四天王会議
『魔王様三千歳の頃はもっとさっぱり起きられたでしょう?』
「魔王は夜更かしくらい嗜むもんです」
『先に四天王会議で待ってますよ』
魔王はベッドから出て、うんと伸びをする。
健康的な男子特有の生理現象で服の前が突っ張るが、どうにか儀式服に着替え、幾分引き締まった持ちで四天王達の所へと向かった。
「これより四天王会議を始める!」
そもそも四天王会議を始める前に、四天王が五人居る事を説明しなければならない。
代々受け継いで自分の代になって十三代目になった魔王で、幼馴染は全部四天王で自分も含めなぜかいる五天王である。
『はい!魔王様』
「でもさぁ……なんについて話すのさ?」
俺がマリアに聞くと、
「特にないです……あと寝ぐせひどいことになってますよ。あとガイアの部下が魔王様宛に郵便物が一通だっけ入っていました取っていらしたら?」
マリアは上品な笑みを浮かべてヘアブラシをとってきて魔王のブラッシングをする。
(女の子にこんなことさせてたら、モテないよなぁ)
本当の所、深刻にモテないわけではない。女性への興味は人並みはある。
それ以上に、この日常に満足している自分がいる。ことさら恋人を作る必要性を感じない。
とは言え、可愛い女の子にラブレターとかもらえれば、二つ返事OKするだろう。あくまで仮定であり、夢物語に過ぎないが。
「あぁ……そうさせてもらうよ。というかこの廃墟に郵便物を送る物好きがいたのか……」
そう、四天王会議に毎回議題なんてない。決まり事だからやってるだけで、会議が終わった後はマリアが死んだ母の代わりに食事の用意してくれている。