01>エピローグ
…やっと貴方に、触れる事が出来た瞬間の私は、本当に何の迷いも無く、
『この人を愛してる』って心から思えたんだ。
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「おはようございます!」
「あら!早いわねーリツキちゃん。良く眠れた?」
「はいっ!おかげさまで、本当に助かりました!」
「いいのよ!こちらこそ、子ども達と遊んでくれてありがとうね。
お散歩に行くの?大丈夫だと思うけど、気をつけていってらっしゃい。」
昨日、大変お世話になった雑貨屋の奥さんのメルヴィさん。
彼女は、そう言って私の頭をポンポンと撫でてくれた。
私は、それが嬉しいやら、照れるやらで、ちょっと笑う。
メルヴィさんは、薄茶でくせっ毛の、ふわふわした髪を1本の三つ編みにして、
右の肩から垂らしていて、キリリとした顔立ちのクール系の美人だ。
しかも、ボンキュッボン!、と見事なスタイル。
見た感じでは、20代前半にしか見えない。
だが、彼女は5人の子持ちなのだ!(実は、すでに6人目がお腹の中で準備中だとか。)
奥さま、完璧すぎますよ。…年齢は聞くとグリグリされるから聞けないんだけどね。
私は、メルヴィさんに「いってきます」と言って、散歩へ向かう。
はー。早朝の、空気は清々しくて気持ちいいなぁ。
少し肌寒いけど、目が覚めてくるし散歩はいいものだよね。
私は、立花 梨月。
名前の通り、日本人。
本当なら今頃は、現代日本で女子高生をしているはずだったんだけどね。
…ただいま、私は魔法とRPGみたいなモンスターが蔓延る異世界で生活しています。
何故、こんなことになったのか。
それはね、
ドドドドドドドドドドドドドドドッ
「りったん!!危ないから外はダメって言ったのにぃいーー!!」
後方から、狩猟犬のように追いかけて来る空色の髪の青年。
この彼が原因なんだよ。
彼の名前は、ラウリ・トゥフカサーリ。年齢は18歳だったはず。
この異世界の住人。だがしかし、私の幼馴染でもある。
職業は、魔術師。時々、薬師もしている。
10年前。
彼が、鏡を使った魔術を試した時に、私が持っていた鏡と繋がってしまって通信(テレビ電話みたいな感じ)が出来るようになって、話すうちに親しくなった。
彼は、優しくていつも楽しそうしている人で、勝手に私は片思いなどしていたんだよ。
私の居た世界で、5日前の事。
突然、彼が私をこっちの世界に召喚しちゃったんだ。
呼ばれた理由は一応、言われたんだけどさ…。
まだ、頭の中で整理が追いついてないんだよね。
…まぁ、それは今は置いておくとして、だ。
訳あって、このパールナ村で彼と追いかけっこ中だったり。
『ちょっとだけ村を見たら帰る』って、書き置きしておいたのになぁ…。
信用されてないのかな?もしかして。
「りったーん!待たないと後悔するんだからねー!」
後悔って、何する気!?
ぐぬぬ…!まだ今日までは見ていくつもりだし、捕まるのは非常に困る!!
でもこのままじゃ、時間の問題だよね?
だって、だんだん距離が近くなってきてるし…。うわぁあ、なんか怖いよー!
うーん。
とりあえず、村のどこかに隠れてやり過ごすことにしようか!
ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございます…!
初投稿で、至らない所ばかりかと思いますが、よろしくお願いします。
ご意見、ご感想お待ちしております!
修正:2012/10/02
誤字脱字を直しました。