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今日はテストの日。
私はいつものようにいつもの仲間と
教室へ駆け込んだ。
「やっば、遅刻する~」
これがいつものことだからみんなも
なれている。
「お前ら、いっつもほぼ遅刻だからな」
「はいはいわかってます~(笑)」
担任もいつものことだから苦笑いでそう
やっていってくるだけだ。
けど、いつもじゃないことがあった。
いつもいなかった窓側の一番はしっこの
後ろの席に、男の子がいた。
席に座るときにみんなにきいてみた。
「あの子、誰?」
「さぁ~朝来たらもういたんだよね」
誰に聞いても同じような答えしかかえっ
てこなかった。
透き通った真っ白な肌に、すこし青
と金がはいっているようにみえる目。
そのせいで光が当たるとかがやいてみえる。
整った顔、とても細い手足。さらに
茶色がかったさらさらの髪。
どこから見ても、美しい。
『美少年』という言葉が、とにかく似合う
男の子。
とにかく見た目はほんと完璧だった。