Dull christmas
艦魂からちょっとスタイルを変えて、高校生のお話をやってみました!
言葉が不自然な所なども在るかもしれませんが、宜しくです!
言葉の解釈は人それぞれ、また、本来の意味とは少し変えてあります。
それを理解した上でお読み頂けると嬉しいです!
これは、とある高校のとある教室のとある机に座っている男の話。
今日は12月18日、あと一週間でクリスマスだ。
でもきっと、つまらないクリスマスになるだろう……
勢いよく扉の閉まる音がした………
「あ~あ、彼女欲しいな~」
そうやって、机にうつ伏せになりながら呟くのは、三河充という、彼女いない歴17年の男。
「なんでモテないんだろ…」
別に俺はブサイクなんてもんじゃない、寧ろ普通よりはちょっと上らへんだと思う。たぶん……
「なあ、お前一週間後暇?俺とカラオケでも行かね?」
周りにいた友達にクリスマスに遊ぼうと声を掛けてみた。まあ、聞かなくても当然OKだろうが……
「ん?ごめん、一週間後はちょっと出かけるから…」
――見栄なんて張らなくていいんだぞmy friend 俺と一緒に楽しい一夜を過ごそうや
「そっか、そんじゃお前は?」
「ああ、俺も無理だわ。出かける」
――だから、見栄なんて張らなくていいんだって
「んじゃ、お前は?」
「俺もパスだわ。ちったぁ出かけるから」
――だから、見栄なんて…
「お前は?」
「俺も無理だわ。彼女と出かける」
そういってその友達は、右手の小指を上げる。
――だから………なんつった?
「おい、ちょっと待てぃ!まさかと思うが、この中で彼女いるやつ手を挙げろ」
俺がそう聞くと、今俺が聞いた4人全員が手を挙げた。
「まてまてまて、見栄なんて張んなくって良いって」
「見栄じゃねぇよ、本当だよ」
「しょ、証拠が無ぇじゃねぇか」
目に見えるほど慌てまくる俺、いや、まさかそんな馬鹿な…こいつらが彼女を作れるわけ………
「ん?だったら、付き合ってる彼女を教えてやっていいぜ。俺は美帆」
「俺は…B組の森下」
「俺はC組の星宮」
「俺は「も、もういいわ!!」
思わず大声を上げてしまった。何事かとクラスの奴らに注目されたが、すぐに特に大したことでもないと察すると、またそれぞれの会話に戻って行った。
――あ、危なかった。こんな事で叫んでいるとバレたら笑い者にされかねない。
しかし、そんな事はすぐさま頭から消去して、目の前の4人に向かって喋る
「なんなのお前ら!?俺を苛めたいわけ?」
「いや…そんな事ないけど。只、聞かれた事に対して事実を言っただけ…」
事実……痛い、俺の心が痛い
「ば………」
「ん?」
「爆発してしまえ!!!そして、死ねぇぇぇぇ!!!!!!」
二度目の叫びに対して、クラスの皆がこっちを見てくるが、俺はそんなのお構いなしに泣き叫びながら、トイレまで駆け込んで、個室(洋式)に入って鍵を閉めた。
「なんなんだよ…皆して俺を馬鹿にしやがって…何?俺だけ?俺だけ彼女居なかったの?皆彼女がいるのに、俺の彼女欲しいコールをずっと聞いてた訳?もう友達とか信じられねぇよ……」
顔に手を当てながら、嗚咽を漏らした。
――心がズキズキする。生れて初めてだよこんなの…………あいつら、絶対許さねぇ!!絶対に爆発させてやる!フフフハハハ
俺は、この世のリア充に報復する事を決めた。逆恨みだって?そんなもの知るか。
まあ、普通の高校生にそんな事が出来る訳が無い事は当たり前なのだが…
しかし、今の三河にはそこまでの思考が回っていなかった。
数分後、俺は個室(洋式)から出て、顔を洗った後、鏡に向かって憎悪を込めた笑顔で
―――――クリスマスなんて爆発してしまえ!!!!
と吐いた。
「そうと決まれば、何か考えるか……」
そう呟いて、男子便所を出た。
すると、女子便所からも一人出てくるのが見えた。
それが、渡辺璃亜との出会いだった。