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記憶喪失の少女は世界を旅する  作者: Yシン
序章
10/15

4話(3)

よく豚野郎の動きを観察する。

前に踏み出す動作をした。

思わず身構える。

防御姿勢をとったからか手が痺れる以外はそれほどダメージはない。

けどこれも何度も取れるものじゃない。

ホーンラビットの攻撃を受けたみたいに上手に力を逃さなきゃ。

あの時はまぐれでできたからその後逃げたけど今回はそうもいかない。

私が一度でも失敗すれば仲良く二人ともお陀仏だ。

まだ死にたくない。やらなきゃ死ぬ。できなきゃ死ぬ。

そんな状況でもやってやろう。

上手く受け流せないけど攻撃を何度か見てパターンを解析する。

避けれない攻撃と避けれる攻撃を見分ける。

段々とわかってきた。

上から振り下げる攻撃は避けれる。

横に薙ぎ払うのは避けれない。

突進も速すぎて避けるのは難しい。


避ける、いなす、また避ける、そしていなす、いなす

何度でも繰り返す。ここに止めるために魔法で狙いやすくするため。

目の前のこいつが倒れるまで何度でも。

いなす、避ける、いなす。

ピキっと腕から嫌な音がした。

脳が警鐘を鳴らしているがまだ止まるわけには悩むわけにはいかない。

だからまた避けていなして両腕がもげるまで

終わりの時は唐突にやってきた。

魔法使いさんの魔法が何度目かわからないほど当たり、そいつは倒れた。

やっと終わった。

全身から力が抜けて身体中の痛みが全身を駆け巡る。

ギリギリ意識を手放さないように葛藤しながら私も地面に倒れた。

「だ、大丈夫ですか」

トタトタと駆け寄ってくる。

目の前まで来てあせあせしている。

頬が少し濡れたのを感じた。

なんかかわいいなぁ。

「かわいい」

ボソッと口走ってしまった。



夢を見た。

前に見たものと同じものだ。

でも少しだけ違った。

言葉が途切れ途切れだが聞き取れた。

意味はわからなかったけど不思議と心地よい気がした。



ゆっくりと目をあけた。まどから外が見えて、すっかり暗くなっていた。

体を起こすと見知らぬベットで寝かせられていた。

左足が重いのをかんじて横を見ると気持ちよさそうに寝ている魔法使いさんだった。

起こさないと動けないけど少し気が引ける。

そういえばあの後どうしたんだろう。

あの豚野郎を倒したところまでは覚えているのだけどその後が曖昧だ。

二人とも生き残れたし、まあいっか。

「ふぁ〜。あ、あれ起きてる。えええっとここんばんは?。」

「こんばんは」

「気絶しただけどその後試験どうなったの」

「ええっと試験は私たち二人とも合格でいきなりcランク冒険者になりました。」

「へぇ〜。すごいじゃん。魔法使いさんのおかげだね。」

「い、いえそそんな」

「で、でもこのcランク冒険者になるのは私たち二人を含めたパーティを作らないとcランクにはならないそうです。」

「ふぅ〜ん。じゃあ魔法使いさんとパーティを組めば解決だね。」

「いいですか。」

「全然むしろ組んでくれてありがとうってかんじ。」

顔からパァァって出てきそうなほど明るくなった。

喜んでくれたのはうれしいがそこまでのことか。

「そういえばお互いの名前聞いてなかったね。今後もパーティを組みことになるなら知らないと不便だよね。」

「私の名前はニーナ。よろしくね。」

「わ私の名前はエル。よ、よろしくお願いします。」

「あと敬語はなしね。」

「は、はい」

「よし、パーティを結成を記念して握手しよ」

そう言って手を出す。

戸惑いながらもエルも手を出した。

がっちりと握り、エルの手にもしっかりと力が込められていた。

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