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狭軌最強鉄道伝説~新幹線がない世界~  作者: ムラ松
第4章 681系の挑戦
10/20

憧れの超特急

お待たせしました~。ここ数ヶ月忙しかったので…。

ということで新章スタートです!!

 東海道本線に超特急が走り始めた頃、俺はまだ4歳だった。それでもまだ、初めてあれを見たことは昨日のことのようによく覚えている。

 そして今、1992年の9月。俺、藤村優真は憧れの超特急の運転士として働いている。

 ある日の夜。

「だいぶ遅れてるな…。」

俺は時計を見ながら言った。俺が乗務しているのはシンデレラエクスプレスこと、超特急ひかり289号だ。ただし今日はただの平日なので仕事に疲れたサラリーマンで満員だった。

 今日は東海道本線内での人身事故の影響でだいぶ遅延した。

 ということで現在は21:15を回ったところである。

「本当、今日が日曜日だったらな…。」

俺も6年前まではシンデレラエクスプレスの恋人たちの1人だったが、今はそれを運転する側となった。

 そんなことを考えていると指令から

「出発信号機が変わり次第、発車をお願いします。」

という連絡が来た。出発信号機が変わったので、ひかり289号はやっと東京を出発した。

 現在の東海道本線の特急の制限速度は250㎞/h。そして、この485系は最高時速270㎞/hまで出せる。しかし、普段は230㎞/h程度しか出さない。

「遅延してるし、前方列車もそんないないし、制限速度限界まで出すか。」

ということで、俺はノッチを力速にし、485系はスピードを上げていった。ATCのパネルを見ると「240」と出ていた。

「よし、行くぞ~。」

なんとなく、俺の目標が達成される瞬間だったような気がした。しかし、249㎞/hのところで…

チン!!

「ATS!?」

ATSが作動し、スピードが下がっていった。どうやらATSが暴走を止めたらしい。

「ウソだろ…。」

俺はガッカリした。

 そんなこともありながも、列車は大阪へ到着した。

 列車を京都総合運転所まで回送させ、今日の仕事が終わり、終電で自宅が高槻へ帰った。

 家に帰宅すると

「さすがに起きてるわけないよな。」

家は真っ暗。俺は苦笑いしながら家に入った。

 着替えて寝室に行くと

「本当、親子揃ってかわいい寝顔だな。」

そこには嫁の美桜と3歳の娘の桜が眠っていた。

 俺はそんなかわいい寝顔を見ながら俺も眠った。


 次の日…

「パパ、起きて!!」

「なんだよ…。桜…。」

桜が俺の上に乗っていた。

「起きて!!」

今日は土休日らしい…。

 俺は桜に引っ張られながらリビングに向かった。

「おはよう。優真さん!!朝御飯の用意できてるよ。」

美桜が台所で皿洗いをしながらにっこり笑った。

 俺は朝飯を食べながら

「今日はどうする?」

それを聞くと桜はとっさに言った。

「電車、見に行きたい!!」

電車大好きの桜はいつも聞くとこう答える。

「わかった。」

 ということで俺は桜を連れて、近所の東海道本線の線路横に行った。俺は桜を抱っこした。すると

「新快速だ~。」

そこに221系が全速力で通過していった。

「速い~!!」

現在、新快速は対京阪神の私鉄に対して新快速は160㎞/h運転をしている。最近、JRと私鉄との戦いは激戦化している。そしてスピードもどんどん上がっていってる。

「東海道線!!」

そこには201系がやってきた。

 東海道本線には201系をはじめ、103系や117系、113系、115系、221系、163系、165系、475系、457系、185系、183系、485系、583系など、たくさんの車両がやって来る。日頃、東京~大阪を運転してる俺でも飽きない。

 するとそこに

「ねぇ、あの白い電車なに~?」

「あれはね…。ってマジか!?」

そこには流線形の白い車体の車両が通過していった。

「あれはなんなの?」

桜が聞いてくる。

「あれは、これからの東海道本線の特急だよ。」

「そうなんだ~!!乗ってみたいな~!!ねぇ、じゃああれをパパが運転するの?」

「そうだな。」

 あの白い電車は681系。JR西日本が製造した、交直両用の特急車両だ。7月に月京都総合運転所に搬入され、現在は試運転中だ。設計によると300㎞/h出すバケモノらしい。


 10月の始め。京都総合運転所にて

「ちょっと、藤村いいか?」

運用を終えて帰ろうとしたところに上司が俺のことを呼んだ。

「なんですか?」

「お前、この前、東海道本線で制限速度ギリギリまで出してATSかかったんだろ?」

「なんでそれを…。」

ヤバい怒られる…。

「車両の記録に残ってたんだよ。」

「すいません…。遅延を取り戻すためについ…。」

「本来なら危ないからやめろといいたいところが、お前のその度胸気に入った!!」

「え?」

俺は唖然とした。

「ということで、今度の681系の高速試験を頼みたいんだが…。」

「俺がですか!?」

「そう。最近、特急の運転士になった奴の運転士になった奴になんでなったと?理由を聞いたら、みんな口をそろえてこう言うんだよ。

  子供の頃見た憧れのひかりを運転したい。

  そして300㎞/h運転をしたい。

とな。藤村、お前もそうだろ?」

「はい!!」

「よし!!今度の高速試験頼んだぞ!!」

「はい!!」

ついに憧れの300㎞/h運転ができるのか~。


 

 それから数日後、留置線に行くと681系がいた。

「藤村さんですか?」

そこにはたくさんの技術者がいた。その1人が俺に声をかけた。

「そうです。今日はよろしくお願いします。」

俺は頭を下げた。

「こちらこそ。僕は研究主任の新井巧です。よろしくお願いします。」

新井さんも頭を下げた。

「今日は何をやればいいんですか?」

「湖西線で300㎞/h運転をしていただきます。」

「湖西線ですか。」

「東海道本線でも後ほど、試験を予定しております。今回は681系の性能を発揮させる試験なので。」

「わかりました。」

 ということで俺は運転室に入り、発車の準備をする。

「やっぱり、新車は違うな。国鉄車と比べると整理されてるし。」

民営化後、初のJRの超特急用の車両なので、どこを見ても超最新機器だらけだ。

 発車指示が出て、列車は留置線を出発した。

 列車は京都を経て、湖西線に入った。

「それでは、高速試験を開始します。フルノッチでお願いします。」

「了解です。」

俺はノッチをフルにした。

 列車は徐々にスピードを上げて行く。メーターが100を越える。そして、2分ほどで200まで到達した。

「よし!!ここからだ!!」

210、220、230、240…

 メーターは本来なら東海道本線では制限速度に到達してATSが作動するところまで、メーターが到達した。

 だが、そこで俺は思った。

「本当にATSかからないよな…。」

この前の件で、俺の頭の中には不安感がよぎった。

「でも大丈夫だ。俺の夢までもう少しなんだ。」

メーターは249となり…

   ついに250㎞/hを突破した…。

 そして更に列車のスピードが上がってくる…。

「目標まであと少しだ!!」

メーターを見ると280となっていた。

 291、293、294、295、296、297、298、299…

 そしてついに…

「来たぞ!!」

ついに300㎞/hを達成した。すると新井さんから

「目標達成です!!徐々にスピードを…」

俺は新井さんの話を聞きながら俺はあるものを見てしまった。それは…

「まだやります!!681系のメーター、350までありますよね?」

「あのちょっとそれは…。」

「やらせてください!!そして、この『狭軌最強鉄道』と呼ばれる日本からまた世界一を出しましょう!!」

「…。わかりました!!責任は僕が取ります!!」

「ありがとうございます!!」

ということで、更に列車のスピードは上がっていく…。

「俺だって営業運転でもATSかかるほどの運転をやったんだ!!こいつのATSも作動させるぞ!!」

320、330、340…

 目標までもう少し…。

「348㎞/h!!681系よ!!全力を出すんだ!!」

そしてついに…

「350㎞/h!!」

すると…

チン!!

ATSがかかり、列車のスピードは落ちてゆく…。

「やりましたよ!!」

「はい!!」

たぶん、この喜びは一生忘れないだろう。俺が新たな伝説を残したから───


 それから、681系はたくさんの試験をし、翌年のダイヤ改正に681系には量産車が投入され、東海道本線、山陽本線で新設された超特急のぞみで運転を始めた。それにより、超特急ひかりは鹿児島本線での運用をのぞみに譲り、日豊本線に乗り入れを開始。かつて、日豊本線を走った急行ひかりが帰ってきた。

 同時に681系は北陸本線でも運用を開始。北陸本線では特急スーパー雷鳥として運用を開始。「サンダーバード」という愛称もついた。

 これにより、485系の運用も徐々に減っていた。これも時代のせいなのであろうか。

 

 そして俺はというと…

「ひさびさに485系を運転したいです!!」

「お前はダメ!!次こそ事故起こすから!!」

485系を681系感覚で250㎞/h運転をし、ついでにATSを破壊した。しかも、その時はGWの波動輸送のためにJR東日本の東北本線用の485系を使用したため、酷いことになった。

 というで

「しばらくよろしくな相棒。」

俺は681系の専属の運転士となった。

 

 そしてあの時、俺が運転した681系の先行量産車こと681系900番台は…。

「ロクサンみたいな装備してますね。電磁吸着ブレーキなんて、装備してるなんて…。」

「そりゃ、こいつがなければ、あそこは登れないからな。」

681系900番台はある試験をするためにJR東日本の大宮工場に入場していた。新井さんはその改造工事が完了したので視察に来た。

「今度は681系に何をさせるのですか?」

「登ってもらうよ!!あの碓氷峠を!!」

681系の新たな挑戦が始まった。

この小説はできれば1ヶに1話か2話のペースで投稿したいです。

次回も681系は大活躍します!!

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