エル視点(3)
訓練場を出て森に着いた。
どうやらここで魔物を討伐するみたいだ。
「魔法使いさん。よろしくね。」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。」
よし頑張るぞ。私の力見せてやる。
挨拶がすみ、魔物を探した。
何かが近づいて来る。
できるだけ弱い魔物でありますように。
姿が見えた。
あれは赤いオーク?
何か本で見た気がしますが普通のオークであれば問題なさそうです。
どうやらこのオークを倒すことに決めたようだった。
あ、後ろから赤いオークがすごい速度で近づいているのが見えた。
反射的に「あ、危ない。」と口から言葉が出ていた。
あの不意打ちを防いだ。
この人もしかしてすごい強いじゃないかよゆーで試験突破できそうだ。
期待していたがそれは少し甘かった。
攻撃を二発喰らって木にもたれかかっている。
あのオーク最初の攻撃を当てた時は木にもたれかかっているのを見て私にターゲットを変えたのに今回は確実にとどめを刺そうとしている。
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
魔法を打ったらこっちにターゲットは変わると思う。
でも一発喰らったら確実に命はない。
でも見殺しにしたくはない。
悩む時間もない。
やっぱり見殺しにしたくはない。
魔法をオークの頭に向かって撃った。
オークと目が合った。
ひー。怖いよ。
幸いにもすぐに体を起こしてくれたので殺されましなかった。
でも血を流していてボロボロだ。
この人が動けるうちに魔法をできるだけ当てて目の前のオークを倒さないと。
オークの猛攻を耐えそしてあまり動かさずに周りをぐるぐるさせている。
明らかに私を意識した立ち回りだ。
私の魔法を当てやすくしてくれているのだ。
全力でこれまでにないぐらい頑張って魔法を使った。
なんとか倒せた。
私の力では絶対に無理だった。
あの人が倒れかかっている。
危ないと急いで近づいた。
勢いでフードが脱げてしまった。
そして膝枕の状態になっていた。
唐突に「かわいい」と言われた。
あまりにも急すぎて顔が赤くなるのが遅れた。
何か言葉を返そうと思ったが気絶してしまっていた。
パチパチと拍手が聞こえた。
ギル?という今回の試験官の男が近づいてきた。
「よく二人で赤いオークを討伐したもんだ。無理だろうと思い近くで見ていたが俺の助けは必要なかったみたいだな。」
オークも怖かったけどこの人も怖い。
「怖がれせるつもりはない。すぐ離れるさ。そんなことよりそいつ早く処置したほうがいいぜ。失血死させたくなければな。」
顔に出てたのか。あの人をどうにかしないと。
ギルドのベットに運び込み、ポーションで回復させてもらった。
なかなか目覚めず夜になり、睡魔に負けてしまった。
目を覚ますとあの人が上半身を起こしていた。
寝てしまっていた。
ことの顛末を説明してパーティを組むことになった。
名前も教えてもらった。
ニーナというらしい。名前を覚えるのは苦手だからしっかりと覚えておこう。
とても嬉しいが本人はかわいいと言ったことを覚えてないらしい。
もう一度言ってほしいが恥ずかしくて言えなかった。
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ある教会の水晶から少し怖い目でのぞいているものがいた。
「私のおかげだといいのに。ああ待っていてくださいね。〇〇様。」
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