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冒険譚:ダンジョンズ:  作者: 深宮マサ
第1章 冒険のスタート
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第1章2-5 試験までの3日間2


レインとクレアは闘技アリーナに向かって出発した。

「闘技アリーナってどんなところでしょうか?」

「俺もよく知らないな。何かと戦う所だろうけど」


そんな会話をしつつ、闘技アリーナに向けて歩いている。


約20分ほど歩いて、闘技アリーナに到着した。

レンガ造りの円形の建物、それが闘技アリーナだった。

壁の高さは、30メートルほど。

その周辺にも人が集まっている。


「でかいなぁ」

レインは闘技アリーナを見上げて言った。

「そうですね。こんな大きな建物だとは思わなかったです」

クレアも感嘆の声で言った。


「闘技アリーナの受付に行ってみよう。そこで情報を聞けるかも

 しれないし」

「そうですね。それが良いと思います」


二人は受付に向かった。


――――――――――――――――――――――――――――――


「すいませーん。誰かいませんか?」

「はーい。どうなさいました?」

奥から受付の女性が出てきた。

「昨日この町に来たばかりで、闘技アリーナのことについて

 よく知らないので教えてくれませんか?」

「かまいませんよ。ここ、闘技アリーナはハウンドさんと

 エネミーが闘う場所です。それを観戦することができます。

 ハウンドさんが自分の腕を磨くためにも使われます」


「私たち、闘技アリーナでハウンドの実技試験を受けようと思っているんです。

 それについて説明してくれませんか?」

クレアが質問する。

「はい、いいですよ。今回の実技試験は、毎回同じなんですが、

 ハウンドさんとエネミーの実戦です。危険な試験なので、

 毎年受ける人はほとんどいません」

「そうですか。ありがとうございます」


「ところでお二方。もうすぐハウンドさんとエネミーの対戦が

 あるのですが観ていかれませんか?」

受付の女性が勧めてきた。


「俺は観てみたいと思っているが、どうする、クレア?」

「私も観てみたいです。実技試験のヒントになるかもしれませんし」

「というわけで、観ていこうと思います」

「ありがとうございます。料金は二人で銀貨3枚です」

レインは銀貨3枚を手渡した。


「入り口は外の階段をお使いください」


レインとクレアは闘技アリーナの観客席に入って行った。



―――――――――――――――――――――――――――


「さっきは奢って貰ってありがとうございました」

「気にしなくていい。俺が観たいって言ったんだからな」


そんな会話をしていると、アナウンスが流れた。



(皆さん、お待たせいたしました。ただいまより、対戦を開始します。)

(今日の相手は獣型エネミー、ガルアスです!)


「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」」」」


会場の熱がヒートアップする。


対戦するハウンドは盾に剣というオーソドックスな装備だ。

対戦するエネミーは人のゆうに5倍はある。

全身は毛と鱗で覆われており、手の先にある巨大な爪が目をひく。

鋭い目で目の前の敵を見下ろしている。


そして、ガルアスは唐突に巨大な爪を降り下ろした。

ハウンドは盾で爪を防ぎ、もう片方の手に持った剣でガルアスを

切りつける。


「グオオゥ」

うめき声を漏らしながらガルアスは後ろに下がった。


次はハウンドがガルアスとの間を詰め、一閃。

ガルアスも負けじと体を回転させて、ハウンドを振り払う。

ガルアスの尻尾がハウンドの横っ腹を直撃し、吹き飛ばす。


ハウンドは何とか体勢を立て直し、地面に着地する。


今のところではガルアスが優勢。


しかし、ここでハウンドが驚きの行動を見せる。

ハウンドは自分の剣と盾を投げ捨てたのだ。


これには会場もどよめいた。


ハウンドはニヤリと笑うと、武器も持たず駆け出す。

そしてガルアスの横を通り過ぎた。


その刹那、ガルアスがうめきながら倒れた。


またもや会場がどよめいた。


ハウンドの手には曖昧な剣のようなものが握られている。

クレアが驚いたように言った。

「あのハウンドさん、魔法も使えるんですか!?

 あれは光の魔力を剣状に具現化したものです」


それからは、ハウンドの独壇場だった。

明らかに大きさの小さい人間がエネミーを圧倒している。

レインはそれに大きな驚きと尊敬の念をおぼえた。


そして決着が着いた。

ガルアスは地面に倒れこみ、光の粒子になって消えた。

この世界のエネミーは命が尽きると光の粒子になって消える。

その粒子がどこに行ったのかは分かっていない。


「「「うおおおおおぉぉぉぉ!!!」」」

観客の喜びと興奮の声が会場に響く。

拍手と歓声がなりやまない。


ハウンドは観客に手を振ってから、奥の方に帰って行った。


「いやー。すごかったな」

レインが興奮気味に言った。

「すごかったですね。私たちも今度あそこで戦うんですね」

「そうだな。それを考えると、今から緊張してきたな」



それからの二日間はあっという間に過ぎ去った。


―――――――――――――――――――――――――――――


いよいよ試験の日。

レインとクレアは闘技アリーナに向かって宿を出た。


ついにこの日がやって来た。

レインは己の身を引き締まらせるように気合いを入れた。




読んでいただきありがとうございます。

いよいよ次は試験となります。

次も読んでいただけると嬉しいです。


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