表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未収録たち( ´ー`)  作者: 天川 奏
『夏のホラー2017』
2/5

ホラー【2】

 「真紀、知ってるの?」


 「うん……でもさぁ、確かここ、廃園になったとこだった気がするんだけど」


 「廃園? どういうことだよ」


 廃園という言葉に、佑樹が反応したようだった。

 訝しげに眉を寄せているが、興味津々だとでも言うように体を前に乗り出している。


 「確か、度々子供がいなくなるって噂があったんだってさ。廃園になった詳しい理由は知らないけど、そんな噂があるようじゃ、廃園になるのもおかしくないよね。でも、廃園になった遊園地の広告なんて……」


 「へぇ~」


 興味などないと言うように首を縦に数回ふる佑樹。

 けれどそう思ったのは間違いだったらしい。

 真紀から広告を奪うと、それを眺め立ち上がった。


 「面白そうじゃん。決まり。夏休み、ここで肝試ししようぜ」


 佑樹の提案に、私は「えっ」と目を見開く。


 「ちょっと佑樹、それ本気なの?」


 「いいね、俺も佑樹に賛成。廃園になったとこの広告が落ちてるなんて、きっと来いって言ってるんだよ」


 相変わらずノリ気な功太は、言いながら笑う。


 「じゃあ次の金曜、十時に遊園地の入り口集合な」


 「そんな、勝手に決めないでよ……しかも十時なんて遅すぎじゃない?」


 「そんぐらいが良いんだって。親にはバレないようにな」


 怖がる女子の反対も空しく、ニヤリと笑った佑樹は、そのまま自分の席へ戻っていく。

 その時、ちょうどチャイムが鳴り、私たちもそれぞれの席についた。




 このときはたぶん、思いもしなかったんだろう。


 遊園地で本物の幽霊がでる。


 そんなことは、よく物語で読むフィクションだと。


 そう、思っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ