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狭軌最強鉄道伝説~新幹線がない世界~  作者: ムラ松
第1章 東海道本線・山陽本線
3/20

広がる特急

 この「狭軌最強鉄道」と言われる、この日本。今日も俺はそんな東海道本線を特急で駆け抜ける。そして俺の運用範囲も大阪まで広がった。今は夏休みのお盆の真っ盛り、東海道本線は特急だろうと急行だろうと大混雑。それに……

「こちら指令。32M特急つばめ2号へ只今、304M急行東海4号が豊橋駅構内で降車に大変時間がかかっており、後方の列車が詰まっているため名古屋駅を……」

「発車時刻2分繰り上げ!?」

俺が乗務する名古屋11:41発、広島発、特急つばめ2号が発車時刻を2分を繰り上げることに。お盆になると急行の自由席は混雑し、このようなことはしばしば。

 途中、静岡付近で急行の混雑により徐行運転をやったりして東京には10分遅れで到着した。そして再び折り返しで超特急ひかりで大阪へ向かった。そして今度は急行で使用している165系の改良型の163系の故障だとか急行高千穂で遅延で…。そして田町に戻り…。

「こんなのが3日連続かよ…。」

俺はへたれこんだ。

「お疲れ。毎年こうなんだからしょうがないだろ。」

玉城が言う。

「去年まではそんなに急行と出しているスピードがほぼ同じだったのに、それに対して急行とのスピードの差が2倍も違うだぞ!!」

「あれでもでも電車急行は160㎞/hは出してるぞ。」

一応去年のダイヤ改正で急行も大幅なスピードアップを行った。

「じゃあ高千穂の遅延はどう説明するだよ。」

「まぁあれはゴハチの客車列車だから…。それに自由席には急行券いらないしな。」

「なら特急も自由席を新設すればいいのにな~。」

俺のこの願いは5年後に叶うことに?

「まぁこんなこと言ってるもなんだし、さっき新車来たから見に行こうぜ。」

「新車って去年から雷鳥で使用されてる481系だっけ?」

俺は立ち上がる。

「そう。11月から岡山まで高速運転の区間伸びるだろ、その時に増発するからそれ用に導入されるらしいよ。」

「481系って交直両用の車両なのに岡山延伸に何の関係が?」

「今、つばめの博多行きって何系で運用されるか知ってるよな?」

現在、つばめは広島行きが3往復と博多行きが1往復となっている。

「181系だろ?」

「181なら九州内はどんなことしてるかは?」

「そういえば暫定的に下関~博多はモハ421とEF30とED73が牽引していたな。」

「それの置き換え用だよ。」

「なるほどな~。」

 481系のところへ行くとそんなに181系とは差はない。あるとすれば、前面に赤い帯がある程度。

「って481、所属田町じゃないじゃん。」

481系の車体には所属の表記として181系や151と同じく「東チタ」と表記されているはずなのにこの481系には「東トツ」と表記されていた。

「こいつどうやら三島に新設された特急留置線に配属されたらしいぞ。」

「確かに田町にも車両入りきらないそうだしな。」

ここ田町にはこの運転所以外にも、品川客車区や東京機関区と品川機関区がある。

「あとこだまの最高時速250㎞/hに引き上げるらしくて151系全車、181系に改造するらしいよ。」

ちなみに今のこだまの最高時速は160㎞/h。

「毎年、毎年変わってくな~。」

また今度のダイヤ改正もすごいことになりそうだな。

 そして自宅では

「どこか電車で出掛けたいよ~。」

娘の花香が言う。 

「だったら上野動物園でいいだろ。」

家ではどこか行くなら上野動物園となっている。

「上野動物園以外!!だったら名古屋のおばちゃん家に行きたいよ!!」

「そうだよ~。たまには実家に帰省しなよ~。」

嫁の愛子が言う。ちなみに俺の実家は名古屋にある。

「今は電車混んでるから嫌。」

「そんなに混んでるの~?」

そこに優子さんが言う。

「急行の降車に時間がかかって特急にも影響して東海道本線、遅延だらけですから。」

「確かにどこ行っても混んでるよね~。」

愛子が言う。

「だから家に俺はいる!!」

「え~!!特急乗りたーいよ!!」

花香がだだをこねる。

「だからーぁ混んでるから嫌じゃー!!」

俺は思わず発狂をしてしまった。ということで今年の夏休みは神田の交通博物館に花香を連れていくでなんとか済んだ。

 1965年11月1日、岡山まで高速運転の区間が延長により、名古屋行きのおおとりと大阪行きのこだまが、151系から181系への改造により250㎞/hに引き上げ。超特急ひかりが岡山まで延長し、特急つばめが全列車博多行きに、下関・広島・岡山行きの特急しおじも新設されることにもなった。

 時は流れ1967年の夏。相変わらず夏休みの波動輸送に俺らは追われていた。

「特急もどんどん広がってくな~。」

運転所で休んでた俺が言う。

「博多まで高速運転の区間を拡大するらしいからな~。」

玉城が言う。

「まずは下関までの延長だろ。とうとう長年の国鉄の願いが叶うだな。あの人も喜んでるだろうな~。」

俺は両士さんのことを思う。

「お~い田原、玉城~!!新車来たぞ~。」

そこには俺らのことを呼ぶ同僚が。

「新車って昼夜両用の特急車両ですよね?」

俺が聞く。

「そうだ。あいつが来たぞあの581系が!!」

この車両と後にデビューする481系の改良型の型のあいつと共に新たな未来を切り開いてくのであった。

               続く……

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