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変わらない日々

 ニートになって半年が経った。パソコンと睨めっこの日々。それから昼夜の逆転した生活。

 

 今では必要最低限の食料とたまに部屋に入ってくる兄との会話で、ほぼ人生が成立している。

 まさに社会のお荷物となってしまった。

 

 もしも願いが一つ叶うのならば、誰も知らない場所で、誰にも迷惑にならないように静かに死にたい。それでも今の生活には十分満足しているので、当分はこのままだと思う。

 目はかなり悪いし、体格も普通の高校生に比べたら小さい。声もそんなに低くないので、今までにモテ期が訪れたこともない。まあ、そんなこと考える以前に自分にはそんなことを考える資格すらないだろうけど。


 何も取り得の無い自分。おまけに自信もなかった。


 陽が沈んでから目が覚めて、ノートパソコンを開く。画面には有名な動画サイトと小説投稿サイトが開かれていて、キーボードに手をかける自分。ここまではいつも通りなのに、今日は少し違った。今思うと、それが自分の人生を変える一歩だったのかもしれないな、なんて。


 『ファンタジー職業診断』


 普段は気にも留めないテロップなのに、クリックしてしまった自分。多分これは気まぐれだった。


 飛んだページは簡単な質問形式になっていて、丁寧に答えていく自分。


○-----------------


Q細かい人だと言われる  いいえ

Q自分の意見を貫く方だ   いいえ

Q本や新聞などを読むのが好き  いいえ

Qぶっつけ本番やアドリブが得意 いいえ

Q科学的、論理的に考える    いいえ

Q戦うのが好き         いいえ


-----------------○


 テストが終わって回答を振り返ってみる。正直に答えたつもりなのに、これぞ理想の駄目人間なのかもしれない。また自分に自信がなくなってきた。


 ワンクリック後の診断結果は『神官補助』。

 ちょっと待って、そんな職業あるのかよ。かなりマイナー。もっとメジャーな職業がよかった。なんて思ったり。結局自分はどこの世界に行ったって微妙な奴なんだろうな、と人生を半ば呪いかけた。当たりクジ引いた奴が羨ましいわ。この野郎。

 ああもうこの際、異世界で神官の仕事手伝うのも、万年ニートも似たようなもんだ。


 『此方の職業に転職されますか?』


 カーソルを一番下まで下げると、興味の惹かれる質問があった。

 どうせRPGの宣伝に作られた診断なのだろう。これといって毎日暇だからゲームにのめり込むのも有りだろうと、『はい』をクリックした。


 『本当によろしいですか?』

 これまた『はい』を選択する。刹那、睡魔に襲われた。これはまずいとパソコンを閉じて布団に潜ると、こくりと夢に落ちた。



 次に目を覚ました場所は、光に囲まれた台座の上。多分どこかの大きな神殿の中。

 目の前で男が一人、オレを見て立っていた。


戦うのは苦手やけど、冒険はしたいんよなあ。そこから生まれた作品です。

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