第1章エピローグ:二人のハウンドの誕生:
レインの一撃はファルガレオの一撃をも上回り、炸裂した。
ファルガレオが光の塵となって消えていく。
命尽きたエネミーは光の塵となって消える。
光の塵となったエネミーはどこへ行ったのかはまだ解明されていない。
命あるものの死なのだが、光の塵となって消えていく様に美しさを感じる。
「やっと、終わった」
レインが安堵の息を吐く。
ある程度の人はファルガレオの覚醒により、避難をしていたが、会場に残って戦いを最後まで見届けた人もいた。
「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」」」」
会場から大きな歓声があがった。
「おめでとう」、「素晴らしかった」など賞賛の声があちこちから聞こえてくる。
レインは嬉しさで胸がいっぱいになった。
「やったな、クレア!」
「はい!とっても嬉しいです」
二人は言葉を交わし、ハイタッチをした。
そして、二人は会場の観客に向かってお辞儀をした。
会場から大きな拍手が起こる。
途端に達成感が込み上げてきた。
二人は戦闘場を後にした。
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闘技アリーナの外に出ると、大勢の人で溢れかえっていた。
そして、レインとクレアを見つけると、
「おめでとう!」
と皆一斉に言った。
そこに闘技アリーナの受付の女性が現れた。
「おめでとうございます。実技試験を合格した人はほとんどいないんですよ。
ここに合格証があります。これを持って、ギルドの受付に行ってください。
ハウンドの登録が出来ます」
「「ありがとうございます」」
レインとクレアはそう言って合格証を受け取った。
そして、ギルドへと向かう。
レインとクレアの胸は高鳴っていた。
「レインさん、レインさん。あの力は何だったんですか?」
クレアの口調が元に戻っている。
レインは少し驚く。
「それは俺にもよくわからない。でもあの力が無かったら、
負けていただろうな」
レインはそう言った。
そんな会話をしていると、あっという間にギルドに到着した。
二人はギルドの門をくぐり、受付へと向かった。
受付ではこの前と同じ女性がいた。
「すみません。ハウンドの手続きをしたいんですけど」
そう言って合格証を提示する。
受付の女性は合格証を見て、とても驚く。
「実技試験、合格おめでとうございます。
実技試験を合格した人は10年ぶりだと聞いています。
しばらくお待ち下さい。ハウンド登録をしてまいります」
「よろしくお願いします」
二人はギルドの椅子に座って待った。
およそ30分後。
「レインさん、クレアさん。登録が完了しました」
受付から声がかかった。
「登録が完了しました。これがハウンドライセンスです。
ハウンドライセンスは身分証明証のようなものです。
無くさないようにしてください」
「「分かりました。ありがとうございます」」
二人はギルドの外に出た。
「よっしゃあ!ついに夢が叶った」
「はい、自分は夢を見ているんじゃないかって思っちゃいます」
二人のハウンドが誕生した。
実技試験合格の事はすぐに街全体に広まった。
実技試験を合格した上に、倒した相手が上位種ということで
さらに話題になった。
レインとクレア以外にも何組か実技試験を受けたそうだが、
合格は出来なかったそうだ。
「これからどうしようか」
せっかくハウンドになった訳だ。
ダンジョンを冒険してみたい。
その前に、武器も手に入れる必要がある。
やる事はたくさんありそうだ。
レインはあることを思いついた。
「クレア、一つ言いたいことがあるんだ」
「私も言いたいことがあります。」
レインとクレアは同時に話始めた。
二人の言葉が重なる。
「俺とパーティーを組まないか?」
「私とパーティーを組みませんか?」
二人は思いっきりセリフが被った事で笑いだした。
「俺の事は呼び捨てでいい。
クレア、これからよろしく」
「分かりました。レイン、これからよろしくお願いします」
二人のハウンドは歩き出す。
それぞれの夢に向かって。
冒険はまだ始まったばかりだ。
いかかだったでしょうか。
ここで第1章は終わりです。
次は第2章です。
よろしくお願いいたします。




