嵐の前に
二人は宿につくと今後の事について話あった。
『とりあえず今はダークエルフを捕らえるかして俺に関する情報をって言いたいけど難しいだろうな。そもそも俺のことを知っている可能性が低いからな。』
『でも、何もしないよりはマシじゃない?ここにいても始まらないんだから明日備えて早くねよ?』
『だな、えっとアリア。危なくなったらすぐに退いてくれ。君がここでやられる事はないんだから。』
『それはレインも同じでしょ?それに何かあったらレインが助けてくれるって思ってるからあの時みたいに。』
『まぁ、そりゃあな。じゃあおやすみ。』
翌日二人は大使館に行くがどうやら作戦を考えているらしく、拠点に行くのは明日になるとのことなので二人はエルフの街を散策する事にした。『ねぇレイン!あれって洋服屋じゃない?ちょっと寄ってっていい?』
『別に構わないが何を買うんだ?服はエルフの魔法道具とかで常に清潔だろ?』
『レインは乙女心を分かってないなー。新しい服を着るだけでも楽しいんだよ?それに確実に欲しいものはあるし、、、』
『ん?まぁ寄るのは全然構わないから寄ってこうか。』
二人は洋服屋に入りレインはアリアの買い物を待ちながら図書館でのダークエルフの情報について整理することにした。
『、、、エルフが堕ち悪魔の長ハーデスに従う種族か。一体何でハーデスに従ってるんだろうな、、、』
『ねぇ、レイン!これ似合うかな?』
『ん、これって?おぉー。』
アリアが試着していたのはグレーの服とは全然違う白と緑のワンピースであった。普段とは違う印象の服を着るだけでこんなに違うのかと思わず見とれてしまう程綺麗だった。
『よく似合ってるんじゃないか?アリアは美人だから何着ても似合うと思うけどな。』
『な、何言ってんの!?///お世辞でもそゆこと言わないでよ!』
『いや、お世辞ってゆーか素直な本音なんだけどな、、、』
『っ///もうっ、着替えてくる!』
頬を赤く染めながらアリアは元の服に着替えて結局その新しい服を買い
宿に戻って明日の準備を開始した。
『準備っていっても特にいつもと変わらないんだよな。』
『そういえばレインの剣って他のと違うフォルムの剣だよね。剣って言うより刀って言った方が正確なのかな?それについても覚えてないの?』
レインの剣はアリアや一般的に使われてる剣と違い刀に近い見た目をしているが不思議な事に鍔が無い。鍔がない刀も存在するが刀と違うと印象づけるのはその切先である。普通なら刀身の方に切先があるのだが、レインの剣は切先が中央にあるのだ。まるで長刀をイメージさせるが長刀にしては短いのだ。
『あぁ全くだ。でも、この剣は俺が持っていないといけないんだってゆー感じがするんだ。だからこの剣は俺の記憶に関係しているんだと思うんだ。』
『そーなんだ。何か唯一無二の剣って感じでカッコイイじゃん♪もしかしたらレインの為のオリジナルの剣かもしれないね!』
『そんな剣があったら是非とも作ってもらいたいよ。さて準備も終わったからもう寝ようか?』
『そだね、おやすみレイン。』
『おやすみ。』
二人は明日は激しい戦いになるだろうと思いながら眠りについた。
朝になるやいなや、騒々しい音でレインが目を覚ました。
窓を見ると街が煙を纏い炎があちこちに出ている。
『おい、アリア!起きろ!大変だ!』
『ん、何よレイン突然、、、ってなに、これ、、、』
『とりあえず大使館に行ってレクトの所まで行こう!』
『わかった。』
二人は急いでレクトの元へ向かった。
『二人とも来てくれてそうそうすまないな。』
『一体なにがあったんだ?』
『どうやらダークエルフに我々の作戦がバレていたらしく、作戦実行の準備中を狙って奇襲してきたと思うんだ。今は侵入したダークエルフの撃破と避難で手一杯なんだ。』
『俺達はどうすれば?』
『すまないがダークエルフの方を頼めないだろうか?今こちらのエルフが応戦しているところが何ヶ所なある。そこを周り撃退して欲しい。』
『わかった、行こうアリア。』
『えぇ、レクトさん。相手は魔法を使うんですよね?変装みたいなのも使ったりしてるんですか?』
『存在はするが今は使っている可能性は低いだろう。変装魔法は使用者の魔力の大半を使い切るだろうから。一応対策としてこのレンズを、、、変装魔法を見破る道具だ。今は君たちに渡した方が効率的だろう。』
『わかりました。行こ!レイン!』
『あぁ!』
二人は戦場に向かって走り出した。