表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

それはまるで・・・・・・の、ような


「……え、なんて今、言いました?」

「いや、何でもないさ。たいしたことじゃない」

「そういわれると、気になるんですけど。もう一度言って下さいよ」

「何でもないって。……なんだ、その顔は」

「余計に気になるんですけど。いいじゃないですか、言って下さいってば」

「いやだ」

「……ああそうですか、じゃあコレはもうお仕舞いですからね」

「おいこら、それを人質に取る気か?お前卑怯だぞ」

「なんとでも言ってくださいな。いい加減お酒も呑んだでしょう?桜の木が酔っ払ってどうするんですか。ああ、それとも酔って桜色に染まるんですか?」

「つくづく、可愛くなくなったぞお前……」

「はいはい、それで?答えてくれたら、呑ませてあげますよ」

「言えばいいんだろう、まったく……あのな」

「はい、なんでしょう」

「あのな、牽牛と織女の話があるだろう?それと同じみたいだなって思ったんだよ」

「……誰が?」

「……っ、それは、俺とお前に決まってるだろうがっ」

「ああもう、そんな真っ赤な顔して怒鳴らなくても聞こえますって。織姫と彦星ねえ……確かに、少しの間だけしか会えないってのは……似てますねえ……」

「違うだろう」

「何がですか?ああ、はいどうぞ、注ぎましたよ」

「会える時間が短くても、それを大事にしてるって事が、似てるんじゃないか。おや、どうした、顔が赤いぞ?」

「まったく、貴方も意地悪ですよ。涼しい顔して、そんなこと言うんですから。もう、どんどん呑んじゃって下さい」

「ああ、呑むぞ。お前も呑め」

「はい、勿論呑みますよ……まったくもう、流石花精ですね」

「なにが」

「無意識にも、ひとを惑わすんですから」




                                   







 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ