1話(2)
ザザザ
ツノウサギが突撃してくる。
ふ〜
集中してさっきみたいに。
「やっぱ無理」
全力で横に避ける。
いけるかもと思ったけど怖い。
ミスると絶対死ぬ。
こんな恐怖の中でできるか。
ここは戦力的撤退だ。
うおー全力ダッシュ
「はぁはぁ」
肩で息をしながら後ろを確認する。
どうやらまいたみたいだ。
もしも他の生物もあんなのなら倒すのは難しそうだ。
これは早いうちに集落を見つけないと死んでしまいそうだ。
歩いて見つけるか
しばらく歩くと道らしいところを発見した。
人がどれぐらい往来しているかわからないが森の中を歩くよりは会う確率が高いだろう。
奥の方に馬車が見えた。
しめたこれに乗せてもらい、どっかの適当な集落でおろしてもらうとしよう。
「おーい」
道のど真ん中に手を広げて声を上げる。
幸いにも馬車は止まってくれた。
「嬢ちゃん俺たちになんかようか」
「馬車に乗せていただけません。」
「なに」
「親父みるからに怪しいからやめようぜ。」
チンピラのような若い男とモブ顔のおじさんが出てきた。
チンピラから親父と言われている男が何やら耳打ちをしている。
「嬢ちゃん近くの町までだからな。」
快諾とはいかなかったみたいだが、了承してくれた。
「いやー助かりました。何せ記憶がないもんで」
「嬢ちゃん記憶喪失なのかい」
「はい。気づいたらこの森に。」
「おかしなこともあるもんだな」
温かいご飯と寝床をもらった。
おなかもふるれたので寝させてもらうことにした。
がさがさっと音がして目が覚めた。
「あの嬢ちゃんは」
「ぐっすりだ」
「あんな得体の知れないガキなんか乗せるスペースなんてない」
「ただあの美貌はあのまま森で野垂れ死ぬのはもったいない」
「だから俺たちが有用に活用してやろう」
「あんなやつほんとは乗せるずにそのまま入れてしまえば良かったじゃね」
「それでは面白みがない」
マジかよ。
こいつら汚い。
油断した隙に俺の大切な処女を奪おうってのかよ。
どうしよう。
う。
唐突に尿意が
起きるしかないか。
「嬢ちゃんどうした」
「トイレ」
「あまり遠くに行きすぎるな」
そそくさのとトイレに行くふりをして森の中に入る
後ろから
「おい睡眠薬を盛ったはずじゃないのか」
「いや、確かに盛ったはずです」
「追いかけますか。」
「やめとけ。この森の夜は危険だ。」
危なかった。
心臓のバクバクが止まらない。
馬車にもどれなくなったどうしようか。
仕方なしに森の中に入ったけど昼のツノウサギみたいなのがいたら間違えなく死ぬ。
木の上で寝るか。
木の上によじ登り、体を周りにあったツルで固定して寝ることにした。
なんだここは
洞窟の中か
さっきまで何をしていた
「•••••••••」
少女が何か話しかけているみたいだ。
何か言っているみたいだけど聞こえない。
俺が声を出そうとするが声が出ない。
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