第一話 発端 夢
シビアかつ想像上の世界を描いた小説です。
毎日が平凡すぎてつい、見逃してしまうことがある・・・
何だって?そんなこと俺の口から言えるワケがないだろ!
・・・・え?どうしてもって?
しかたないなぁ・・・特別だぞ?
この世界には、今はまだ二つしか見つかってないけど、"秘密"がある。
そもそも、だ。今君が脳裏に自然と描き、焼き付けられている「常識」とは何だ?
まぁ、急に聞かれても困るっていうのは大体予想してたけどね。
本題に入ろう。
それら「常識」の全てが"秘密"によって覆されてしまうんだ。
・・・質問は今度受け付けるよ。
ではまた会おう。
寝る前に夜風にあたっていたためか、窓が半分あいていた。
突然現れた黒い声、意味不明な単語を並べて消えていった。・・・夢だったのか・・・?
"秘密"・・・
"また会おう"・・・
「まぁ、ただの夢だったな!」その言葉の半分は嘘だった。
自分で「夢だった」と決め付けておいて何故か納得できていない。
急に気が付いたように、時計を凝視する。
・・・十二時三十分・・・ !!!?
「十二時半!?なバカな!!?・・・俺が寝たの、十二時丁度だぞ?」
しばらく、信じることもできずに立ちすくんでいた。
たった三十分のうちに凄く長い夢を見ていた。
しかも、はっきりと覚えている。あの声。あの雰囲気。
紛れも無い。俺は「見た」のではなく「体験」したのだ。
・・・だとしたら、"秘密"ってなんだろう?
考えようにも、睡眠時間三十分では脳も働かず、ただ寝ろとサインを送るので沈むように眠りに就いた