天災の住む町の平和
今回からこっちで書きます
今日もアンデル町には、平和な日常が繰り広げられていた。
屋台でパンを売るパン屋。
スープを売るスープ屋。
新聞を売る新聞屋。
そして、忙しなく歩きまわる警備兵。
ガヤガヤ騒ぎながら各々武器を持って歩く冒険者。
今日も中世ヨーロッパ風な異世界に日常が始まろうとしていた。
のは表の話。
裏、薄暗い場所、路地裏では今日も平然と暴行、強姦、殺人、吸魂が行われていた。いかにもクズそうなホームレスを殺して魂を抜き取り口にした紺色の髪の男はアルベリク・リンクス自称天才悪魔。
変化のない日常とどうしようもないジレンマの社会から抜けるために魔界を裏切って逃げ出しちゃった悪魔。
現在は、レンという御隠居神の世界に転がり込んで田舎町で暮らしている。
そして路地裏徘徊を繰り返して、表に住めないような人間を喰い荒らしている。
そして最近、レイラという猫人族の14歳の少女(猫人族の間では成人らしい)を助けた?ことにより今は一緒の家に住んでいる。
更に4匹の使い魔も少し大きくなり、ちょっと大きい猫ぐらいの大きさの猫になった。
更にレンに渡された怨刀とか言う懐刀の使い方の練習も多少している。
そんなこんなでアンデル町はとっても平和だ。
毎日、路地裏にいるホームレスが魂を抜かれて殺されることを除けば・・・
アルベリクは帰路につく。
「お帰りなさい、アルさん」
レイラが出迎えてくれた。
「ただいま」
「掃除終わりましたよ」
「いつも、ありがとな」
「いえ、このぐらい当然ですよ」
「あいつらどうしてる?」
「四匹とも寝てますね」
「はーどうしようもない奴等だ」
「俺らは呪いを運ぶのが仕事だ」
「他にも相手を衰弱させたり」
「相手の生気を吸ったり」
「疫病を流行らせたりな」
4匹が出てきた
「そんなことは俺一人で事足りてるんだよ」
アルベリクの影からもう一人アルベリクが出てきた。
彼はアルベリクが自分の影から創ったもう一人のアルベリク、シャドウ
「お前も五月蝿い、お前はもう少しエネルギー効率を上げろ」
「へーい」
シャドウは影に戻った。
「俺らの方が格段にエネルギー効率は上なんだよ」
「ちょっとセンターお使い行ってきてくれないか?」
「おっご指名か?誰に届ける?」
「このメモ帳に書いてあるパン屋でパンを買ってきてくれ」
「なんだよ、ただのお使いかよ」
「まともに呪術も使えない奴を戦場にお使いに行かせると思うか?」
「俺って天才だからね」
「お前みたいなのを人はおバカさんって呼ぶんだ。さあ行ってこい」
「はいはい、行ってきますよ」
センターはドアから出ていった。
「レフト悪いんだけどアイツ見張っといて、なんかやらかしそうになったら雷落としちゃって」
「りょーかいです」
レフトも出ていった。
「ライトもお使い行ってきて、肉と野菜適当に買ってきて」
「しょうがないな~」
ライトはドアから出ていった。
「ライトさんとレフトさんは待遇がいいですよね」
「あの二匹は優秀だからな」
「他の皆さんも優秀だと思いますが」
「あいつらも力は持っているけど頭が残念だからな。まああいつらのことは置いといてお茶にしようか。」
「はい」
アルベリクはそのままキッチンに向かい作り置きしておいたケーキを切り分けて紅茶を入れるのだった。