2/37
友達以上恋人未満
『おはようございます、魔王様。本日もよいお日柄で』
四天王達の一方的な挨拶とカーテンを引く音が耳に心地よい。
「ふあぁ……」
よほど大きく口を開けてしまったのか、ベッド脇の四天王達がくすりと笑う。
「おはよう、皆んな。毎朝ご苦労様だな」
『どういたしまして、四天王として当然の義務ですから』
寝ぼけ眼をこすって会釈を交わす。
枕元の時計を確認すると六時ちょうど。毎朝の定刻だった。
「正確無比だな、ヘルフレイムもハーデスもマリアもガイアも」
呼び捨てで呼ぶのは当然で、灼熱のヘルフレイムと不死のハーデスと氷極のマリアと岩石のガイアの四人は俺の幼馴染でもあり、四天王でもある。
『呼び捨てはおやめください。私達は四天王になり、貴方はもう魔王になられたのでしたから』
「でも、俺にとっては皆んないつまでも友達だよ」