ゆらめく世界
稚拙な書き方ですが、ご容赦ください…
とある、不思議な夢を見た。
つい先程寝付いたはずなのにすぐに目を覚ましたのだ。
それも、辺りは明るくなっている。
どれほど深い眠りについたのだろうか。
と、そこで気づいた。
辺りを見渡すが見覚えのない場所どころか、何もかもが違う。
さっきは明るいと言ったが、それは窓のようなところから差す光で、ここは洞窟のように不定形な場所で薄暗い。そして、空気は揺らめき粘度もある。
少し呼吸の仕方を忘れ、息苦しくなった。咄嗟に数回空気を飲み込み、吐き出しを繰り返し、慣れていった。
落ち着いてもう一度見渡すと、壁や天井は液体のように揺らめくがその場に留まりところどころ翠色に煌めいて、窓から差す光は白くかつ赤みを帯び、心地よい。
下を見れば床が近い。しかも、沼のように体が底に沈んでいる。
ギョッとしたが、どうやらこの身体はこの環境が落ち着くらしく沼の冷たさを喜び、くつろいでいる。
ほんの少し微睡みを楽しんだ後、そろそろ起き上がろうかと身体を動かすも、どうにも立ち上がれない。
両腕両脚をひとつずつ床から抜くと、私はやっと気づいた。
"あぁ、なるほど。亀だったのか。"
どおりで起き上がれない訳である。
全ての脚は広げるとカンジキのようになり、一度沼から脚を抜けば沈まないようになっている。さっきまでは重いと思っていた身体も、沼から抜いてしまえばのっしのっしとどんどん歩いていける。
とはいっても、外まではそれほど歩かない。たったの5秒で住居から出た。
と同時に突風が吹き荒れた。
咄嗟に沼の地面を掴み、こと無きを得る。が、なかなか風が止まない。風は、粘度と質量を帯び、今にも掴み取られそうだ。