恋2
「誰だ?」
瀬那が私の前に立つ。
「俺は新井拓人。今日から○×学園の生徒」
「引っ越し?」
「うん」
どうりで見たことないはずだ・・・。
私は納得。
瀬那は・・・。
・・・・・キレてる。
顔がいかついよ・・・。
「瀬那。何キレてんの?」
瀬那が振り向く。
「は?キレてねーよ」
「キレてんじゃん・・・」
私はおもわずため息。
「美久」
私は新井君に呼ばれ、新井君を見る。
「ん?何?」
「アド教えて?」
「は?お前調子乗んなよ」
瀬那が新井君の胸ぐらを掴む。
瀬那はケンカしがちだからヤバいかも!!
私は立ち上がった。
「やーめーて!」
私は二人の間に入り、瀬那の手を離した。
「新井君!」
「ん?」
「・・・いいよ!アド」
新井君の表情が明るくなる。
「美久・・・本気か?」
「うん」
瀬那は一瞬寂しそうな顔をし、俯いた。
・・・瀬那?
「美久携帯かして」
「え?あ・・・うん!」
私は新井君に携帯を渡した。
新井君は自分の携帯を取り出し、私の携帯と赤外線通信している。
「美久・・・」
俯いていた瀬那が顔をあげた。
「俺先行くゎ」
「え?!ちょっ・・・」
瀬那は私の言葉を聞かずに行ってしまった。
瀬那・・・さっきから様子変・・・。
具合悪いのかな・・・?
「美久終わったよ」
新井君は私に携帯を差し出す。
「うん」
私は携帯を受け取りかばんにしまう。
「あれ?アイツどこ行ったの?」
「ん?瀬那のこと?なんか先行っちゃった・・・」
「心配?」
「え?どして?」
「ん・・・。心配そうな顔してるから」
「そりゃぁ小さい頃からの長い付き合いだから・・・」
そう。
瀬那とは幼稚園の頃からずっと一緒だった。
なのに初めて瀬那が先に行った。
どうしちゃったんだろ・・・。
「美久行こう」
「あ。うん」
私達はならんで歩き始めた。