4話(2)
試験官であるギルは丘の上から周りを見渡していた。
「順調そうだなぁ」
「あそこにいるのはオークの変異種か」
「戦っているパーティはあれじゃ無理そうだな。」
「ほっといたら、死にそうだし近くまで行って様子を見とくか。」
痛い体を少し無理して起こし、豚野郎のところまで急いで向かう。
一発だけ攻撃を入れて、視線をこっちに向けよう。
一メートルぐらいまで近づいた時、視線がこちらを向いた気がした。
俺も気づいたが今更走っている足を止めれることもなく、意を決してナイフを足に向かって斬りつけようとした。
私の刃が当たることは代わりに手痛い反撃を食らった。
「ごぼ」
口から血が溢れてくる。
これは死ぬかもしれないな。
ごめんね魔法使いさんこんな無能と手を組ませてちゃってさ、やっぱり試験はまだ早かったかな。
豚野郎がとどめを刺そうと近づいてくる。
人思いに一発で殺してほしいな。
ドカンと大きな音がした。
豚野郎が痛そうに後頭部を押さえている。
魔法使いさんの魔法が当たったようだ。
「早く逃げろ!。」
「い、いやです!」
仕方ない。すでに体が限界を迎えているけど流石に一緒に組んでくれた人を殺したくはない。
感覚もほとんどなく、視界もぼやけて立つのがやっとだ。
でも引き下がるわけにはいかない。
豚野郎の目の前に出る。
魔法使いさんが驚いた顔で見てくる。
そういえばこんな時何って言うだっけ。
あ、そうだった。
「第二ラウンドの始まりだ。」
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