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外に出た女の子のお話

そのとき世界で戦争が起こりました。とても大きな戦争でたくさんの人が死にました。まだ戦争は終わっていません。

ひとつの村がありました。その村は町からとても離れているのに空襲にあいました。みんなで楽しく暮らしていた村は焼け野原になりました。それを見てある人は地面の奥深くで暮らせばもうこんな思いをしなくて済むと思いました。

生き残った村の人々は地面の深く、ずっと深くで暮らすようになりました。その暮らしになれなくて何人も人が死にました。


その一族は長い間地面のなかで暮らしたせいで土を食べて生きることができるようになりました。目は多くの人が退化してなくなってしまっています。

ひとりの女の子がいました。女の子は目のある数少ないうちの一人でした。女の子は母親から外の世界について聞かされていました。本当に母親が言ったような世界があるのかはわかりません。母親も、祖母も、そう語り継いできただけだと言っていました。

女の子は外の世界を見てみたいと思いました。女の子は外の世界に通じる場所があることを知っていました。空気を取り入れる場所と大人からは聞きました。

女の子はそこを目指します。土の壁を女の子は登りました。途中で大きな声を出す大人が怒鳴りましたが、気にせず登りました。

女の子はついに外の世界に出ました。女の子の目ではよく見えませんでしたが一面が緑色なのはわかりました。その時は「夜」でした。「昼」だったら女の子は失明していたでしょう。空には「月」が浮かんでいます。

女の子は緑の世界を歩きました。あまりにも緑しか周りにないので女の子は帰り道を見失いました。でも女の子は悲しくありませんでした。緑の世界の空気はいい匂いがしました。

その時風が吹きました。女の子の足では支え切れず、倒れました。口になにか白いようなピンク色のような「はなびら」が女の子の手にのりました。女の子はそれを食べてみました。土よりあっさりしていました。

風が吹いてきた方向に目を向けました。そこには「桜」がありました。

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