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冒険譚:ダンジョンズ:  作者: 深宮マサ
第1章 冒険のスタート
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第1章2-1 出会い


「「試験終わったんですか!?」」

レインと少女の声が重なった。


大声で言ったので、受付の女性が困惑している。


「すっ、すみません!驚いたもので」

レインは謝罪した。

そして言葉を続ける。

「試験終わっちゃったんですかぁ・・・」

レインは落胆している。


隣の少女も目を点にして驚いている。

そして青ざめた顔で言った。

「わーっ!どうしよう・・・。これからどうしよう、どうしよう・・・」


そこに受付の女性から声がかかる。

「待って下さい!お二人とも。まだチャンスはあります」

「「――っ!本当ですか!!」」

またもや二人の声が重なる。


受付の女性は説明を続ける。

「今日から3日後、実践形式の試験があります。

 そこで認められればハウンドになれます。

 でも結構危険な試験なので覚悟はしておいて下さい」


「決めました。俺、試験受けます」

「私も受けます」

レインと少女は言った。


「分かりました。試験の場所はギルド右の闘技アリーナであります。

 昼過ぎには集まって下さい」


――――――――――――――――――――――――――――――


「まだチャンスがあって良かったぁ!」

レインは安堵のため息をつく。


そして隣にいる少女に声をかける。

「君も試験に遅れたの?おっとその前に、俺はレイン。

 名乗って無かったな」


「私はクレアって言います。ここから西のオルグの町出身です。

 ここに来る前にちょっとしたトラブルに遭ってしまって」

クレアは紫色をした髪の毛をいじりながら言った。


「そうか。俺も同じようなもんだ」

デフュロスに遭遇したことは言わないでも良いだろう。


レインはクレアに一つ提案をした。


「ここで会ったのも何かの縁だと思わないか?

 試験まではあと3日ある。町でも周りながら宿でも探さないか?」


「ええっと、それは良いですね!私もこの町に来るのは初めてなので、

 町を見てみたいです」

クレアは黒い目を輝かせながら言った。


「なら決まりだな。まず、案内所にでも行ってみるか」

「そうですね。案内所はここから東に少し行った所にあったはずです」


レインとクレアは案内所へ向かった。


「すいませーん」

そう言ってレインは案内所の扉を開けた。

「はーい。何でしょう?」

受付の女性が奥から出てきた。


「今日初めてこの町に来たんですけど、町を見てみたいなと

 思って。どこか良い場所ありませんか?」


「では、この案内書をどうぞ。大まかな町の施設や店がわかりますよ」

レインとクレアは案内書を受け取った。


その後受付の女性はレインに小声で言った。

「デートスポットは少し奥の噴水のある公園ですよ」

「彼女は別に恋人じゃありませんよ。ハウンドの実技試験を受けようとした

 時たまたま会っただけですって」

レインは誤解を解いた。


「これは、失礼しました。でもお二人お似合いですよ」

「からかわないで下さい。俺たちもう行きます。ありがとうございました」

「楽しんで下さいね」


二人は案内所を出た。


「受付の女性と何話してたんですか?」

クレアが聞いてきた。

「べ、別に大したことじゃないよ」

「ふうん、そうですか。それよりもう暗くなってきてますし、宿でも探しませんか?」

「そうだな。なるべく温泉のある宿がいいな。今日の疲れをよく取っておきたい」

「良いですね。ではここなんてどうでしょう」


クレアが案内書に指をさした。

「良いな。では早速行こう」

「はい!」


レインとクレアは温泉宿に向かって歩き出した。




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