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デカメロン同人  作者: 権兵衛(管理人)
60/201

第三十夜|雪女

author:蒼鉛

 雪の降る寒い夜に、帰宅すると雪女がいた。そのまま抱きしめられたので、あぁこれは死んじゃうんだな、と覚悟した。

「へぶちっ」

「いやっ。顔に向かってくしゃみするだなんて、非常識」

「すみません、寒くて。ほら、これ使って……」


「お腹空いてるなら、ご飯食べますか」

「頂きますわ。妖怪たるもの、もてなしは受けないと」

 その後にあなたも頂きますと宣言されてしまった。覚悟はしたものの、やはり死ぬ前にはしておきたいことがある。

「炊きたてで温かいですが大丈夫ですか」

「自力で冷ましますことよ」

 口から吹雪が出て白米にふつふつと積もる。かき氷みたいだから、その線ならやっていけるんじゃないかな、雪女。美女だし。

「おじさまたちは知覚過敏で、冷たいものが食べられませんの」

 あぁ、なるほど……しかし健啖家だ。明日の分も平らげられてしまった。弁当の分も残っていない。

「あなたは今日、わたくしに食べられるのですから、たいした問題ではありません」

 でもとても感心する食いっぷりだった。惚れ惚れした。こうもりもり食べてもらうと、作った側としては冥利に尽きるなぁ。まぁ茶碗によそっただけだけど……

「あらまあ、褒めても何も出ません事よ。……さあ、お時間です。何か言い残すことは?」

 そうだなぁ。俺の伴侶になって欲しいかな。これからもこんな風にご飯食べてくれると嬉しいんですが。別嬪さんだし。とまあ、こんな風にだれかに一度告白してみたかったんだ。これまでは怖くてできなかったから。

「……言い残すことはそれだけですか? それでは、頂きますわね」


 こうして、俺は無事頂かれた(性的に)。そして雪女は俺の伴侶となり、かき氷屋はSNSでバズったので、雪女は毎日たらふく飯を食らっている。

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