第1章2-3 温泉宿で
レインとクレアは温泉宿の門をくぐった。
そして、温泉宿の玄関の扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
「すみません、一人部屋を二部屋お願いします」
「分かりました。では、空き部屋を確認してきます」
温泉宿の女将さんは奥の部屋に戻っていった。
「きれいな宿ですね」
「ああ、そうだな。ところで、宿代は大丈夫なのか?」
「それは心配ないです。今までに貯金してきたもの全て持ってきましたから」
そんな他愛ない会話をしていると、女将さんが戻ってきた。
「お客様、すみません。個人部屋は全てうまっていまっていて、
二人で一部屋なら用意できるのですが」
女将さんが申し訳なさそうに言った。
「クレア、どうするか?やっぱ知り合って間もない男と一緒の
部屋は嫌だよな。無理しなくて良い」
「ええと、レインさんが良いなら私は構いませんよ。
私、そんなことあまり気にしないので」
「分かった。ではその部屋をお願いします」
「分かりました。温泉は部屋の廊下を突き当たりまで行った所にあります。
お食事処は温泉にいく廊下の通りにありますので、いつでもご利用ください」
「ありがとうございます。クレア、行こう」
「はい!」
レインとクレアは部屋に向かって歩いた。
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少し歩いて、部屋に着いた。
床は畳。部屋の中央に円い机と椅子が二つ置いてある。
大きな特徴はなく、旅館の部屋というイメージが強い。
「きれいな部屋だな」
「そうですね。落ち着く感じがします」
「先に温泉に行くのはどうだ?」
「良いですね。温泉、楽しみです」
レインとクレアは部屋に置いてあった浴衣をとってから、
温泉へ向かった。
少しして、温泉に着いた。
「温泉からあがったら、ここに集合で良いか?」
「はい、いいですよ」
そう言って、レインとクレアはそれぞれ温泉に向かった。
脱衣場を抜け、温泉の扉を開いた。
扉を開くと、そこには露天風呂が広がっていた。
露天風呂は石造りで、下から温泉が湧いている。
周りは木の柵で覆われている。
何人かの客が温泉に浸かっていた。
さっそく露天風呂に入る。
「おお、気持ち良い。今日の疲れが取れていく」
そんな独り言が漏れる。
しばらく浸かっていると、男性客から声を掛けられた。
自分よりも遥かに年上で、60代くらいだろうか。
胸に大きな古い切り傷がある。
「おお、兄ちゃん。俺はグラム。この町は今日が
初めてか?」
「はい、そうです。俺はレインって言います」
「そうか、そうか。で、何しに来たんだ?」
「ハウンドの試験を受けに来たんですが、時間が遅くて
受けられなかったので、3日後の実技試験を受けようと思ってます。
ところで、貴方は何の職業をやっていいるんですか?
胸の傷が気になったんですが」
「俺は先日引退したハウンドだ。兄ちゃん、これは一つ忠告だ。
ハウンドの実技試験、毎年危険なことになってる。
心してかかれよ」
「ありがとうございます!気を着けます」
「じゃあ、俺はこれで上がるぞ。試験、頑張れよ」
「頑張ります!」
―――それにしてもでかい体だったな。何食べたらあんな体になんのかな?
レインはそう思ったのだった。
お読みいただいてありがとうございます。
なんか、ほのぼのしてきてますね。
ほのぼのも良いですが、早く戦闘シーンが書きたいです。
次もよろしくお願いいたします。




