向かった。


「それでは、2回戦第2試合を始めます。両チーム入場してください」

俺達が入場するのと同時に、F組も入場して来た。俺とF組のリーダーが歩み寄り、握手をする。

「お互い頑張ろう」

「ああ」

それだけ言うと、俺達は元の位置に戻った。そして武器を出す。

「両チーム準備はいいですか?」

俺達も相手チームも頷く。

「それでは、始め!」

その瞬間、俺はトップスピードで走り出した。刀の切先を地面すれすれに構え、弧を描いてスナイパーライフルを持った相手に向かって行く。

「え!?」

「何!?」

「ちょ!?」

「速っ!?」

「間に合わない!」

俺は盾を持つ相手がスナイパーライフルを持つやつを守るために盾を構えるより早く刀で斬る。

「心証流秘剣ー焔」

「ぐわあああ!」

そのままスナイパーライフルを持つ相手は倒れた。

「そいつを倒せ!」

相手のリーダーが指示を出し、槍を持った相手が俺に攻撃をしてきた。

「そうはさせねえよ!」

「行きます!」

しかしアリアが俺と槍を持った相手との間に入り、攻撃を防いでくれる。トーレスは相手のリーダーにラッシュを仕掛ける。シュウは拳銃を持った相手と銃撃戦を始めていた。

俺もやるか。

俺は拳銃を持った相手に向かって行く。

「来たか!」

そう言う相手に、俺は水平斬りを放つ。

相手はそれを避けるが、シュウが放った銃弾が数発掠った。

「ぐっ」

相手はそれでは倒れなかったが隙が出来た。俺はその隙を見逃さず、一気に懐に入り刀で斬りつける。

「うわあああ!」

そのまま拳銃を持った相手も倒れた。

「シュウはトーレスの援護を頼む!」

「了解!」

俺はそのままアリアの所に向かった。アリアは盾を持った相手と槍を持った相手の2人と戦っている。少し押されている。

「アリア!」

「レイ君!」

「もう来やがったのか!」

「やばい!」

俺は後ろから槍を持つ相手に斬りかかる。相手は何とか槍で防ぐが、体勢が崩れた。

「はっ!」

「ぐうっ!」

俺は返す刀で相手の腕を斬りつける。そのまま右肩から左脇腹にかけて斬りつける。

「うぐあああ!」

そのまま槍を持った相手を倒した。アリアの方も丁度今、盾を持った相手の隙をついて倒したところだった。トーレスの方はまだ戦っているな。流石にリーダーだけあって中々やるみたいだ。

「アリア、トーレスの所に向かうぞ」

「はい!」

その後、俺達は相手のリーダーを倒した。

「試合終了!A組の勝利!」

ふう、勝ったか。

「やりましたね!」

「ああ!」

「やったね!」

「うん!」

みんな喜んでいる。

「じゃあ帰るか」

「そうだな!」

俺達は帰るため、歩き出した。


俺は帰った後、考え事をしていた。

「さて、決勝まで進んだわけだが……」

G組は強かった。今日の試合を見た限り、これまでの相手より強いだろう。

「今日は焔を使ったが……」

今日は焔を使った開幕速攻で試合の主導権を握った。それで完全に流れはこちらあったので勝てた。

「でも、同じ手段は通用しないよな」

恐らく、もう対策されているだろう。入学試験でも焔を使ったからな。

俺の剣技はまだ師匠の領域に届いていない。何百年も修行を続けているのにだ。恐らく、師匠は途轍もない努力と天性の才能であそこまでの領域に至ったんだと思う。しかし、俺はそうではない。生まれてから剣どころか、運動すらまともにやって来なかった。それが今ではこんな事になっている。人生分からないものだ。

「それにしても、どうするかなー」

明日戦うG組には焔は通じないとして、どうするか。相手は剣、槍、銃、盾、脚甲が1人ずつのチームだ。とてもバランスがいい。

「銃の相手はシュウに任せて、ミリーナには今まで通りシュウを守ってもらう。トーレスは剣のやつを相手にしてもらって、槍の相手はアリアに任せるか。俺は脚甲のやつを相手にするか」

こんな感じかな。また明日みんなに改めて作戦は伝えるとしよう。

「それにしても、次勝てば優勝か」

気が早いが、優勝がすぐそこなのも事実だ。

「そう言えば、優勝したら何か貰えるのか?」

そこんところをちゃんと聞いてなかったな。明日にでも先生に聞いてみるか。

そうして考え事を一旦やめ、俺は修行をする事にした。


「マジで!」

「ああ」

「それ、すごいね!」

時間は昼休み。俺達はみんなで昼食を取っている。そこでみんなに今日先生に聞いた、優勝した時に貰えるものについて話した。

「本当に優勝したら金券が貰えるんですか?」

「そうらしい。まあ商店街にある店限定だがな」

そう。優勝すると商店街にある店ならどこでも使える金券が貰えるらしい。

「額はどれくらい?」

「ん?1万円だって」

「1万円か」

「少ないねー」

「貰えるんだから文句言ったら駄目だと思うよ?」

「5人だと1人2000円ですね」

「いや、1人1万円だぞ。チームで5万円」

「嘘!?」

「マジか!」

まあ俺達学生にとっては1万円は大金だからな。

「よし!頑張ろうぜ!」

「うん!頑張ろー!」

「急にやる気が出たな」

「仕方ありませんよ、1万円も貰えるんですから」

「そうだね。僕もあそこまでじゃないけど、やる気が出てきたよ」

「そうか。そりゃよかった。じゃあ作戦を伝えるぞ」

「お、待ってました!」

「私何でもやるよ!」

お前らな……

俺はそんな2人に呆れながら、作戦を伝えるのだった。

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