第1章1-4 反撃開始2
反撃開始だ!
レインはデフュロスに向かって駆け出した。
そして、封竜剣ディモンドを振り降ろした。
「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
雄叫びとともに、連撃を繰り出す。
「グオァァァァァァァァァァ!!」
デフュロスから苦悶の叫び声が聞こえる。
そしてデフュロスも反撃を開始した。
デフュロスはその鋭く尖った尻尾を叩きつけてくる。
それをギリギリのところで剣を引き戻し、ガードする。
ガキィンという鈍い音と共に火花が散る。
「くっ!危ねぇ!」
まともに喰らっていたらタダでは済まされなかった。
一旦後ろに戻って態勢を立て直す。
そこにデフュロスは雷を落としてきた。
「油断も隙もないな」
そう言葉を漏らし、剣を構え直す。
次はデフュロスが攻撃を仕掛けてきた。
空中に浮遊し、身をよじらせながら突進をしてくる。
それを左に転がって回避する。
しかし、回避したことを後悔することになった。
なぜなら、レインが回避する場所に暴風の渦が発生していたからだ。
さすが頭の良い竜のエネミーだ。
戦う度に学習している。
レインには回避する術はなく、暴風に巻き込まれる。
「くそっ!!」
暴風によって上空に打ち上げられる。
なんとか空中で態勢を立て直し、船上に着地する。
「強いな・・・」
感嘆の声が漏れる。
でも、レインは負けじと間合いを詰め、剣を振るう。
「おらぁぁぁぁぁぁ!!!」
まず、横に一閃。次は縦に一閃。
その様にして、剣を振るう、振るう、振るう。
デフュロスが後ろにのけ反った。
「よし、効いているぞ!」
レインは好機とみて連撃を繰り出す。
しかし、次の瞬間デフュロスが強靭な爪を振るい、
レインを後方に吹き飛ばす。
「ぐはっ!しまった。深追いし過ぎた」
レインは己を後悔した。
やはりスキルが発動しているとはいえ、喰らうと大きなダメージになる。
切り裂かれた場所からの出血が止まらない。
でも、レインは剣を杖の代わりにして何とか立ち上がる。
そして、駆け出す。
そして、剣を振り下ろす。
しかし、デフュロスは容易に回避する。
更に、尻尾でレインを叩きつける。
レインはまた後方に吹き飛ばされる。
「まだ、まだだ!ここで終わるわけにはいかないんだ!!」
立ち上がり、一気に間合いを詰め、一閃。
放った残撃はデフュロスの横っ面を吹き飛ばした。
「グオオゥゥゥゥゥ!!」
デフュロスはうめき声を漏らす。
のけ反り、そして上空に飛び上がり咆哮した。
「グオオオォォォォォォォォォォン!!!」
デフュロスの目に怒りの光が灯る。
これがデフュロスの本気。
あまりの威圧感に身震いする。
デフュロスは雷を纏い突進を繰り返した。
素早い突進に対処出来ず、肩に攻撃を受ける。
「ぐっ!!」
歯を食いしばって痛みを堪える。
―――疾い。そして、強い。
デフュロスの勢いは止まることなく、突進を繰り返す。
剣を盾にして攻撃を防ぐが、防戦一方だ。
「何とかしないと・・・」
このままでは体力が削られて死んでしまう。
―――でも、どうすれば・・・
知恵を振り絞り、考える。
そこでふと、ある考えが浮かんだ。
タイミングを間違えれば、命はないだろう。
でも、それしか方法が思いつかなかった。
そして、デフュロスの突進を回避する。
すぐに態勢を立て直し、剣を構える。
デフュロスがレインにかぶり付くように襲ってくる。
デフュロスの顔が目先1メートルほどに近づいたとき、
一気に封竜剣ディモンドを振り降ろす。
手にかなりの衝撃。
衝撃で手の骨が軋む。
しかし、レインは痛みなどお構い無しに下まで振り降ろす。
「グゥゥゥゥゥゥゥ!!」
デフュロスの頭が船の床に叩きつけられる。
船が大きく揺れる。
―――よっしゃぁ!かなりの手応え。
デフュロスは堪らず空中に飛び上がる。
そして、こちらの様子を伺う。
両者は静かに睨み合う。
聞こえるのは降る雨の音。
お互いの体は傷だらけ。
普通なら、まともに動ける体ではない。
そして、デフュロスは大きく翼を広げ、咆哮した。
「グオオオォォォォォォォォォォン!!!」
今までで最も大きい咆哮。
そして、間合いを詰め、爪で切り裂く。
レインは後ろに吹き飛ばされ、船から落下した。
展開早すぎてネタが尽きそうです。
でも、どうにかして続けます。
よろしくお願いいたします。




