恋1
【恋】は片思い。
【恋愛】は両想い。
私はそう思ってる。
私は今・・・【恋】をしている。
「行ってきまーす」
私は外に出て、ドアを閉めた。
「美久!弁当」
私の姉・美紀が私のお弁当を持って私の元へ駆け寄ってくる。
「はい」
姉が私に弁当を差し出す。
「あ・・・忘れてた。ありがと」
私は差し出された弁当を手にとり、カバンに入れる。
「まったく・・・。毎日毎日忘れて・・・。昨日は新。今日は私に迷惑かけて・・・。いいかげんにしてよね」
姉がため息をしながらブツブツと言う。
「はーい。行ってきまーす」
私は適当に返事をし、学校へ向かった。
駅につき、電車が来るのを待つ。
「おはよ」
私に挨拶をしてきたのは幼馴染の瀬那だ。
「あ。瀬那。おはよ」
「今日も髪型かわってんなぁ」
私の髪の毛を指さしながら言う。
「いーじゃん!男子には分かんないのよ〜」
「ああ。確かにわかんねぇ」
そこ・・・。納得するとこ?!
私はちょっと髪の毛をいじる。
電車が来た。
ドアが開き、私と瀬那は電車に乗り込む。
毎朝ながら電車の中は満員だ。
「今日も混んでンな」
「うん・・・」
「気をつけろよ」
「え?・・・あ。うん」
瀬那がそんなこと言うなんて・・・めずらしい。
今日雨降るのかなぁ。
「んんっ・・・!!」
電車がカーブしたせいで人が私によって来る。
きっつい・・・。
誰か助け・・・・。
「大丈夫か?」
私の目の前に現れた人。
私と同じ学校の男子制服だ。
「は・・・はい」
彼のおかげで少し楽になった。
「いつも混んでんだな。大変だ」
「はい・・・」
私・・・なんかドキドキしてる。
なんなの・・・?
この気持ち・・・。
プシューッ。
ドアが開いた。
あ・・・!私の降りる駅!!
私はなんとか駅に出れた。
「美久。大丈夫だったか?」
瀬那もなんとか出れたようだ。
「う・・・うん」
「へ〜・・・。美久っていうんだ」
・・・この声は・・・。
私はゆっくりと振りかえった。
そこには私を助けてくれた彼がいた。