ビシソワーズ(エッセイ)
ビシソワーズ。
ビシソワーズ。
うーん、かっこいい響きだ。
ご存知の方も多いだろうが、一応ご紹介しよう。ビシソワーズとはジャガイモとタマネギの冷製スープのことである。
ビシソワーズ。
ヨーロッパっぽいおしゃれな響きだ。
ビシソワーズ……うんうん。この名前には、なんだか黙ってうなずいてしまう説得力が感じられる。ミネストローネやビーフストロガノフも同様である。
今朝いつものようにお寝坊さん(プチ不眠なので大目に見てほしい。詳しくは『深夜のアイツ』を読んでみてください)をしてしまった私は、ふっとビシソワーズという単語を思い立ってしまった。なかなかおしゃれな目覚めである。
けれど、ビシソワーズ? あれ。それってなんだっけ。生煮えみたいなお肉の料理だっけ。と、いまいちピンとこずに遅い朝食をとった。
ビシソワーズ、ビシソワーズ。
ピンとこないものだから気になって気になって仕方がなく、頭の中ではビシソワーズが大合唱をしていた。
余談だが私は学生時代、テストや何か大切な試験の最中、問題に行き詰るたびに某イケメン演歌歌手のきよしのズンド○節が頭から離れなくなるという苦い経験を何度も味わったことがある。
あの時も「ズン・ズンズン・ズン○コ・きよし」が頭の中で大合唱してたなあ、なんて思い出しニヤニヤ笑いをしながら、私は携帯電話を取り出して「びしそわーず」と検索にかけた。
すぐにジャガイモとタマネギの冷製スープであるということがわかり、あーなるほどそうだった気もする。と納得し、なぜか無性にビシソワーズが作りたくなってしまった。
そうして昼間っから夜ご飯用のスープを作りました。という、ただそれだけの話だ。
ちなみに、作り方はというと、仰々しい名前にしては簡単であった。
ジャガイモとタマネギを薄くスライスして炒め、そこへコンソメスープを加えてじっくり煮る。野菜が煮えたらミキサーにかけてどろどろにさせる。そこに牛乳も加えて塩コショウで味付けをしたら完成だ。
バターや生クリームを使う本格的なものではなく、家にあるもので作れる、簡単版レシピである。
ビシソワーズが頭から離れなくなった方はぜひお試しあれ。