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冒険譚:ダンジョンズ:  作者: 深宮マサ
第1章 冒険のスタート
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第1章0-1 プロローグ 前編

冒険ものを書きました。

読んでいただけると嬉しいです。


これは遠い昔の話。



「そこをどいてくれ!」

黒髪緋目の少年は、走りながらいい放った。

目の前ー城の中には何百というエネミー。

「くっ! そう簡単には退いてくれないか・・・」

「では、力ずくでいかせてもらうぞ!」


少年は走り出した。

そして、その手に構える巨剣を振り、エネミーを蹴散らしていく。

攻撃を喰らったエネミーは、光の塵となり消えていく。


階段を上りきった先に巨大な扉があった。

少年は何の躊躇いもなく開く。

そこで少年は見つけた。

探し求めた人を。


「クレアッ!」

少年は少女に向かって叫ぶように言った。

「貴方は・・・誰?」

少女は答えた。

「えっ・・・ 俺を覚えていないのか?」

「俺は君の騎士だ!」

「きし・・・?」

少女はポカンとして言った。

そしてはっきりと言った。

「私に騎士はいないわ」と。


少年は絶望した。

そして、首に着けていたペンダントを外し、少女に見せた。

「これを覚えているか?これは、君と誓ったあの日に作ったものだ!」


しばしの沈黙の後、少女は言葉を発そうとした。しかし、

言葉は出てこなかった。

「・・・っ!そ、それは!」

「思い出したのか!」

少年は歓喜の声を漏らした。


「貴方は、レイド?」

「ああ、そうだ。レイドだ。思い出してくれて嬉しいよ」

そう言って、レイドはクレアに歩み寄ろうとした。

「ここに来てはダメ!」

「どうしてそんなことを言うんだ?」

少年は問う。


「それは・・・」

言おうとした瞬間、クレアの身に電撃の様なものが流れた。

「うわぁぁぁぁぁ!」

「―――っ!クレアっ!」

レイドは叫んだ。そして倒れこむ少女を抱きかかえた。


刹那、目の前の、辺りの色が禍々しい紫に変わった。


「何が起こっているのか!どうしたんだ!」

レイドは恐怖混じりに叫んだ。


そして、前を見ると長剣を持った耳の尖った悪魔が姿を現した。

「おい、小僧。そこで何をしている」

悪魔は、レイドに問う。

「お前は、悪魔ギュスターヴ!封印されていたのではないのか?」

レイドは問い返す。


「ああ、ついこの前まではな。今は封印から解放され、力も取り戻している」

ギュスターヴは答えた。そして、言葉を続けた。

「お前はここで何をしている。ここはおいそれと立ち寄ってよい場所ではない」

「俺はクレアを取り戻しに来た」

そう答えると、ギュスターヴは馬鹿にしたように笑って言った。

「がははははは!小僧一人で助けられるわけあるまい。大人しくしておけばよかったものを。

 わざわざ死にに来たというのか。片腹痛いわい」


「何とでも言え。俺はクレアを取り戻す。何としてでも!」

レイドは対抗して言う。

「わしに勝てるとでも?今なら命だけなら助けてやる」

「そんな気はもっとうない」

「ならば、死ね」


ギュスターヴが剣を振り下ろす。

それを、横にステップで回避。そして、一気に間合いを詰め、剣を振るう。

ギュスターヴはそれを左手で受け止めた。

そして、剣を弾くと、長剣に合わぬスピードで、連撃を繰り出す。

「くっ!」

レイドは苦痛の声を漏らしながらも、剣を大きく振るい、攻撃に対応する。

「ほお、ここまでやる人間がいるとは。わしも侮っておったわい」

ギュスターヴは感心して言う。


「ならば、本気を出さねばならぬな」

そう言うと、持っていた剣を投げ捨て、自身の前に魔方陣を発生させた。

そこから新たな剣を取り出した。

おぞましく、禍々しい造形の剣。

「オラァ!」

ギュスターヴはレイドの目の前に一気に間合いを詰め、縦に一閃。

「あぶねえっ!」

ギリギリの所で回避したが、さっき自分が立っていた所は切り裂かれて何もなくなっていた。


ギュスターヴは連撃を繰り出す。

「ふははははははっ!手も足もでらんか」

「くっ!」

こちらは剣を捌くので精一杯だ。

体勢を立て直すべく、目の前に爆発魔法を放ち、後方に下がる。

「逃げるのか?つまらんな」

ギュスターヴは挑発する。

ここで挑発にのっては意味がない。

このまま圧され続ければ、必ず負ける。

さらに、体力は限界に近い。


―――――――――アレを使うしかないのか。

レイドは己の中にある全ての力を集中させた。


「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

天に向かって大きく咆哮。

そして、紫の気を纏った。

赤い目はさらに紅く。黒い髪はより黒く。



目の前の悪を滅ぼすべく、少年は禁術を使い力を解放した。



後編に続きます。

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